265 アーシア大陸国内の魔物駆逐作戦会議
1年8月9日
アーシア大陸の各国の首脳に集まってもらって作戦会議を始めることにした。
「皆さんお集まりいただきありがとうございます。魔物を駆逐する日々にうんざりしていると思います」
皆さん頷いていらっしゃる。
「そこで各国の国境線に壁を作りたいと思います。もちろん道があるところは塞がないようにします。そこだけ警備してもらえば侵入してくる事はないでしょう。仮に侵入してきても簡単に迎撃できます」
「私から質問良いですか?国境線は長いですが壁を造るのは大変ではないでしょうか?もちろん助かるんですが」
「ナビィ皆さんの前に現れて答えてもらえるかな?」
「はい!ナビィがお答えします。天使10万人で今から始めれば余裕で明日の朝までには完成しますね。蛇足ですが国境線に壁があったら道があるところだけお互いの国が警備すれば怪しい人物の往来を防げると考えます」
「それはエルフの国としてありがたいです。人間が非合法にエルフを拉致し奴隷とする事例もあるので」
「獣人の国も同じ理由で助かる話だ」
「この世界にもそういう事例があるんですね。許せないですね。ナビィ、グラウベ聖国の壁は地球で言う樺太の辺りで大陸が出っ張っている辺りまで伸ばせないだろうか?」
「あぁ。確かに今の国境線は変な形ですね。分かりました。伸ばします」
「国境線に壁が出来ればティア王国さんとヒンメル王国さんは魔物を簡単に駆除出来るかと思います。明日の朝9時にリーベ王国さんの南の端から制圧していきます。朝9時にした理由はリーベ王国の国民の皆さんに事前に知らせて混乱を避けるためです。我軍は魔物と戦闘するノウハウもあります。必ずや駆逐してみせます。ご安心ください」
「リーベ王国としては本当にありがたいお話です。このエリアが自国だと言っていますが実際に使えている土地は極一部なので。魔物が駆逐されれば農業も出来るのではないかと考えています」
「それは良いことだと思います」
「ヒンメル王国から1つ良いでしょうか?」
「はい、何でしょうか?」
「今、地図を広げていただいていますが私の国の北の魔物の領域を大和王国さんで支配していただけないでしょうか?」
「その質問に答える前に部下に確認します。ナビィ質問良い?」
「はい、何でもどうぞ」
「地球ではロシアなど北に行くと寒いけどこの世界ではどうなんだろうか?」
「結論を言うと穏やかな気候です。日本と同じく四季があります。地球のように自然の状態ですとあり得ない話ですが、この世界の神々はこう考えたんです。せっかく広大な陸地があるのに厳しい寒さ等で使えないのでは意味がない。人々に快適な生活環境で暮らしてもらいたいと。そこで精霊の出番です。精霊が雨を降らせたり色々な事をすることで快適な生活環境になっています。なのでこの世界に砂漠は殆どありません。最も厳しい環境というと北海道の気候と同じと言えば分かりやすいでしょうか?」
「そうなんだ」
「はい。ただし既にお気付きだと思いますが地球のように夏は超暑くで冬は超寒いというような事はありません。穏やかな気候です」
「それは良かった非常に好都合だ。将来的にはアーシア大陸にも新しい国をつくりたいと思います」
「大和王国さんが支配するのではなく?」
「シルヴィー女王。仮に我軍が北の魔物の領域を制圧してヒンメル王国さんに後は任せますと言われて統治しきれますか?」
「……無理ですね。広すぎます」
「そういう事です。広すぎて管理しきれません。だから新しい国をつくろうと考えたんです」
「なるほど。失礼しました」
「いえ。お気持ちは分かるので構いません。スミマセン。ここからはオーエス大陸の皆さんも参加してください」
オーエス大陸の各国の首脳が集まる。リア女王もだが妻全員も。
「皆さん、この地図は世界のほんの一部です。創造神様がこの世界をつくる時に参考にした世界は195カ国以上あります。世界の人口は約78億人です。その数字の大きさに驚かれる事でしょう。この世界とは違い世界の至る所に大昔から人が住んでいたと記憶しています。私の元いた世界は人間しかいませんでした。魔法もありません。魔法がないお陰かもしれませんが、一部の国では銃や大砲が開発され船の技術も発達しました。一部の国は武力を使い発展が遅れた国を支配下に置くようになりました。目的はお茶や胡椒などの貴重な物の為等です。リア王国が我が国に来たような感じですね。殆どは支配下に置くだけで併合していなかったと記憶しています。大きな大陸を見つけて自国民を大量に送り込みましたが、ある日、本国の圧政にブチ切れて独立戦争を起こし無事に独立しました。……結論、何が言いたいかと言うと2つです。子どもを積極的に増やしてほしいのが1つ。国が大きすぎても管理しきれずに失敗するのが2つ目です」
「驚きました。流石、色々な事を経験してきただけありますね」
「はい。ですので魔物の領域を制圧したら新しい国をどんどんつくって行こうと思います……私の妻は沢山の子どもを産むようなので子どもの就職先もつくらないといけませんからね」
各国の首脳から笑いが起こった。





