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260 第2回国際会議で生命神激怒

 1年8月9日


「ワシは難しいことは良く分からんが要は神々の忠告を聞いていれば良かったんだろ?大和王国国王よ。娘が煩くてな『大和王国国王と結婚させろ』ってな。親の前でそんな嫌そうな顔をするなよ。娘はワシと違って妖精のように可愛いから安心しろ」


「嫌そうな顔をしたのは違うんです。また嫁が増えるのかという嘆きです」


「あぁそういう事か。もう9人も10人もそう大して変わらんだろ。特命全権大使に娘をここに連れて来るように言ってくれんか?」


「ウィンドウちゃんお願いします」


「はい!」


「グラウベ聖国の教皇さんよ。ワシはあんたの事をよく知らんが随分と偉くなったもんだな?神の言葉を否定するとは驚いたわ」


「だ、だから……本当に神が言った事か分からんじゃないか!」


「お前さん忘れてないか目の前に神がいる事を」


「何の事だ?私にはさっぱり分からん」


「大和王国国王は新神だろうが」


「そ、それは……格下の所詮、新神ごときが上級の神々の名前を使って嘘を言っているかもしれないじゃないか!」


「ほぅ?それは聞き捨てならないね。『格下の所詮、新神ごとき』とはね」


「だ、誰だ?」


「よいしょっと。ここだよ」


 円卓の机の真ん中に生命神が立った。

 すると僕と妻達以外は全員、跪いた。


「もう良いかな?よっと。ほら座りなよ」


 皆、ゆっくりとした動きでなんとか椅子に座る。


「初めまして。僕が生命神なんだけどね。あまりにも聞き捨てならないセリフにカチンときてね。つい降りて来ちゃった」


「せ、生命神様ですか?」


「あれ?僕には敬語なんだ?へぇ~。あのさぁ言っちゃなんだけどね。教皇って頭悪いのかな?」


「わ、私が頭が悪いとはどういう事でしょうか?」


「光一くんが話している時に創造神様には『様』って付けるけど僕に対しては付けて無かったでしょ?何でだと思う?」


「それは……仲が良いか、無礼だからでしょうか?」


「仲が良いのは合っているけど理由ではないね。正解は新神とは言え僕と同格だからでした~」


「同格?新神が?」


「僕の言葉を疑うの?」


「そ、そんなつもりはありません」


「同格の神が『格下の所詮』って言われたらね。僕も流石に怒るよ。君、何様のつもりなの?」


「不勉強でスミマセンでした。教皇です」


「教皇と聖女の力関係の話も出てたね。聖女は神に選ばれた者だけど教皇って何?僕達神々は選んだ覚えがないんだけど?」


「そ、それは……」


「僕からしたら神に選ばれた聖女より人間が勝手に決めた教皇の方が格下だと思うんだけどね?どうなの?」


「……」


「何も言えないか。頭に来たからついでにこの際、グラウベ聖国に行ってその僕の疑問を投げかけて来ようか。そんじゃ行ってくるわ」


「お前さん完全にやらかしたな。神がいるこの世界で安易に神に喧嘩を売るとどうなるか良い見本だな」


「明らかに全否定していたものね。あぁちなみにこの国際会議の様子は創造神様も観ていらっしゃると思うわよ」


「リア女王それは本当かね?」


「先程、コウイチも言っていたでしょ『国際会議を開いて話し合います』って神々に話したと。そりゃ興味を引くと思わない?」


「確かにそうじゃな。教皇さんよ。良かったな創造神様が降臨されなくて」


「私はどこで間違ったんだろうか?」


「ワシが思うに教皇になって調子に乗りすぎて居たんじゃないかの?」


「そんな……」


「あっお待たせしました~!グラウベ聖国の皆に聞いてきたよ『僕、生命神なんだけど神が選んだ聖女より人間が勝手に決めた教皇の方が立場が上っておかしくない?』って。そしたら『確かにそうだ』『最近の教皇は何様だって感じる』『教皇を解任して聖女に国を導いてもらおう』『教皇を裁判すべきだ』等と色々なご意見をいただきましたよ」


「生命神さん中々凄いことしますね」


「いや、僕は単純な疑問を皆に聞いただけだよ。あっそうそう。今の聖女って実はまだシャーロットさんなんだよね~。通常と異なりグラウベ聖国では新しい聖女が決まらなかったんですね。何でだと思う?」


「僕が考えられるのは1つは創造神様の一時的な降格事件。2つ目は相応しい人が居なかった」


「流石、光一くん。両方正解だよ。そこでボケーッとしている教皇とは大違いだね。というわけでグラウベ聖国もリア王国と同じ扱いになるね。教皇はクビもしくは降格。次の聖女が産まれて育つまでは大和王国が統治する。君ならこの意味分かってくれるよね」


「グラウベ聖国の国内に聖女は女王と同格だと僕が宣言するんですね」


「話が早くて助かるね。それから皆さん先程まで光一くん達が言っていた事は事実だから。例えばシルヴィーさん」


「は、はい!」


「国を統治するのは今まで通り変わらない。ただ大和王国の傘下に入りインフラ整備とか大和王国に支援してもらう。従属国になるのは嫌かもしれないけど光一くんの性格を理解しているでしょ?搾取するような事はしないはずだよ。むしろタダ働きしてくれるだろうね。将来的にはエリアナさんの子どもが女王になる。第1王女のエリザベトさんの子どもは宰相のようにサポート役をするというのは嫌かな?」


「嫌じゃないです。嬉しいお話です」


「特殊なのはグラウベ聖国とリア王国だけだよ。子どもが産まれて育つまでは大和王国が間接的に統治する。他の国は大和王国という宗主国の従属国になるだけであまり変わらないよ。将来的に光一くんの子どもが育てば国王や女王になり独立国になる。僕達、創造神様と僕がこの提案をするのは全ての人に豊かな生活を送ってほしいから。昨日の事件みたいなのは神としても残念に思う。あっそうそう。辺境伯の真意を聞きたいと言っていたけど僕がネタバレしちゃうとね領民を思っての行動だよ。手段を誤っただけで悪い人じゃないよ。だから生命神としては処刑は止めてあげてほしいな。実行犯達もね」


「コウイチ。リア女王としては厳重注意処分で処刑は止めようと思うけどどうだろうか?」


「大和王国国王としてそれに賛成する」


「オース王国国王も同じ対応とさせていただきます」


「おー!娘が来たな!コウイチさんこれが私の娘です」


「コウイチさんですか!結婚してください!お願いします!何でもしますから!」


「お、おう。落ち着いて。本当に妖精のように可愛いね。歳はいくつ?」


「ありがとうございます。17歳になったばかりです」


「どうしてそんなに僕と結婚したいの?」


「色々な偉業が聞こえてくるのと新神様だからです!勘違いしないでほしいのは新神と聞く前から結婚したいと思っていました」


「あーそれは生命神である僕も間違いないと言っておくよ」


「分かった。僕と結婚してください」


「やったー!お父さんありがとう!」


「娘が喜ぶ姿が一番だな!コウイチさん娘をよろしくお願いします。結婚式は1ヶ月後の……」


「ウィンドウちゃん、カレンダーを渡して来てくれるかな?」


「はい!マスター!」


「おー!ありがとう!これは便利だ。今日が何日だっけ?」


「8月9日ですね」


「では9月9日に結婚式だな。記念日を覚えやすくて丁度良い。今日からお世話になりたいところだが、服などの荷造りをしないとだからな。結婚式の日に娘をよろしく頼む」


「残念ですが仕方ありません!1ヶ月後によろしくお願いします!」


「うん、こちらこそよろしく」


「それじゃ僕はそろそろ帰るよ」


「ありがとうございました」


「また会おうね。ではさらば」


「生命神様が帰ったところで皆、採決をしよう。大和王国を宗主国とし我々の国は従属国になることに賛成の者は挙手」


 全員手が挙がった……ただし教皇は除く。


「よし!全会一致で可決だな。コウイチさんこれから忙しくなるだろうがよろしく頼むよ」


「はい!」


「皆、繰り返すがコウイチさんは新神だ。大船に乗った気分でせっかくだパーティーをしよう」


「ウィンドウちゃん、ホテルのスタッフに連絡してパーティーの準備をさせて」


「承知しました!応援も寄越します!」


「それからこの抜け殻みたいになっている教皇様を国にお帰りいただこうじゃないか」


「ウィンドウちゃん、特命全権大使に頼んでお送りして」


「はい!分かりました!」

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