254 対空戦闘と犯人確保
1年8月8日
モニターに2人目のアバターが映し出される。
『国王陛下。艦を奪われてしまい申し訳ありません』
「君のせいではないから謝らないでほしい。それより犯人の要求は?」
『はい。最初はリア王国の首都に向かえとだけでしたが……』
「要求が具体的になった?」
『はい。リア王国の王城が射程圏内に入ったら撃てとの事です』
「我々の艦隊が視認出来るようになったら困る。視認距離に入らなくても射程圏内に入るだろう」
『はい。GPS情報等を元に遠距離から撃つ予定です。もうすぐ射程圏内に入ります。犯人には射程圏内に入ったと伝えます』
「それで頼む。何分くらいで射程圏内に入る?」
『後5分です』
「分かった。必ず無傷で助けるから。もう少し辛抱してほしい。犯人に気付かれないようにレーダーの警告音は切ってほしい」
『ありがとうございます。分かりました。射程圏内に入ったらまた連絡します』
「頼んだ」
モニターからアバターが1人消えた。
「ふぅ」
「司令官、無傷で助ける作戦は?」
「まず僕が空を飛んで奪われた艦に向かう。高高度で気付かれないようにね。到着したら人間だけをターゲットにした睡眠魔法で眠ってもらう。それだけさ」
「なるほどシンプルですね」
「シンプルイズベストだよ」
5分後
再びアバターが現れた。
『艦長、射程圏内に入りました』
「レーダーを偽装することは可能?」
『可能ですがどう偽装しますか?』
「ミサイルが迎撃されずに無事にターゲットに着弾したように見せたい」
『敵は多分、レーダーの見方は分からないと思いますが念の為そうします』
「よろしく頼むよ。犯人に射程圏内に入ったと伝えてみて」
『伝えました……確実に破壊するため16発撃てとの事です』
「殺意高すぎだろ。分かった良いよ撃って」
『撃ちました。犯人は喜んでいます』
「人質を処分する気配はない?」
『このまま艦を乗っ取るつもりのようですので大丈夫です』
「了解。ありがとう」
『いえ。よろしくお願いします』
(ピーピーピーピーピーピーピー……)
『司令官ミサイルが16発飛来してきます』
「対空戦闘用意!」
『対空戦闘用意!』
「打ち~かたはじめ~」
『打ち~かたはじめ~』
(シュッボーン、シュッボーン、シュッボーン、シュッボーン……)
(ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……)
『全弾迎撃に成功しました』
「報告ありがとう。流石、我が艦隊。実戦訓練にもなったから無駄では無かったと思おう」
『そうですね。良いデータが取れました』
「それじゃ行ってくる」
『はい。お気をつけて』
僕は艦橋から出て空を飛ぶ。空を自由に飛べるとか異世界本当に楽しいわ。今はそんな事言ってる場合じゃないけどね。
しばらく高速飛行していると見えてきた。高速飛行したら息が出来なくなったので身体の周りを空気をまとうイメージで飛んでいる。
さて艦橋の真上に足をつけないギリギリで浮いて止まる。足をつけると音がするかもしれないからね。
さて睡眠魔法を使おう。自分を透明化出来るかな?光学迷彩みたいなイメージで。出来た。艦橋を上から覗いてみる。
うん、皆、寝てるね。僕が特殊開発した魔法が使えないようになる手錠を犯人にしてっと。
後は自害されても困るから猿ぐつわもしてっと。
『国王陛下ありがとうございます』
「うん。皆、無事?」
「はい。我々エテルノ含め全員無事です」
「それなら良かったよ。とりあえずこいつらはリア王国の王都の警察署に連れてくわ」
「それでしたら我々エテルノもお手伝いします」
「それは助かるわって流石エテルノ2人同時に担ぐとは」
「いえ、我々も結構ギリギリです」
「悪いね。ゲートを開くね」
「はい」
「あっ待った。そいつら床に置いてもらえる?」
「はい分かりました?」
「アイテムボックスで犯人全員まとめて収納!出来た!」
「流石、国王陛下です」
「それじゃ行ってくるよ」
「はい。私達は待っています」
僕はゲートをくぐって王都の警察署に来た。
「こ、国王陛下!」
「何が起きているんですか?」
「国民の皆さん、お気持ちは分かりますが落ち着いてください。解決するまでもうしばらくお待ち下さい」
「警察官さん。僕を拘置所まで案内してくれるかな?」
「はい!国王陛下!ご案内します!」
「お願いします」
自分で街を設計したんだけど場所を忘れちゃって……隣だったか!
「国王陛下!どのような用件でしょうか?」
「軍艦を奪った犯人を連れてきた。罪状は専門家の君達に任せるけど檻まで案内してくれるかな?」
「犯人はどこに?」
「空間魔法で収納して来た」
「分かりましたこちらへどうぞ」
「お願いします」
しばらく歩くと檻が並ぶエリアに来た。さて犯人を出すか。
「犯人は15人いる。檻1つに1人入れたい。檻を開けてもらえるかな?」
「15人ですか!?分かりました!今、開けます。それから応援も呼びます!」
「お願いね。さてこの檻に1人入れるか。1人出すね。檻は魔法が使えないようになってるんだっけ?」
「はい」
「音の遮断は?」
「それはありません」
「了解。遮音結界を張るイメージでほいっ。試しに僕が入って声を出してみるから確認して」
「はい!」
「声聞こえるー?」
「大丈夫です」
「オッケー。そんじゃ1人出すわ。ホイッ。手錠はそのままだな。後ろ手で手錠したから猿ぐつわ外せないだろう。次行こ」
僕はこれを15回繰り返した。
「悪いけど少し待ってて。取り調べは僕も参加する。自害されたくないから」
「承知しました!」





