253 オース王国海軍に事情を説明
1年8月8日
「ウィンドウちゃん、僕は艦隊のイージス巡洋艦に乗船したい。ゲートを開けるかな?」
「エテルノ間で情報をやり取りしており座標も把握しているので可能だと思われます。開きます」
ゲートが開いた。
「頭だけ出してみるね。……うんイージス巡洋艦だね。ありがとう。それじゃ皆、行ってくる」
「いってらっしゃい」
無事に乗船した。艦橋に行く。
「国王陛下!お疲れ様です!」
「お疲れ様。戦闘になる可能性もあるから頑張ろうね」
「ハッ!承知しました!」
『国王陛下、お疲れ様です』
「お疲れ様。状況を教えてほしい」
『まずオース王国海軍は有効射程距離の外で停船しました。もちろんこちらの射程圏内ですが』
「この世界、発光信号とか手旗信号とかないから不便だよなぁ。乗っ取られた船が有効射程距離に入るのは後どれくらい?」
『はい。10分後だと思われます』
「それじゃ空飛んでオース王国海軍に目的を聞いてくるよ」
「それは危険……ではないですね。失礼しました」
「いや、気持ちは分かるから大丈夫。そんじゃ行ってくるわ」
空を飛んで一番前にあるオース王国海軍の軍艦に降りてみる。
「だ、誰だ!?手を上げろ!」
「大和王国国王です。敵意はありません」
「失礼しました。手を降ろしていただいて構いません」
「ありがとうございます。この艦隊の旗艦はどれですか?」
「この船です」
「ほうほう。この船で一番偉い人のところに案内してもらえますか?」
「私が艦長です」
「これは失礼しました。艦長さんがこんなところにいるとは思わなかったので」
「いえ、構いません」
「そちらの目的を教えていただけますか?」
「沖に艦隊が現れたので敵意があったらマズイと思い来ました」
「それは当然の事ですね。オース王国のニコランド国王には話したんですが私達に敵意はありません。まず侵略する理由がありませんから理解いただけますでしょうか?」
「国王陛下に事前にご連絡いただいたのですね。安心しました。理解しました」
「国家機密ですので2人だけで話せますか?」
「分かりました。皆、持ち場に戻るように」
「はい!」
「ありがとうございます。オース王国の軍に反乱分子がいるようです。リア王国と接している辺境伯の軍辺りが怪しいと個人的には思っているんですがね。本日の昼頃に15人の銃を持った人間がリア王国の軍港に停泊していた我が国の軍艦を乗っ取りました。人質がいるので困っているところです。犯人の目的地はリア王国の首都だそうです。軍港で軍艦を乗っ取られるとかお恥ずかしい話です」
「それでは目の前に停泊している艦隊はリア王国首都防衛が目的ですか」
「その通りです。絶対に守ります」
「犯人の目的は何だとお考えですか?」
「リア王国のようにオース王国も大和王国の傘下に入れたいんだと思いますよ」
「何故そんな事を?」
「噂を聞いたことないですか?最近、リア王国が我が国の学園都市並みの発展をしたことを」
「私は聞いたことないですね」
「隣街が急激に発展したら羨ましく思ったり不満が溜まると思っていたんです。隣街は井戸から水を汲まなくても水が使えて毎日お風呂に入れるしトイレも快適。何やら便利なサービスが始まっている……方や井戸から水を汲む生活で風呂にも入れない。不公平だとか不満が溜まると思いませんか?」
「なるほどそういう事ですか。気持ちは分かりますがだからといって国を裏切るのはどうかと思います」
「あなたのような人ばかりなら良かったんですがね。そういう事ですので戦闘になる可能性もあります。ご理解よろしくお願いします」
「分かりました。どうか我が国を守ってください」
「任せてください。国王として断言します。絶対に守りますし、犯人は生け捕りにします。事情聴取しないと安心出来ませんから」
「ありがとうございます。仮に辺境伯が犯行に関わっていたら……という事ですね」
「ご理解いただきありがとうございます。それでは失礼しますね」
「あ、その前に我々はニコランド国王の味方だと伝えておきます。何事も無ければ良いですが内戦になる可能性もありますから」
「その場合はニコランド国王から要請があればですが、我々も加勢します。本件は我々も無関係ではないので」
「ありがとうございます。どうかよろしくお願いします」
「はい。では失礼します」
僕は今度はゲートを開いて戻った。
「国王陛下ご無事で何よりです」
「まぁよっぽどの事が無ければ僕は無敵だけどね。この艦のAIちゃん」
『はい』
「本艦を旗艦としてもらいたい。戦闘になる可能性もあるから」
『分かりました』
「国王である僕が最高司令官だ。サポートよろしく頼むよ」
『国王陛下はいつでも最高司令官ですが、改めて明言した訳ですね。サポートします』
「ありがとう。奪われた艦はもう射程圏内に入ったかな?」
『はい。既に射程圏内です』
「奪われた艦のAIと通信出来るかな?」
『可能です。少々お待ち下さい』





