252 状況確認とオース王国に緊急連絡
1年8月8日
「敵の要求は?」
「オース王国の首都に向かえとの事です。世界共通語を話しています」
「人質の状態は?」
「手足を縛られています」
「リア王国海軍兵士とエテルノに国王命令としてこう伝えて『必ず助けるから自ら死ぬような行動はしないように。それとゴメン』と」
「分かりました……伝えました」
「現在の速度は?」
「敵は最高速度を知らないと思われます。気付かれない範囲で速度を落としています」
「敵は人間かな?」
「はい」
「どこの国の人かは分からないよね?」
「世界共通語ですが若干オース王国の訛りがあります」
「つまり敵の狙いは我が国の軍艦でオース王国の首都を攻撃し戦争を始めるとかそんなところか」
「恐らくそんな感じだと思われます」
「ワープ航法で先に空母含む艦隊をオース王国首都の沖に展開しておいてくれ」
「承知しました」
「ジュリエット悪いけど協力してくれないかな?お父さんに連絡しておきたい」
「分かったわ」
「もしもーし。お父様いる?何?え?会議中?そんな重要な会議なの?確認してくるって?よろしくね」
約5分後
「もしもしお父様!非常事態よ!国王陛下に変わるわ」
「ありがとう」
「はい」
「もしもし先に謝っておきます。大変申し訳ありません。結論を言います。我が国の軍艦がリア王国で敵に乗っ取られそちらの首都に向かっております。敵に気付かれない範囲で速度を落としていますが時間の問題です。我が国の艦隊が敵の攻撃を防ぐ予定ではありますが、念の為ご連絡致しました」
「明日の国際会議の予定や先日のご連絡。何か心当たりがあるのでしょうか?」
「トラバント地方とリア王国で街を整備して生活環境を劇的に改善しました。また、我が国のお蔭で食料や服の価格も安定してきています。私の行いは国民を思っての事ですが意図せず国家間で生活環境に格差が生じてしまいました。リア王国の噂がオース王国で広まり不満が溜まる事を懸念しました。私はオース王国の国境沿いに軍を派遣し警戒し、リア王国に軍艦を派遣して警戒しておりましたが、私はリア王国の軍港の警備がザルだとは知らず乗っ取られたという訳です。ちなみに部下の報告によると犯人は15名で銃で武装しておりオース王国訛りの世界共通語を話しているとの事です」
「つまり我が国の私の管理下にない軍が関与している可能性が高いんですね」
「そうなります。実は国家間の格差について国際会議を開いて話し合う事を創造神様と生命神さんにも話したんですが『それでは遅い』『もう遅い』と言われていたんです。警戒していたつもりが穴がありご迷惑をおかけし申し訳ありません」
「目的は何だと思いますか?」
「我が国の軍艦で首都を攻撃し戦争を始めるつもりか、オース王国も我が国の支配下に入るように要求するのではないかと考えています」
「ご連絡ありがとうございます。犯人は我が国の軍の可能性が高い。目的は大和王国の支配下に入るように要求と言うことは内戦の可能性も考慮すべきですね。私と息子も私の管理下にある軍を使い警戒を強めます」
「ニコランドさんとご家族の身の安全を心からお祈り申し上げます」
「安心してください。私達はそう簡単に死にません。もしもの場合は……」
「ニコランドさんそれ以上は言わないでください」
「分かりました。それではよろしくお願いします」
「はい。失礼します」
僕は電話を切った。
「ジュリエット抱きしめても良いかな?」
「ありがとう。お願いするわ」
5分程抱き合った。
「もう良いわ」
「それじゃ戻ろうか」
皆の元に戻るとウィンドウちゃんが来た。
「マスター。リア王国の城に冒険者ギルドのギルマスが来ました。まだ城に残ってもらっています。怪しい依頼があったそうです」
「内容は?」
「ドラゴン討伐依頼、期限は今日12時まで。15名でドラゴンを討伐したい。仲間募集。討伐対象はシードラゴン」
「なるほどね。そうやって怪しまれないようにバラバラで来たメンバーが一気に集ったのね」
「そう思われます」
「ギルマスには『報告ありがとうお蔭で謎が解けた』と伝えて帰ってもらって」
「伝えましたが国王陛下に謝罪したいと帰りません」
「そしたら『謝罪は受け取ったから気にせず職務に戻るように』と伝えてそれでも帰らなければ国王命令として帰ってもらって」
「伝えたら素直に帰りました。それから艦隊はオース王国の沖に到着しました。オース王国海軍が近付いて来ます」
「敵か味方か分からないのが困る。最新鋭の軍艦だけど装甲は薄いからなぁ」
「すみません。うちの国が」
「ジュリエットは悪くないよ。相手に伝えてもらえるかな?『我々は大和王国海軍である。貴国を攻撃する意図はない』と……この世界、発光信号とか無線とか共通するものがないから不便だよなぁ」
「拡声魔法で伝えました。オース王国海軍は停船しました」





