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23 国王との謁見

 1年1月29日


 王都を見学するつもりが国王と謁見することになった。

 まったくもってどうしてこうなった。


「そういえばお主の服は見慣れぬが素晴らしいデザインだな」


「ありがとうございます」


「ワシも一着…」


「陛下」


 宰相と思われる人が国王に声をかけた。


「おぉ、そうだったな。この度の件について説明せねばならんな。宰相」


「はっ!私の方から説明させていただきます。まず姫様の乗った馬車が盗賊に扮した40名の兵士に襲われました」


 それを聞いて並んでいる貴族を中心に場が騒然とする。

「なんと…」「とんでもないことだ…」などの声が聞こえてくる。


「盗賊でなく兵士であることは尋問により確定しております。その兵士達は王都の隣りにある領地を治める貴族の兵士であることを確認しました」


 更に場の空気が重くなる。


「その為、王都屋敷にいた隣の領地の領主とその家族を拘束。領地には国軍を派遣しました。間もなく制圧しこの件に関わった者を拘束する手筈となっております」


「領主を尋問したところ最初は否認しておりましたが、観念したのかあっさりと犯行理由を話しました。ブリタニア様がハーフエルフであることが許せなかったなどと供述しております」


 国王の隣にいるブリタニアさんがショックを受けている。

 そりゃそうだろうな。やはりこの世界にも人種差別があるのか。

 どの世界でも人間はそう変わらないものなんだなと改めて実感した。


「宰相、我が国の法律ではそれらの罪はどうなっている?」


「はい、王族を狙った今回の犯行の場合、主犯である領主は一族郎党処刑される事になっております。領主にはまだ幼い子どももおりますが処刑される事になります。これはこの罪がそれだけ重いということです。実行犯である兵士に関しましては階級などの事情を考慮して裁く事になります。…例えば無理やり従わせられていたようなものは短期間の鉱山奴隷。その他の者は処刑あるいは無期限の鉱山奴隷となります。領地は国王陛下の直轄地となります」


「あい分かった。ではそのように対処するように」


「はっ!承知しました!」


 そりゃそうだろうな。現代の日本ではありえない処罰だが、この文明レベルではその処罰は妥当だと思う。

 貴族が並んでいる前であえてそれを説明させたのは抑止力の為だろう。

 失敗すればこうなるであろうことが分かった上で犯行に及んだ領主は動機も含め最低だ。


 いや、僕が運良く最高のタイミングで犯行現場に遭遇しなければ恐らく成功していただろうな。

 いくら近衛騎士団でも倍の戦力ではかなわないだろうし、領主もそう考えてそれだけの戦力を使ったのだろう。

 だからあんな犯行に及んでも家族とともに王都の屋敷にいたのだろうな。


「宰相。確認だがここにいるタカナシが犯行現場に遭遇しなければどうなっていたと思う」


「……恐らくブリタニア様の護衛の近衛騎士団は全滅し、ブリタニア様の命は奪われていたと思われます」


「そうか」


 国王はそれだけ言うと目を閉じて長く沈黙した。

 場の空気は更に重いものとなった。



「ヴェスター!報告によるとタカナシが現場に到着し一瞬で敵を制圧したと聞いているが事実か?」


「はっ!事実です!タカナシ殿は雷魔法で敵を痺れさせ一瞬で制圧致しました!」


「魔法の才能は年齢に関係ないとは言え、素晴らしい才能の持ち主のようだ」


「はい、私もそう思います」


「宰相も同意見か…コウイチ・タカナシ。この度の件、王としてそして親として改めて礼を言わせてくれ。ありがとう」


「はい。恐縮に存じます」


「此度の活躍と貢献に対して国王として礼をすべきだと考える。何か望むものがあれば言うが良い」


「いえ、私は偶然遭遇しただけですので…お役に立てただけで光栄です。望むものは特にありません」


 いや、本当に御礼とか要らないから!

 お金にも困ってないし貴族とか領地とか与えられても建国に支障が生じて困るから!

 強いていうなら隣国として仲良くして欲しい程度だけど、まだ建国すらしていないからなぁ。


「お主は欲がないのぉ。まぁその方が好感が持てるが…さて困ったな」


「陛下、それでは子爵位とこの度、直轄地となった領地を与えてはどうでしょうか?」


「おぉ!宰相それは良いな!」


 全然良くないですから!それなんて罰ゲームなの?

 何故、僕がここまで貴族や領地を与えられることが嫌なのか。

 それは僕がこの国の臣民となる事を意味し、建国して王になるのに支障が生じるから。

 例えば建国予定地を開拓してもリーベ王国の一部という事になりかねない。それでは困る。


「それではその者に、子爵位と領地を与える。コウイチ・フォン・タカナシ」


「陛下、大変恐れ入りますが私は異国から来た者。そのようなものを与えていただいても困ります」


「陛下の与えたものを断るとはなんと無礼な!」「衛兵!その者を捕らえよ!」

 うわぁ並んでいる貴族から色々と怒号が飛んできた。

 無理やり逃げようと思えば逃げられるけど犯罪者みたいで嫌だしもうどうしようこれ。

 もう半分涙目になってきた。


(ナビィ、エイドこれどうすれば良いと思う?)


(…………)


 ですよねー。はぁ面倒くさい。マジどうしよう。



「はぁなんだか困った事になっておるようじゃな?」


 この声は創造神様!視線を上に上げると創造神様が浮いていた。

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