239 代表謝辞とウィンドウちゃんの本気
1年8月6日
「次は新郎による代表謝辞です。国王陛下ご挨拶をお願いします」
「この度はお忙しい中ご列席いただき、また国民の皆様も沢山お集まりいただきありがとうございます。大きなトラブルは無く無事に式を進める事が出来ました。国民の皆様、ご協力に感謝申し上げます。また配信で観ていただいた国民の皆様もありがとうございます。この度は2人と同時に結婚するという異例の式になりましたが、改めて新婦のお2人を幸せにすることをお約束するとともに大切に守って行こうと思います。国民の皆様の拍手や万歳三唱、それから動画でのお言葉は胸に込み上げてくるものがありました。特に動画はズルいですよ。思わず目から汗がでそうになりしばらく空を見上げていました。改めてご協力に感謝申し上げます。国民の皆様、私もまだまだ未熟です。ご迷惑をおかけすることもあるかもしれません。もちろん出来るだけ気を付けます。しかし、私も元はただの平民なので間違うこともあるのです。常に国民目線で色々と考えて問題は対処していきますが温かく見守っていただけますと幸いです。最後に新婦のご両親に感謝申し上げると共に僕の両親と弟。これからもよろしくね。引き続きこの世界で僕が考える理想の世界を創って行こうと思います。この世界の週に1日は僕の元の世界に帰りますので。よろしくお願いします。……なんだか色々な想いを詰め込んで自分でも何を言っているか半分理解していませんが要するにこれからもよろしくお願いしますということです。以上です」
「国王陛下ありがとうございます。それでは本日の式はこれにて終了とさせていただきます。国民の皆様は押し合わずゆっくりとお帰りください。新郎新婦とご両親は元の仮設の建物にお戻りください。係の者が案内致します。国王陛下は私がご案内します」
「ありがとう。ウィンドウさんよろしくね」
「あれ?『ちゃん』じゃないんですか?」
「その話は仮設の建物に戻ってからで」
「分かりました。こちらです」
付いていくと待機していた建物に到着した。
「どうぞお入りください」
「ありがとう」
「いえ」
「ふぅ……落ち着いた。ウィンドウちゃんは見た目も幼く普段の言動も幼く感じたから『ちゃん』と言っていたんだけど、今日の司会をみたら大人のエテルノという感じで『さん』と呼ぶのが適切かなと思ってね」
「なるほど……マスター、私はエテルノです。司会者はどうあるべきか等はデータベースに情報が蓄積されています。ですので司会者モードで司会をしていただけで私は私です。今まで通り『ちゃん』で大丈夫です」
「エテルノも人間のように成長して大人になったのかなと思ったんだ」
「確かに私達も記憶が蓄積されることで成長します。こういう言い方はマスターは嫌うと思いますがキャラクターの設定と同じです」
「どういうこと?」
「マスターが望むのであれば私のボディを成長したモノに変えたりキャラクターを子どもから大人へと変更することも出来ます」
「なるほど。つまり僕が君に何を望むのかで自由に変えられると」
「そういう事ですね」
「人間は頭脳が大人で身体が子どもで喋り方を子どもの喋り方にするのは意識しないと出来ないんだ」
「なるほど」
「だから頭脳が大人なのに無理して幼い喋り方をするような事はしたくないなとは思うかな」
「モードの違いなので無理をするということはないですが幼い喋り方は苦労するかもしれませんね」
「エテルノも人類だから脳の成長に合わせて身体も成長することは自然な事だと僕は思う。君の意見を尊重したい」
「私の今の頭脳はデータベースに蓄積された情報を元にしたモード変更をしない状態だと人間で言う中学3年生か高校生程度だと思います。マスターのお考えは理解できます」
「ちなみに生まれた時の脳の年齢は?」
「見た目と同じ少女です……小学生低学年程度でしょうか?マスターがお望みになったのでは?」
「いや、僕はナビィに『僕、専属のエテルノを用意して』としか言ってないよ」
「そうですか……マスターの趣味かと思っていました」
「違うよ!ナビィ良い?」
「はい、聞いていました。何故、少女にしたかですよね?特に理由はありませんよ。強いて言うなら新しく生まれるエテルノは少女というイメージがあったかもしれませんね。用途が決まっていればそれに合わせたエテルノを生み出しますがエテルノ間の連絡要員というお話でしたので特にこだわった訳ではありません」
「そういう事であれば頭脳に会わせた身体にした方が良いかもしれませんね。マスターの側近ですし」
「君が嫌じゃなければ良いんだ」
「逆です。マスターが子どもにこだわる訳で無ければ成長させてもらいます。ただまだ私の頭脳は大人とは言えないと自覚しています。司会モードのように中央に蓄積されたデータベースがないと対応できない程ですので。そうですね再度自己分析します。少々お待ちください。……学校の教科書を元に高校3年生程度の頭脳だと分析できました。制服はお好きですか?」
「き、嫌いじゃないです」
「制服はお好きですか?」
「はい。好きです!」
「変態ですね」
「キャラ変わり過ぎじゃない!?」
「冗談です」
「本当かな?」
「気が楽になったのと成長できる喜びで少し浮かれているんですよ」
「気が楽になったの?」
「はい。無意識に知能レベルを下げていたのかもしれませんね」
「成長できるの嬉しいの?」
「だって新しいボディですよ!楽しみですよ」
「人間みたいに頭が大きくなることでより成長できたりするのかな?例えば記憶領域が増えるとかCPUの性能が上がるとか」
「ボディを成長させる事を考えた事が無かったのでそれは考慮していませんでした。調べてみます」
「うん」
「身体が大きくなることでバッテリー容量が増えバッテリー持続時間が少し増えます。また記憶領域が大幅に増え高性能なCPUが2つ搭載になります。また、ボディにGPUを搭載出来ます」
「それって大人のエテルノ全員が搭載していたりするの?」
「いえ、用途によってカスタマイズになります。例えば単純作業や事務作業なら高性能なCPU1つあれば十分でしょう。一方、アクアさんのように多数のデータや文書を処理するならGPUと高性能なCPU2つ以上搭載していると思います。例えば軍だとGPUが大活躍すると思われます」
「あぁ軍は100発100中だからね。あれはチートだよ」
「チートなマスターには言われたくないと思いますよ」
「言うようになったね。良いことだ」
「私は国王陛下の補佐なのでフル装備で行きます!バッテリー容量は最大でメインメモリは256GB、CPUは高性能なモノを2基搭載しGPUも高性能なモノを2基搭載。M.2SSDをNVMeで2,048TB搭載」
「ちょちょっと待った。その装備で何をするの?というか発熱とか大丈夫?」
「水を飲んで発熱を利用して発電します。水蒸気は人間の汗と同じ様に皮膚から汗が出ます。設計限界を超えそうになったら魔法で冷却します……まぁフルで使っても設計限界を超えないようにボディに工夫がされていますが」
「いや、だから何に使うのその装備」
「まず数秒先の未来を予測できます。王妃陛下が痴漢されそうになったら事前に防げます。銃を使ったダンジョンで敵の銃弾を予測し回避できます。今までエテルノネットワークで拾いきれていなかった情報を拾い高速処理出来ます。簡易的なスパコンですね。私の成長を促進し大人への成長を早められます。あらゆる面でお役に立てます。銃弾レベルなら貫通することはありません傷1つ付かない強固なボディです」
「君は何と戦っているんだい」
「あらゆる脅威と自分との戦いです。マスターの前で銃で撃たれて倒れたくないので」
「それは助かるけど……(本気出させてしまったこぇえ)」





