234 彩花と紗也華と結婚式 1
1年8月6日
雑談をしていたら午前8時になった。
「ブリタニア今日もアクアオーラちゃんを借りて良い?」
「当然良いわよ。色々とあるだろうから」
「ありがとう」
「皆さんご歓談中に失礼します。8時になりましたので会場に向かおうと思います。ゲートを開くのでそれをくぐってください」
皆、順番にゲートをくぐって行く。全員くぐったことを確認して僕も入る。
「アクアオーラちゃんゲストの待機場所はナビィから聞いている?」
「はい。聞いています。ご案内しますね」
「ゲストの皆さんはこの子に付いて行ってください」
僕の妻達も付いて行った。今回は彩花と紗也華以外はお客さんだからね。
「ウィンドウちゃん。新婦はどこに行けば良いか分かる?」
「はい。案内しますね。マスターはすみませんがここでお待ちください」
「丁度、会場周辺の様子を見たかったから大丈夫だよ」
「それでは新婦さんこちらに来てください」
「はーい」
「分かりました!」
僕は周辺をみる。仮設の建物が複数建っていて一番大きいのがゲスト用だろう。建物の影から会場周辺を見るともう人が集まっている。
「ナ、ナビィちょっと良いかな?」
「はい大丈夫ですよ」
「国民に何時から開始かアナウンスしたよね」
「はい。間違いなくしました。皆、いい場所を取ろうとしたり気が早かったりするだけです。ご安心ください」
「それなら良いんだ。ありがとう」
「いえ、それでは失礼します」
「マスターお待たせしました。こちらへどうぞ」
案内されて付いていくと仮設の建物の1つに来た。
「こちらがマスターの待機場所です。マスターはその格好で大丈夫ですね」
「うん。今日はちゃんとネクタイもしているしモーニングコートは新郎が着ても大丈夫だからね……日本ではお父さんが着るイメージが強いけど正礼装だから問題ないよ。それより新婦の着付けとかは大丈夫かな?」
「はい。役所のスタッフが対応しています。問題ありません。ご安心ください。私はマスターの側にいるのが今日の仕事です」
「ありがとう。あれ?入場はどっちの親とするんだっけ?」
「あ、はい。今回は3人共ご両親と入場する事になっています。3人のご両親には他のエテルノが説明していますのでご安心ください。祭壇まで来たらご両親には着席してもらいます。座席の位置も案内していますので大丈夫です。マスターは祭壇手前で中央でお待ちください。後は新婦が来るのを待ついつも通りの手順です」
「そ、そうか。ありがとう」
「緊張していますか?」
「精神的苦痛耐性上昇の指輪を付けていてもかなり緊張しているよ。付けてなかったら逃げ出したかも。フフフ。想像したら笑ってしまった」
「大丈夫です。全集中して周りの雑音等は気にしなくて良いのです」
「ありがとう。少し落ち着いた」
11時になった。
「マスター、時間です。新婦さんも準備が出来ています。行きましょう」
「分かった。新婦といえば今回、神父……神に父と書く方ね。それはどうしたんだっけ?」
「あえて呼んでいません。今回は不要なので」
「それなら良かった。教会関係者が神を前にしたら気絶しそうだもんね」
「扉の前に来ました。ブリタニアさん達や弟さんは席に座っています。ここでご両親をお待ちください。私は一旦失礼します」
「うん、ありがとう」
「はい!」
かなり立派な扉が設置してある件について。天使が本気を出しただけあるわ。
そんな事を考えていたら両親が来た。
「どう?緊張している?」
「うん。これまでの結婚式は身内は居なかったけど今回はいるから余計にね」
「お父さん達の事は気にしなくても良い。失敗しても良いさ」
「新婦の為にも失敗は出来ないでしょっと時間のようだね」
メンデルスゾーン作曲の「結婚行進曲」のファンファーレが最高潮になったと同時に2人の係の人が扉を開ける。
「行こうか」
「そうね」
「うん」
正面に見える祭壇までの道に並んだ招待客席には妻達と弟が座っていて皆が拍手をしながら迎えてくれる。
皆、笑顔で拍手をしている。何度結婚式をしてもこの瞬間はなんだか胸に込み上げてくるものがある。
バージンロードを祭壇へと向けてゆっくりと歩いていく。
僕は祭壇を上がる小さな階段の手前で立ち止まった。両親は席に向かう。ここで新婦を待つ。
やっぱりこの待っている間が最も緊張するな。
やがて再び扉が開き、彩花とご両親が現れた。
ウェディングドレス姿も可愛いし似合っている。
3人はゆっくりとバージンロードを歩き、僕の目の前で止まった。
「光一くん、娘をよろしくね」
「はい!」
彩花と手を繋いだ。彩花のご両親は予定通りの席に座った。
これで一安心だ。ここで紗也華を待つ。
やがて再び扉が開き、紗也華とご両親が現れた。
紗也華のウェディングドレス姿も可愛いし似合っている。
2人とも最高だぜ。
3人はゆっくりとバージンロードを歩き、僕の目の前で止まった。
「改めて娘をよろしく頼むよ」
「はい!」
紗也華と手を繋いだ。紗也華のご両親も予定通りの席に座った。
2人はゆっくりと祭壇へと上がる。皆に一礼し僕も祭壇へと上がる。
結婚行進曲は止まり辺りに静寂が訪れる。
ついに来るのだろう。神々が。





