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228 商人の皆さんと会食

 1年8月5日


 宿には大和王国の紋章が描かれた魔導自動車を使ってエテルノのマリンに宿泊予定の商人達が遅くなることを伝えてもらった。

 しばらくギルドマスター達と雑談し、大和王国のお城側の準備が整うまで待っている。

 普段来客もないのに大勢を連れて行くから準備が大変だろうな。申し訳ない。


「国王陛下、準備が整ったようです」


「アクアさんありがとう」


「先程までのように『さん』は不要ですよ?」


「あぁ、心の中ではいつもさん付けしていてね。ついそれが出てしまった。今は国王だけど元会社員だからその癖でね」


「なるほど理解しました」


「皆さん。今、ゲートを開きますので少々お待ちください……念の為、私が先に行って確認してきますね。少々お待ちください」


 妻達が皆、席に座って待っていた。手を振ってきたので振り返す。さて戻ろう。


「大丈夫です。どうぞゲートをくぐってお好きな席にお座りください」


 皆がゲートをくぐるのを待っている間にエイドに礼を言おう。


「エイド今良いかな?」


「はい!」


「食材とか色々と準備してくれたでしょ?ありがとうね」


「いえいえ、お役に立てて何よりですよ」


「また何かあったらよろしくね。明日は結婚式だし」


「はい。私も観させてもらいますよ」


「ありがとう」


「いえ、それでは失礼します」


「うん」


 おっと気付いたら皆くぐり終わってた。僕もゲートをくぐる。

 国王だからやっぱりお誕生日席かな?会話しづらいから嫌だなぁと思っていたら妻達の席の真ん中に席が空いている!

 流石、我が妻達、分かっている。


「皆さん大変長らくお待たせ致しました。それでは楽しんで行ってくださいね」


 僕が席に座ると同時に料理が運ばれて来る。僕の正面はギルドマスターのランドンさん。

 商人とランドンさんは料理の匂いで美味しそうだと思ったようだが料理を見た瞬間、絶望したような顔をしている。


「お気持ちは良く分かりますが食べてみてくださいよ。騙されたと思って」


 皆、恐る恐るスプーンを口に入れると表情が一変した。


「これは素晴らしい料理です。こんなに美味しい料理は食べた事がないです」


「これは私の元いた国から持ち込んだものなんです。私の元いた国では家庭で一般的に食べることが出来る料理です」


「これがですか」


「はい。私の将来の目標の1つがこれをこの世界でも作れるようにすることです」


「そうですか。私も是非その夢が叶うことを願っています」


「あ、お替りは沢山あるのでスタッフにお声がけくださいね」


「お替りがあるんですか」


「はい。まだまだありますから安心してくださいね」


「あなた自己紹介がまだよ」


「そうだったね。ブリタニアありがとう。それじゃ王妃の皆さん順番にお願いします」


 第一王妃のブリタニアから第九王妃の紗也華まで自己紹介が済んだ。

 僕は普段、何番目とか気にしないけどこういう場では大事だからね。


 商人側は1人ずつ紹介していたら日が暮れる……日が明けるかな?

 まぁ良いや。時間がかかるからという事でランドンさんが誰がどの街担当の商人か街毎にまとめて紹介していった。

 それからはご飯を食べながらそれぞれが前にいる人と会話をしていった。

 流石、能力のある商人だからか誰も会話に混じれないという事は無かった。

 彩花と紗也華も日本のことや世界のことを話していた。

 そして僕が会話をする相手はランドンさんだ。皆、空気を読んだのだろう。


「ランドンさん、どうですか?」


「またザックリとした質問ですね」


「僕の悪い癖でよく言われます。どうしても色々な意味を込めて質問したくなるんです」


「フッフフ、そうですか。商業ギルドのギルドマスターとして大きな案件を無事成功させられたのは良かったです」


「ランドンさんがギルド内での立場が良くなると良いなと私は思います」


「間違いなく良くなると思います。王都のギルマスという時点で影響力はあるんですが給料面で少しですね」


「あぁトラバント地方のギルマスも給料が安いと言っていましたね」


「更に今回、商業ギルドは市場の運営を任せていただけることになりました。これは大きいです」


「そうなんですか?」


「はい。まず冒険者ギルドに恩を売れます。今までだと鮮度の問題で廃棄していたダンジョン産の食品も効率よく売れるようになりますから。冒険者ギルドが買い取っても売れないものもあるから冒険者から安く買い取っていたと思いますよ」


「鮮度の話で言いますと冷蔵庫という食品を冷蔵したり冷凍する機械があるんです。空調……市場の室内の温度を低めに設定して腐りにくく出来ます。将来的には一家に1つ冷蔵庫を置けるようにしたいですね」


「そんな便利な機械があるんですか。それなら益々安心です」


「食品は鮮度が重要ですからね。腐りやすい食品は特に」


「そうですよね。冒険者のインベントリに腐りにくい機能があったら良いんですけど」


「学園都市の研究で新しい魔法が開発されると良いですね」


 学園都市の魔法魔術学校にアイテムボックスの概念を教えておこうかな。

 それは結婚式後に考えよう。


「何か心当たりがあるんですか?」


「いえ、これまでも学園都市の魔法魔術学校は色々なモノを開発して来たので期待しているんです」


「なるほど。そうですか」


「しかし、私の元いた世界は魔法がない代わりに色々な物語がありまして開発の参考になるかなというのはあるので今度、学園都市の魔法魔術学校に行って来ます。せっかく魔法がある世界ですから使わないともったいないですからね」


「大和語の『もったいない』は面白い概念だなと思います。世界共通語で表せなくもないですが世界共通語では表現しきれないものがあるように感じます」


「それは私の元いた世界でも言われていましたね。世界共通語は私の元いた世界の英語と同じですが『もったいない』という言葉、発音が英語化された程です」


 そうして会話は弾み、気付いた頃には20時になった為、解散することになった。

 双方、別れを惜しんだがこればかりは仕方がない。商人の皆さんには改めて「よろしく」と伝えて別れた。

 当然、皆カレーライスを何度もお替りしていた。お腹大丈夫かな?

 ランドンさんは商業ギルドに寄っていくとの事なので商業ギルド前にゲートを開いて別れた。

 商人の皆さんはホテルの前にゲートを開いて別れた。


 皆、感謝していて気分が良い。お誘いして良かった。

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