224 謁見に面倒だとキレる国王
1年8月5日
「夕方になったし、やることがないから今日は仕事終わろうか?」
「そうね」
「マ、マスター」
「何?何?どうかした?」
「リア王国の王城に商業ギルドのギルドマスターが率いる団体が謁見を申込んだそうです」
「はぁ……」
「どうしたのよ。大きなため息をついて」
「呼んでくれれば良いのに謁見とか言われても元平民の僕には手順とか分からないよ?」
「ナビィが思うに国王陛下を呼びつけるなど恐れ多いと思ったのではないでしょうか」
「その気持も分かるけどさぁ。リア手順とか分かる?」
「王族として育てられていない私に分かるわけないでしょう?」
「そもそも謁見の申込みって当日にしないよね?日本の物語の中で読んだだけで知らないけどさ」
「エリアナに聞いてみれば?」
「そうするか」
書斎を出てエリアナがいるであろう場所に行く。あぁ胃がキリキリしてきた気がする。
「エリアナちょっと良い?」
「良いですよ。何かありましたか?」
「リア王国で謁見を申し込まれて、元平民である僕には物語の中の情報しか手順とか知らないけど」
「今日、申し込まれたんですか?正式な謁見を」
「そうです」
「普通は前日までにするもの何ですが」
「まぁ僕も各国の首脳に当日面会を申し込んだから他人をどうこう言えないんだけど」
「あなたは国王ですし謁見ではなく面会だからまだ良いんです。まぁ本当はあまり良くないですが」
「はい。すみません」
「い、いえ。それよりも謁見ですか分かりました。私が玉座の後ろに隠れます。ナビィちゃん経由で教えます」
「お願いします」
「……まぁ私もお母様のやり取りを見ていただけで教えてもらっていないんですがね」
「……ま、まぁそれでも良いのでお願いします」
「分かりました」
「それじゃゲートを開きます」
城の前に出た。衛兵さんに敬礼しながら挨拶する。
「お疲れ様です。国王です」
「お、お疲れ様です。どうぞお通りください」
「ありがとうございます」
「いえ、とんでもありません」
「アクアオーラちゃんどこに行けば良い?」
「とりあえずいつもの会議室で大丈夫です」
「了解」
会議室についた。誰もいないことをノックして確認する。
うん、誰もいない。
少し待つとアクアさんが来た。
「国王陛下お疲れ様です」
「はい、胃がキリキリする思いです」
「これから謁見ですが手順は?」
「元平民なので日本の物語の中の情報しかありませんよ」
「そうですよね」
「エリアナ、謁見の間って僕のイメージだと赤い絨毯の道があってその両隣を貴族だったり文官だったり兵士が並んでいる認識なんだけど合ってる?」
「国によると思いますがそんな感じです。私の国では近衛兵が片側に文官が反対側に並んでいました。女王が文官にアドバイスを求める事があるので」
「リア王国の事を知らなすぎるんだけどリア王国にはまだ海軍や陸軍って存在するのかな?」
「その疑問にはアクアが答えます。その通り存在します。近衛兵もいます」
「それじゃ片側には近衛兵、反対側はアクアに人選を任せる」
「分かりました。玉座の間への案内はマリンに任せます今、到着します」
ノックする音がしてアクアさんが「どうぞ」と答える。
「それでは国王陛下。ここでお待ち下さい。準備が整いましたらお呼びします」
「お願いします」
待つこと5分。
「準備が出来たようです参りましょう」
「今更だけど王妃の椅子ってあるの?」
「それならありますよ」
「良かった」
「それじゃ皆、行こうか」
数分歩いて玉座の間に到着した僕は右の椅子に座ってリアは左側の椅子に座る。
僕の斜め左後ろにアクアさんがいる。恐らく宰相役だろう。
僕から見て赤い絨毯の右側に近衛兵が左側にエテルノ数人と文官が並ぶ。
マントとか着なくて良かったのかな?まぁ良いか。
しばらくするとドアが開いてギルマス率いる一行が入ってきた。文官が紙を持って読み上げる。
「商業ギルドギルドマスターのランドン殿とそのご一行がご到着」
玉座から前に数歩歩いたところに階段があり玉座は少し高い場所にある。
ランドンさんを先頭に一行は階段の少し手前まで来て跪く。
(面を上げよ)
「面を上げよ」
それでもランドンさん達は面を上げない。
(面を上げるが良い。直答を許す)
「面を上げるが良い。直答を許す」
「ハッ!」
ようやく面を上げた。面倒くさい。
(この度の謁見は何用だ?)
「この度の謁見は何用だ?」
「ハッ、まずは当日の謁見の頼み大変失礼致しました。当日にも関わらず謁見を承諾していただきありがとうございます」
(良い。理由を申せ)
「良い。理由を申せ」
「ハッ、恐れながら陛下からご依頼いただきました信頼できる商人を連れて参りました。陛下はお急ぎだと思い当日の謁見となりました。大変申し訳ありません」
「あぁ面倒くさい。非効率的だしこれは悪しき習慣だ。前例主義、既得権、権威主義の最たるもので、さっさとやめたらいい。これを皮切りにいろいろと改革をやっていきたい」





