20 地球から異世界へ
ついに20話まで来ました。引き続きよろしくお願い致します。
1年1月28日
あの後、自宅に帰り地球から異世界へと転移して来た。
ナビィとエイドは引き続きサポートしてくれる。
今は携帯お家セットの執務室でいつものように椅子に座って考え事をしている。
何を考えているかと言うとこれからどう動くかだ。
やはり直接、建国予定地に行くよりも一度この世界の王都を観てからの方が良いか。
何か参考になることがあるかもしれない。
「ナビィとエイドはどちらの方が良いと思う?」
『私はこの世界の文明レベルを知る為にも一度、王都に行くのをオススメします』
『私も先輩と同意見ですね』
「やっぱりそうかぁ」
あまり王都に行くのに乗り気でない理由はいくつかある。
まず、この世界のスプリングなどない馬車に乗りたくない事。
次に馬車に乗って盗賊に襲われた際に目立って面倒な事。
最後にあまり人混みが好きではないこと。
あっそうだ!自分達で馬車を作れば良いんだ!
馬は買うしかないがお金はあるし問題ない。
…いや、待てよ。そうしたら御者が必要になるではないか。
だったら馬車無しで馬に乗れば良いだろって?
いやいやいや、御者も馬に乗るのも経験がないし無理だわ。
「ナビィさん、エイドさん…ちょっとご相談なんですがよろしいですかね」
『『マスター、どうしました?なんか怖いんですが』』
そこまでハモるほど怖かったかの!?
「魔石って確か使い切ると消えるんだよね?」
『はい、消えます…消えないと使い切った魔石の山がドンドン出来てしまうのでそういう仕様です』
流石、ナビィさんこの世界の仕様に詳しい。
「魔石を燃料に動く4輪駆動でオフロードの軽自動車を作れないかと思いまして…どうでしょうか?あ、オートマでお願いします」
都会に住んでいたから車に乗る機会があまり無くオートマでないと乗れないと思った。
都会だとスーパーなども歩いていけるし電車などもあるからあまり自動車に乗る機会ってないんだよね。
…車自体の価格もだが税金や駐車場などの維持費も高いし。
『エイドと検討しましたが結論、可能です。魔石を箱に大量に入れておいてそこから供給し消費する形ですね。魔石は念の為に全てのランクのものを使えるように設計します。後は地球の資材と設計図を入手すればインベントリで開発可能だと判断しました』
「おぉ作れるんだ!ちなみに費用と燃費はどれくらいになるかな?」
『費用は約150万円です。その分はスイス銀行から引いておきますがよろしいですか?燃費は走行試験をしていないので理論値になりますが、Eランクの魔石1個で約2km、Dランクの魔石で約10kmだと思われます』
「お金に関しては全然問題ないよ。また燃費も理論値でそれくらい走れるという事が分かれば十分だ。魔石の在庫はアイテムボックスに大量にあるからね」
『悪路走破性や乗り心地については日本の大手自動車メーカーに勝るとも劣らない物が出来ると思います。ライトや、シートベルトなど日本の自動車に標準搭載されているものは全て搭載します…ただしカーナビやスピーカーは現状不要だと判断し搭載しません』
「まだGPSも何もない世界だからね。それで良いと思う」
『マスターに1つだけお願いがあります。魔物や盗賊がいる世界です。もちろんそれらはマスターのマップ機能で事前に検知出来ますが、念の為に完成した魔導自動車に防御結界…シールドのようなものを張っておいてください。一度、魔法でシールドを張れば本人が解除するまで永続して機能しますので』
「分かった。あぁ盗賊と言えば盗賊用に連結した手錠を作ってもらえないかな?あ。捕まえた盗賊が魔法を使えないようにするにはどうすれば良いかな?」
『それでしたら手錠にEランクの魔石を嵌め込んで魔法を使おうとすると魔力が魔石に吸われて拡散するようにすれば良いと思います。魔石には魔力を吸収して充填する機能があり、満タンになっても充填しようとすると拡散するようになる性質がありますから』
「ちなみに魔導自動車と手錠ってどれくらいで完成するのかな?」
『魔導自動車は約9時間、手錠は一瞬で作れます。魔導自動車は同じものであれば2回目以降は一瞬で作れるようになります』
「普通は自動車の生産に18時間程かかるのにスゴイな。それなら手錠は必要になった時に必要な分、作れば良いか」
その間にギルドに行って王都に向かうことを報告しておこう。
その後は特にやることもないので執務室で建国に向けて考え事をすることにする。
出発は次の日の早朝にて今日は早めに寝よう。
1年1月29日
そして次の日の朝、とてもいい天気だ。
街の門を出てしばらく歩いた。もうこの辺で良いだろう。
昨日、冒険者ギルドで王都まで馬車で何日かかるか聞いたら2日らしい。
馬車は時速約11kmだから魔導自動車で時速35kmで走れば恐らく11時間程度で到着するだろう。
インベントリから魔導自動車を取り出した。おぉ!素晴らしいデザインだ。
運転席から魔石供給口をパカッと開けて魔石を流し込むDランクの魔石40個入れておけば足りるだろう。
ではエンジンを起動して発車!おぉとても静かに気持ち良く走る。
途中マップ上に魔物の存在が表示されたが道から離れていたので無視して進んだ。
しかし約6時間走った頃、マップに大量の光点が表示された。
最悪だ。約500m先に多数の赤三角の光点が複数の白三角の光点を囲んでいる。
これは多数の盗賊か何かが僕と中立の立場の人達を襲っていることを意味している。
急ぐべきだが現時点で魔導自動車を人前に見せる訳にはいかない。
魔導自動車をアイテムボックスに収納し、走って向かう。
超俊足の靴がとても役に立っている。
肉眼で見える距離になった頃、盗賊っぽい服装の人達が騎士らしき人達を襲っていた。
冷静に考えながら走っていると盗賊っぽい服装の人達に違和感を覚えた。
盗賊のような服装をしているが剣や靴が皆、同じ。更にあまり髪や肌が汚れていない。
この世界の盗賊に出会った事はないが流石にそれはおかしいと思う。
騎士らしき人達の数は19人。恐らく9人一組の分隊を2つ。それを指揮する指揮官が1人の構成なんだろう。
それに対して盗賊っぽい服装の人達は40名。
9人一組の分隊を4つ。それを指揮する指揮官が分隊2つ毎に1人で計2人。この時点で計38人。この38人を指揮する全体の指揮官と副管を合わせると合計40人。
どちらも騎士や兵士といった軍隊な気がしてきて面倒事に巻き込まれそうで嫌なんだけど見て見ぬ振りも出来ないからな。
などと考えながら走っていると魔法の射程範囲内に入った。
面倒だから使い慣れた電気で痺れさせるスタンの魔法を使おう。…騎士さん達も感電したらゴメンね。(バチンッ
うん、1発で片付いた。ダンジョンで散々使ってきたから慣れているんだよね。
おっ騎士さん達は感電しなかったようで良かった。
「誰だっ!」
「ただの通りすがりの冒険者です。ギルド証をお見せしましょうか?」
「いや、良い。すまない。助けてくれてありがとう。正直危ないところだった」
幸い両陣営に死者は出ていないようだ。負傷者はいるが軽症だ。
「なんでしたら敵を拘束する道具をお貸ししますよ。これをしておけば魔法も使えません」
「アーマンド!これを付けてから魔法を使ってみてくれ」
「はっ!やってみます!………あれ?魔法が一切使えないです」
「おぉ!そうか、アーマンドありがとう!」
「君の名前を教えてくれないか?私は近衛騎士団の団長をしているヴェスターだ」
「私はコウイチ・タカナシと申します。よろしければ参考までに伺いたいのですが、普段、魔法使いを拘束する際はどうしているんですか?」
「そうだな…普段は目隠しして拘束しているな」
それだと確かに魔法を使いにくいが絶対ではないから、そのやり方はうちの国では採用できないな。
自爆覚悟でやられたらたまらない。そこら辺はやはり歴史上、色々あった地球とのセキュリティ意識の差なのかな。
「もしよろしければ敵の拘束をお手伝い致しますが…」
「いや、我々で対応可能だ。良い拘束具を貸してもらえただけで十分だ。改めて感謝する」
近衛騎士団と言ったら王族関係だよなぁ…面倒なことになりそうだからさっさとお別れしたかった。
ホント面倒なことになりそうで胃が痛い気持ちだ。
読んでいただきありがとうございます。
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