216 リア王国の商業ギルドで依頼 1
1年8月4日
「案件についてまずは簡単に説明しますと、信頼できる商人を紹介していただくのと食品を扱っているお店との調整をお願いしたいんですね。案件としては大きく3つあります」
「3つですか?」
「はい。案件のお話をする前に依頼料と信頼できる商人を王都にお呼びいただく為の交通費を受け取っていただきたいのですが、よろしいでしょうか?」
「は、はい」
「こちらになります。2,000万リアあります」
「に、2,000万リア!?お話を聞く前ですが多すぎませんか」
「この金額設定には意味があります。1つは国民生活に直接影響する案件の為、確実に信頼できる商人を紹介していただきたい。相場で依頼すると手を抜かれる恐れがあると思ったわけです。それだけ大事な案件なんです。ですから王都で信頼できる商人と簡単な面接……顔合わせですね。それをしたいんです。その為の交通費はこの金額から商人に渡してください。次に国民生活に直接影響する為、私は出来るだけ急ぎたいのです。最優先でお願いしたい。その迷惑料だと思ってください。繰り返しになりますが出来るだけ急ぎたいですが手は抜かないでほしいです。これは絶対です。次に食品を扱っているお店との仲介をお願いしたいんです。その仲介手数料だと思ってください。そこまで考えてこの金額設定にしています」
「なるほど。理解しました。それだけ重要な案件と言うわけですね。ですので色々と国王陛下と女王陛下がお忙しい中、本日お越しいただいたのですね」
「ご理解いただけて良かったです。トラバント地方では私のコミュニケーション不足のせいでギルドマスターにご迷惑をおかけしたので、案件について詳しくご説明させていただきます。お時間をいただきますがお許しください」
「いえ、とんでもありません。私の時間などお気になさらないでください。正直、私としては今、大きな案件による喜びでいっぱいで大声で喜びを口に出したい程です。周りの目があるのでやりませんがそのくらい嬉しい気持ちなんです」
「ランドンさん、ありがとうございます。1つ目の案件は私の代わりに文房具店の経営をする商人の紹介です」
「文房具店ですか?」
「はい。例えばこのような白い紙やノートブックというもの、それからシャープペンシルという常に先が細く書きやすいものなどを扱うお店です。学校をオープンさせるのに必要な物ばかりを扱うお店です」
トラバント地方での商談の時と同じで英語で話している。「シャープペンシル」は日本語で英語だと「メカニカルペンシル」だが、日本で最初に「シャープペンシル」を開発した人に敬意を払って僕はあえてこの世界では「シャープペンシル」と言う名前で普及させる。開発した人の人生は苦労と不幸の連続でありその人がつくった会社は今も日本に存在するがこれもまた苦難の道を歩んで来た企業で個人的にはそういう過去があるからこそ経緯を払っている。
「なるほど。確かに素晴らしい商品ばかりで学校で使うというのも理解し、国民の1人として国王陛下が急がれている理由も理解しました」
「販売価格と仕入れ値はトラバント地方で商談した際に決めた価格と同じとさせていただきますが、だからこそ確実に儲かるお店だと思っています。完全に国営でやれば私としては話が早くて楽ではありますが、出来るだけ国民の仕事を奪うような事はしたくないのです。だから半分国営で私の代わりに経営をお願いしたいのです」
「その国王陛下の配慮は商業ギルドとしては嬉しく思います。ありがとうございます」
「お店は私どもで用意させていただきますので経営する人材をお願いします。条件としては各店にエテルノを配置します。理由は2つです。1つ目は在庫管理。在庫が不足しそうになったら補充するように連絡します。2つ目は窃盗事件対策。トラバント地方では3件の窃盗を防いだという実績があります。防犯カメラという機械の目をお店に設置し機械が窃盗を検知したらエテルノが犯人を確保します」
「なるほど。私も以前お店を経営していたので分かります。どちらも非常に重要ですね。お店にとって窃盗は大きな損失です。条件について分かりました」
「あっ、この白い紙とシャープペンシルでメモしていただいても良いですよ。差し上げます」
「良いんですか。正直助かります。頑張って記憶しなければと思っていたので。それでは少し失礼してメモさせていただきます。少々お待ち下さい」
「はい。ごゆっくりどうぞ。私も今日はこの後の仕事はないのでお時間がかかっても大丈夫です」
「ありがとうございます」
今まで話して来た事を細かくメモにまとめている。この人きっと真面目な方なんだろうな。
しばらく待っていると手が止まった。書き終わったようだ。
「お待たせしました。条件を含め理解しました。信頼できる商人を探します」
「お願いします。1つ目の案件は以上です」





