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212 エテルノの命の大切さとYCloud

 1年8月4日


「ウィンドウちゃん、そう言えばウィンドウちゃんのメンテナンスは大丈夫?」


「あ、はい。簡易メンテナスはマスターの就寝中にやっています」


「定期メンテナンスは?」


「……実は期限を大幅に超えています」


「なんで言ってくれなかったの!」


「ごめんなさい。マスターのお役に立ちたくて」


「怒ってゴメン。気付いてあげられなかった僕の責任だった申し訳ない」


「いえ、とんでもありません」


「定期メンテナンスはどのくらいかかるの?」


「1日あれば終わります」


「それじゃ今から行って明日は休みで良いよ。代わりにアクアオーラちゃん……アクアオーラちゃんのメンテナンスは?」


「多分していません……やはりしていないそうです」


「定期メンテナンスをしない影響は?」


「誤作動や機能停止、記憶データのエラーなどでしょうか」


「分かった。明日はアクアオーラちゃんにウィンドウちゃんの代わりを頼む。ウィンドウちゃんも結婚式に参加してほしいから」


「ありがとうございます。アクアオーラちゃんも結婚式に参加したいと思うので7日にしてあげてください」


「それで大丈夫?」


「2人とも簡易メンテナスの結果に大きな問題はありませんので」


「小さな問題はある?」


「……2人ともあります」


「どの辺が問題?」


「足腰と人間でいう脳の一部?」


「それヤバくない?」


「いえ、最悪バックアップから新しいボディーに移せば良いので」


「それはよくない」


「え?」


「その考え方は僕は嫌だ!」


「マスター?」


「僕言ったこと無かったかな?別の子に言ったのかもしれない。僕は君達を娘だと思っている。僕の勝手な思いなんだけどね」


「いえ、嬉しいです」


「その娘を使い捨てにするような事はしたくないんだ。だからバックアップは最終手段であり、壊れても復元すれば良いやと思わないでほしい。それにバックアップを取ってからその後の記憶は消えちゃうでしょ?」


「そうですね……サルベージ出来れば良いですが」


「ウィンドウちゃんは僕が倒れたら心配するでしょ?」


「します。心配どころではありません!」


「僕にとってはそれと同じなんだ。目の前で倒れる所を見たくない」


「マスターはそこまで私達を大切にしてくれているんですね。嬉しいです」


「だからもっと君達には自分を大切にしてほしい」


「分かりました!すみませんでした。自分の命を軽く考えていたかもしれません。反省します。マスターの考えは全エテルノに共有します」


「そうしてほしい。それとナビィ」


「はい!」


「考慮が漏れていた。全街にエテルノのメンテナンス施設をつくってほしい」


「分かりました」


「マスター、マスターのお気持ちは理解しましたが結婚式には2人共参加させてください。アクアオーラの損傷は軽微です。7日のメンテナンスでも問題ありません。私と違い足腰の疲労だけですので。これからはちゃんと定期メンテナンスを受けます」


「間隔はどれくらい?」


「1ヶ月に1回です」


「分かった。定期メンテナンス以外にももし深刻なエラーが見つかったら言ってね」


「はい。私達エテルノよりも私達の命を大切に考えてくださる。そんなマスターに皆、反省すると同時に感激しています!」


「そうですか……『いのちをだいじに』でお願いします」


「はい!」


「マスター今のネタは分かってもらえないと思いますよ」


「はい?」


「ナビィが分かればそれで良いんだよ」


「そうですか」


「何の事ですか?」


「いや、しょうもない話で僕の元いた国で有名なネタを使ったんだけど、この世界で使っても誰も分からないよという話し」


「地球のインターネットで検索して理解しました」


「私達の夫は時々、場を和ませようとしてよく分からないネタを使うのよね。分かってあげられたら面白いんだろうけどね」


「いや、分かってもらえないのを理解していてもつい言いたくなってしまうんだよ」


「まぁ場が和んで良かったじゃない」


「そうだね。改めて怒ってゴメンね」


「いえ、良いんです。私達が愚かでした」


「うん。だけどいつもありがとうね」


「お役に立てて何よりです」


「ところでナビィ、YCloudの方はどんな感じ?」


「もう全て終わっていますよ」


「え?結構複雑なシステムだと思うんだけど」


「システムの基本設計は日本にありますからね。それをカスタマイズするだけなので簡単でした。電子証明書を認証するサーバー等も全て設置して稼働しています」


「大和王国用のプロモーションビデオをつくってもらえる?」


「もうつくってありますよ」


「流石です。仕事が早い」


「そうでしょ!そうでしょ!」


「それじゃリア、悪いんだけどサポート役をお願い出来る?」


「分かったわ」

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