206 発想の転換とトップリフター
1年8月4日
朝になった。今日も予報通り晴れだな。
昨日はあれから妻達に遅くなったことを謝ると色々な反応が帰ってきた。
こんな感じだ。
「あなたがまた街作りゲームを楽しんでいるだろうなって皆と話していたところよ」
「リア王国の街作り計画でしょ?女王として感謝するわ」
「先輩、街作りゲームで時間を忘れて没頭する気持ち分かります。時間泥棒ですよね」
「私シャーロットは早く夕飯が食べたいですよ。お腹ペコペコです」
「彩花もです。先輩、早く食堂に行きましょう」
皆、優しいなと思った。
今は朝の8時。今日は朝食をちゃんと食べよう。
「ナビィ」
「はい。おはようございます」
「おはよう。これから朝食を摂りに行くから一緒に行こう」
「分かりました。ウィンドウさんにも声をかけて来ますね」
「うん。お願いします」
僕は部屋を出て妻達とおはようの挨拶をし合う。
「マスター、おはようございます」
「ウィンドウちゃんもおはよう」
「みんな!今日は朝食を摂ろう!」
「先輩、ありがとう!今日も朝食抜きかなと思ってた。お腹ペコペコだよ」
「紗也華は成長期だからね。いつもゴメンね」
「私もう成長しないんですけどね」
「そうだったね。でももう十分に成長したでしょ?」
「そ、それはまぁ……そうね。もう!朝から変な話ししないでよ!」
「いや、そういう意図は無かったんだけど悪かった」
「それじゃ早く行きましょう」
皆で食堂に行き楽しく朝食を取った。
マンションに戻ってきて書斎に入る。今日はリアも一緒だ。
「まずは状況確認から始めよう」
「ウィンドウちゃん何かある?」
「はい。食料の梱包作業が完了しました。人手不足は解消されましたので軍の皆さんにはお帰りいただきました。今はフォークリフトで鮮度保持機能付きトラックに荷物を積み込み駅で積み下ろしを繰り返しています。駅では鮮度保持機能付きのコンテナへ荷物を積み込み貨物列車の到着を待っています」
「二度手間な気もするけど仕方ないか」
「はい。トラックの荷台を貨物列車に積めませんから」
「あっ!逆の発想は出来ないだろうか?」
「と言いますと」
「ナビィも気になります」
「貨物列車の鮮度保持機能付きコンテナをトラックに積んで運ぶんだ。大型トラックにコンテナ2つを積めると思うけどどうだろうか?」
「実現できるかの確認も含めて地球で検索してみたらありました。コンテナ2つだけでなく大きなコンテナもありました。冷凍機能付きのコンテナです。ただし大きなコンテナはフォークリフトで積み下ろしが出来ないので小さなコンテナ2つが良いと思います」
「ウィンドウからは大きなコンテナでも構わないと思います。トラックに積み込むのは変わりません。確かに小さなコンテナだと予め荷物を積んでおく事が出来ますがコンテナを置くスペースが限られますので」
「そういう事であれば大きなコンテナの方を採用しよう。大きなコンテナの積み下ろしは駅だけのはず。フォークリフトの代わりに何が必要になるのかな?
「トップリフターという大型コンテナを積み下ろしする乗り物です」
「今からじゃ遅いかな?」
「いえ……ウィンドウさん出荷作業は何%程終わってますか?」
「まだ5%もないです。食料の梱包作業が完了した段階なので」
「という事ですのでマスターまだ間に合います」
「それじゃ今ある使っていないコンテナとトラックの荷台をリサイクルして大きなコンテナの作成とトラックの荷台部分とトップリフターとやらをつくってもらえるかな?」
「分かりました。今、輸送中のトラックは駅に着いたらリサイクルしますね」
「お願いします。トップリフターは何で動かすの?やっぱり軽油とかかな?」
「いえ、圧縮天然ガスで動くように設計します」
「圧縮天然ガス?あれ?そう言えばトラックってどこで燃料補給しているの?」
「実はマスターが『決めたこの国は全ての車を天然ガス車にする!ただし魔導自動車は継続して一部で使う』と言って街作りゲームで天然ガス車対応の街に変更していたのを覚えてます?」
「覚えているけど街以外は考慮が漏れてた」
「はい。それに気付いたのでマスターの方針に基づき、液化天然ガスを貨物列車の下り線で輸送して各駅に降ろして、それを「サブマージドコンバスション式LNG気化装置」という……バーナーで温水に燃焼ガスを発生させる設備で液化天然ガスを気化させます。それを圧縮して圧縮天然ガスをつくります。その圧縮天然ガスを天然ガススタンドでトラックに充填して走らせています」
「なるほど……分かるような分からないような」
「要するに天然ガスを各駅に輸送してトラックに燃料補給しているんです。ですのでトップリフターも駅で燃料補給出来ます」
「妻に考慮漏れという恥ずかしい場面を見られてしまったわけだけど、どれくらいで出来る?」
「もう天使に指示を出してやらせてます。食料輸送の効率化は我が国だけの問題ではないのですぐに終わらせます」
「ミスや考慮漏れは誰にでもあるわ。それをサポートするのがナビィちゃん達でしょ?」
「リア様のおっしゃる通りですよマスター」
「いつもお世話になってます」
「いえいえ。それから完了しました」
「ウィンドウから報告です。トップリフターのマニュアルありがとうございます。エテルノは学習しました。今、各地でトラックとトップリフターの燃料補給中です」
「報告ありがとう。ナビィもありがとう」
「お役に立てて光栄ですマスター」
「ナビィもです」
「燃料補給完了しました。今、トップリフターでトラックにコンテナを積み込みます……無事に出来ました!」
「おー!良かった。これで作業効率が上がると良いな!」
「はい!」





