203 リア王国の市民の意見 1
1年8月3日
「初歩的な質問で申し訳ないんですが良いですか?」
「どんな事でも聞いてください。お答えします」
「この国は元は議会があったと思いますが、今の政治形態はどうなっていますか?」
「結論を申しますと今は完全な専制君主制ですね。元は絶対王政でした」
「なるほど?」
「日本語が間違っているかもしれないので詳しく説明しますと今は国王個人が独断で国を支配しています。かつては国王を中心として貴族などに色々な権限が全て集中していました。国王1人の思惑では物事を動かせない状態ですね」
「理解した。クーデターで権限を持っていた連中が全て消された認識で良いのかな?だから議会は今はないと」
「その認識で合っています」
「分かった。ありがとう……あっ疑問が解けて頭がスッキリした勢いで敬語を忘れていました。申し訳ない」
「国王陛下、ずっと気になっていたんですが言わせてください。部下である私に敬語は不要です」
「ずっと気になっていたのね。それは申し訳ない。少し素が出ちゃったけどこれだけは理解してほしい。僕は元はただの平民でありそして国民目線である事は大切だと思っている。だから部下にも……いや、部下だからこそ敬意を払うし、国民相手でもそれは同じなんだ。僕は相手に合わせるのが大事だと思っている。敬語は不要だと言われたらそれに合わせるよ」
「理解しています。それが国王陛下の良さであり、だからこそ国民から尊敬されているのだと思っています。その上で言わせていただきました」
「そっか。ありがとう。この国の政治形態を理解出来たのは良かった」
「疑問が解けてお役に立てたのなら光栄です」
「お城で働いている人で良いんだけど旧街の建設計画の為に王都に住んでいる人間から意見を聞きたいんだ。出来れば幅広い年齢層から何人か呼んでもらえるかな?現場の意見を聞きたくてね」
「分かりました。部下に伝えて何人か呼びますね」
「ありがとう。ナビィ、東京のお城の前か地球のホワイトハウス前の写真を用意出来ないかな?」
「出来ますよ。両方出しますね。ホワイトハウス前の方は航空写真ですが」
「それで構わないよ。頼んだ」
「分かりました。はいどうぞ」
「ありがとう」
すると扉をノックする音がした。
「どうぞ入ってください」
「失礼します」
「私も失礼します」
「失礼します!」
年配の女性と若い女性と若い男性が入ってきた。
「どうぞ座ってください」
「はい」
僕から見て会議室の机の向かい側に3人が座る。
「こ、国王陛下!?」
「本物だ!」
「こ、国王陛下……」
皆、僕に気付いてビックリする。
そりゃ国のトップがいきなり目の前に現れたら驚くわな。
「どうも大和王国の国王をしているコウイチ・タカナシです」
「わ、私はアントニーと申します」
「私はモニカです」
「僕はマルコラスです」
「3人をお呼びいただいたのは現場の意見が聞きたくてですね。お忙しい中、時間を割いていただいてありがとうございます」
「い、いえ、とんでもありません」
「わ、私もです」
「僕も全く大丈夫です」
「突然、目の前に国王が現れて驚いていると思いますが。僕は元いた世界ではただのどこにでもいる平民だったので、そんなに緊張しないでリラックスしてください。失礼ですが皆さん何のお仕事をされているんですか?」
「私は調理担当です」
「私はメイドです。主に掃除などをしています」
「僕は警備担当です」
「なるほど。今回、皆さんに半分強制的に新街に引っ越していただく事になりましたが正直な意見どうですか?あ、別にどんな意見でも構いませんよ。皆さんの待遇に影響したり私が怒ったり不利になるような事はないので。ですよねアクアさん」
「はい。国王陛下がこのように言っているので皆さん安心してください」
「私からは正直職場から遠くなりましたがバスがありますので助かっています。前住んでいた場所から歩いて通うより楽です。私はマンションに住んでいますが本当に便利になりました。前は井戸から水を汲んでいましたし風呂にも入れず冬は大変な思いをしていました。今は毎日、風呂に入っています。夜も電気で明るくて本当に便利です。水道代と電気代がどのくらいになるのか怖いですが、便利な生活を送れているので不満はありません」
「借金はされたんですか?」
「私はお金を借りましたが土地を相場より高くしかも更地にせずに買い取ってもらい無理なく返せる金額です」
「それは良かったです」





