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195 リア王国銀行システム構築

 1年7月30日


「あ、ここあなたと来た銀行ね。懐かしいわ」


「僕も同じ気持ちだよ。さ、入ろうか?」


「うん!」


 受付に向かう。


「女王陛下!?それと大和王国の国王陛下!?」


 幸い他にお客さんがいなかったから騒ぎにならなくて良かった。


「お久しぶりです」


「わ、私のことを覚えていてくださったんですか?」


「はい。もちろんですよ」


「ありがとうございます。お陰様で出世することが出来ました」


「それは良かったです。すみませんがある案件の話をしたくてですね銀行で一番偉い方をお呼びいただけますか?」


「私ですが?」


「え?あ、本店の店長さんではなく最高経営責任者の方をお呼びいただきたくてですね」


「それ。私です」


「……かなり出世されましたね。驚きました。そんな方が何故、受付を?」


「実は時々、現場のお客様の声を聞きたくなってこうして受付をしているんです」


「その気持ち、凄くよく分かります。それでは案件の話をさせていただいてよろしいですか?」


「はい。お願いします」


「実はリアから女王として国民の為にトラバント地方と同じように発展させてほしいとお願いされたんです」


「あぁ、トラバント地方の事は噂で聞きますよ。大きな建物が沢山建っているとか。銀行が便利になったとか」


「そうですか。それでは話が早くなって助かります。リア王国も同じように発展させるためにまずは銀行を改革したいんです」


「銀行をですか?」


「はい。リアと結婚して一時的にリア王国は大和王国の傘下に入りましたが、申し訳ない事に私はリア王国の事を把握しきれていなくてですね。この銀行には各街に支店があったりしますか?」


「はい。全ての街にありますよ」


「それは良かったです。イメージしてください。全ての街の銀行の状態がいつでも把握できれば便利じゃないですか?」


「それはもうとても便利です。悩みのタネでして王都から遠く離れた支店がどうなっているか中々分からないんですよね」


「それからお客さんが例えば王都でお金を預けて他の街でお金を預けられたら便利じゃないですか?」


「便利ですね。一応、通帳に記載することでそれを実現しようとしましたが漏れなど色々と課題があり出来なかったんですよ」


「更にですよお客さんがいつでもどこでも家にいても銀行の残高が確認できて、銀行に来なくても振り込みが出来れば便利じゃないですか?」


「便利ですね。他行とも振り込みが家から出来たら更に便利ですね」


「失礼ですがこの国に銀行はいくつあるかご存知でしょうか?」


「それはもう銀行の最高経営責任者ですから存じております。5社ですね。あなた様のお蔭で悪徳業者は廃業になりまして私が言うのも何ですがどの銀行も善良な銀行ですよ」


「それは良かったです。各銀行とも話が上手く行きそうです。参考までに紙を持ってきました。既にトラバント地方と本州との間で行っている事なんですが、銀行と銀行をこのイラストのようにネットワークというもので繋いでリアルタイムで情報のやり取りを行えるように出来るんです」


「難しい話ですがつまり今まで言われてきた事が実際に出来ると言うことですか?それは素晴らしいです」


「大和王国にはトラバント地方に銀行が無かったので国営の銀行しかありませんが、リア王国には複数の銀行があるんですよね?」


「はい。その通りです」


「でしたら銀行と銀行をネットワークで繋ぎリアルタイムで振り込みが出来るようになれば便利ではないでしょうか?これは銀行にもメリットがあります。他行への振り込みを金額は各銀行さんにお任せしますが例えば手数料として100円取れば銀行の儲けになります。もちろん月に1回程度銀行間でお金の輸送が必要になると思いますがどうでしょうか?」


「素晴らしい案だと思いますが使えなくなる等はないでしょうか?」


「残念ながら絶対にないとは言い切れません。しかしよっぽどの事が無ければ起こらないようにシステムを設計します」


(ナビィ、日本と同じように殆どシステム障害が起こらないように設計出来るよね?)


(もちろん出来ますしセキュリティも万全です)


「更に悪意のある利用者、つまり犯罪者ですね。そのような人物から攻撃されても大丈夫なように設計します」


「ですがそのシステムの構築費用や運用費用はお高いのではないでしょうか?」


「はい。本来であればそうですが、リアから依頼された事です。リア王国の国民の為に一切お金はいただきません」


「それでは大和王国の国民が損をしませんか?」


「いえ、その心配はありません。システムを作るのは我が国ですが運用はリア王国さんに任せます……もちろん我が国はしっかりとサポートします。正直な話しをさせてもらうと慈善事業なんです。僕は人々の生活を豊かにしたい。ただそれだけなんです」


「そう。この人はこういう人なのよ。コウイチの部下に天使がいるから無料で出来ているというのもあるんだけどね」


「そうですか。改めて女王陛下と国王陛下を尊敬しました。是非、そのプロジェクトに参加させてください」


「ありがとうございます。システムが使えるようになったら改めて私か私の部下が説明に伺います」


「はい。お願いします」


「それでは失礼します」


「失礼します」


「ありがとうございました」


 他の銀行も回ったが全ての銀行がプロジェクトに参加した。

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