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180 文房具店とスーパーの面接

 1年7月20日


 とりあえず受付に行く。

 今日の商業ギルドは前回よりも人が多いな。

 今回はブリタニアの代わりにナビィちゃんを連れて来ている。


「すみません。国王ですがギルドマスターはいらっしゃいますか?」


「こ、国王陛下!はい、ご案内致します」


「よろしくお願いします」


 ギルドの2階の突き当りの部屋まで来た。

 職員さんがドアをノックして先に入る。

 少し待つと職員さんが出てきた。


「どうぞお入りください」


「失礼します」


「こ、国王陛下、ど、どうぞお座りください」


「それでは失礼しますね。本日はどのようなお話でしょうか?」


「はい、商業ギルドとして信頼できる人材をご用意致しました。お時間がかかったのは各街の商業ギルドへ国王陛下に自ら訪問していただくのは恐れ多いというのと文房具店とスーパーマーケットのオープンはすぐには出来ないだろうとの判断で、各街の信頼できる人材をここに呼び寄せた為でございます」


「お呼びいただけたのですか。私としても手間が省けて助かります。各街の商業ギルドの場所を聞いて回るつもりでいたので」


「これから顔合わせさせていただこうと思いますがよろしいでしょうか?」


 各街でエテルノに案内してもらうのも時間がかかって手間だなと思っていたから助かった。

 住民に聞くとその場所まで案内してくれるから、ありがたいんだけど申し訳ないんだよね。

 僕としても採用する人材を見ておきたかったから本当に助かる。

 後、ウィンドウちゃんを連れてきて良かった。顔を覚えてもらって各店に配備するエテルノに共有できるから。


「はい、お願いします」


 ギルマスが押すタイプのベルを鳴らすと職員さんに連れられて青年が入ってきた。


「こ、国王陛下!お会いできて光栄です。私はイノセントと申します」


「国王のコウイチ・タカナシです。よろしくお願いします。隣で座っているのは私の側近でエテルノのウィンドウです」


「ウィンドウと申します。よろしくお願いします」


 それからイノセントさんのギルドランクと経歴、店の経営に対する考え方などを聞いた。

 一通り話を聞いて良い人だなと思ったから採用する事を伝えると大変感謝された。

 それはもう嬉し涙をこらえるような顔でほぼ90度のお辞儀で感謝を伝えられた。

 これからよろしくお願いしますと伝えると「はい!」と返事が帰ってきた。

 本当に良い人だな。


 こんな感じで面接を進めていった。

 各街に文房具店とスーパーマーケットを配備する。

 だから各街の2倍の人と面接する事になり大変だった。

 面接は全て完了した。全員問題なく優秀な人材だと感じたから採用した。


「全員採用していただきありがとうございます」


「いえ、こちらこそ素晴らしい人材を紹介していただき感謝しております」


「国王陛下のお役に立ててギルドマスターとして、そして一国民として大変光栄に思います」


「私はこれで1つ問題が解決して安心しました。先日の魔導貨物列車のテスト走行は一部でもご覧になりましたか?」


「はい。観させていただきました。改めて国王陛下の素晴らしさと食糧不足解消の安心感を観ていて感じました」


「それは良かったです」


「鉄道って素晴らしいですね。ただ走っているだけですが観ていて飽きるどころか楽しかったです」


「その気持は良く分かります。私の元いた国では地上を走っている人が乗る列車が多かったです。子どもの頃に列車に乗るのが好きでした。窓から見える景色も楽しめましたし」


「そうなんですか」


「はい。この世界で鉄道を導入する時に地上を走らせなかった理由は2つあります。1つは地上で広範囲の敷地を使うこと。もう1つは地上を走らせると人と列車がぶつかる事故が起こってしまうことです。今回、魔導貨物列車を地上で走らせたのは荷物を積み込む効率と広大な敷地があったこと、人とぶつかる事故が発生する恐れがないからなんです」


「なるほど。理解しました。私はまだ乗ったことがないですが地下鉄も楽しいと聞いたことがありますよ」


「そうですか。今は皆さん生活に余裕がないから難しいと思いますが食糧不足解消と服の価格を安くできれば余裕が出来てくると思います。そうなったら乗り物に乗って楽しめる施設をつくりたいなと考えています」


「乗り物に乗って楽しめる施設も気になりますが服を安く出来るんですか!?」


「はい。色々と考えていまして価格を大幅に下げられると思います。その時は商業ギルドさんにまた仲介をお願いしたいです。今ある街の洋服店を潰すつもりは毛頭ありません。洋服の原価を下げられて売買される量が増えれば今ある洋服店さんも儲かると思います」


「私もそう思います。仲介は何をすれば良いでしょうか?」


「洋服店さんに洋服を売る倉庫に近い店をつくりたいと思っています……私の元いた国では『卸売市場』と呼ばれ各店に商品を仲介して売る業者を『仲卸業者』と呼んでいます。その仲卸業者役の商人を紹介してほしいんです。国として直接お店に売れば仲介手数料がかからずに安く出来ると思いますが、どこの店がどの商品をどれだけ買いたいか分かりませんから。国としては各洋服店の間に入って『この商品をこれだけ欲しい』『この商品のここを改善してほしい』と言ってくれる人材がほしいんです」


「なるほど理解しました。国王陛下の事ですから考えている事はすぐに対応されると思っております。今から衣類に詳しい良い人材を探させます。詳しい条件を教えていただけますか?」


「ありがとうございます。各店に在庫や要望の共有と防犯の為にエテルノを3人配備します。エテルノと一緒に仕事が出来る優秀な人材であれば構いません。個人には直接売らずに必ず各店に売るようにしてください。各店にはエテルノ2人で車で配送します。2人なのは防犯の為です。常に倉庫にいるエテルノ1人と車で配送するエテルノ2人で合計3人なんです。国営とさせていただき各街には国の車が服を配送します。格安の服を売るという仕事なので売上は不安定だと思われます。従って給料は月25万円とさせていただければと思います。……安いでしょうか?」


「いえ、20万円でも十分だと思うくらいです」


「そうですか。もしも想定以上に売上が良ければ25万円以上お支払いします。とは言え無理やり売りつけたり手数料を私に相談無く上げたり横領したら解雇します。あくまで国営であり国民の為に運営しているので」


「その解雇は当然の事だと思います。売上による給料の上昇はあまり期待しないように言っておきます。ご存知だからその金額にしたと理解していますがこの世界ではよくて20万円の給料です。25万円の時点でとても良い条件です。出来ることなら私が手を上げたいくらいです」


「商業ギルドのギルドマスターでさえそんなに給料ないんですか」


「実はそうなんです。ですが国から1千万円の案件をいただいたので商業ギルド内での私の評価も上がり給料も上がりそうです」


「それは良かったです。あ、もう動いていただけるのなら1千500万円で依頼させていただきます。ちょっと待って下さいね。こんな時の為にお金を用意していたので。あった。はいお受け取りください。1千500万円の理由を説明しますね」


「ありがとうございます。説明お願いします」


「まず、前回の案件2つが私の期待以上に良い成績だったのでその御礼です。次に今回は完全に国営で運営するものなので、また信頼できる人材を探してくださいというお願いによる金額ですね。更に言うと出来るだけ早いと助かりますという思いですかね……とは言え無理に急がせる気はありません。しっかり信頼できる人材を紹介してください。それが一番重要です。後、ついでに面接に来ていただける方の交通費です。今日、来た方帰っちゃいましたかね?それなら別途後で支払いますが」


「ありがとうございます。この後、彼らと話すことになっているのでまだ帰っておりません。ご安心ください。そしてまたご期待にそえるよう……いや、ご期待以上の人材を紹介させていただきます」


「そうですか。それなら良かったです。またよろしくお願いします」


「はい!こちらこそよろしくお願いします!」


「失礼します」

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