178 ブリタニアが妊娠
1年7月19日
僕は書斎でブリタニアが戻ってくるのを待っている。
少し遅いな……そんな事もないのかな?僕は父親になる可能性を考えると焦燥感に駆られる。
落ち着け僕、ブリタニアも言っていたじゃないか。ハーフエルフだから子どもが出来にくいと。
……毎月、女の子の日があるのに子どもが出来にくいというのも変な話だけどな?
ブリタニアが戻ってきた。呆然とした顔をしている。
「ブ、ブリタニア。だから誤判定の可能性もあるからそんな顔しないで」
「違うの。結果は妊娠しているって出てきたわ」
「それじゃどうしたの?」
「喜んで良いのかどうか分からなくて困惑しているの」
「とりあえず落ち着こうよ。紅茶を持ってくるから座っていて」
「うん」
僕は2人分の紅茶を持って書斎に戻ってきた。
「とりあえずこれでも飲んで落ち着こう」
「スーハー。ありがとう落ち着いたわ。間違っている可能性もあるのよね?」
「うん、そうだよ。だから変に期待しないで病院で検査して妊娠していたら喜ぼう?ね?」
「うん、もし妊娠していなかったら、またチャレンジするわ」
「そうだよ。落ち込む必要はないんだよ。まだ僕達には時間は沢山ある」
「でも私としては少しでも急ぎたいの。王族の務めだから」
「わ、分かった。落ち着いたかな?」
「うん、もう大丈夫よ」
「学園都市の病院に行こう。ね?」
「うん」
「ゲートを開くね」
ブリタニアはいつもと違いゆっくりとゲートをくぐった。
学園都市の病院で検査した。結果は妊娠していた。
「ブリタニアおめでとう」
「うん、あ、ありがとう」
「な、泣かないでよ。お腹の中の赤ちゃんも心配するよ?ね?」
「うん、でも嬉しくて」
「男の子と女の子どっちかな?」
「私は男の子が良いわ」
「なんで?」
「国王になるからよ」
「女王でも良いじゃない」
「そうなんだけどね。私は男の子が良いわ」
「女の子でもガッカリしないでね?」
「しないわよ。女の子でもあなたとの子どもなら嬉しいわ」
「そう。なら良いんだ」
「それじゃマンションに戻って皆に報告しようか?」
「うーん、それはまだ良いわ」
「どうして?」
「まだ無事に産まれるか分からないから」
「学園都市の医療技術なら大丈夫だと思うよ」
「それでもまだ良いわ。皆に気を使われるのもまだ嫌だし」
「そうか。分かった。それならそうするよ。でもママ、無理はしないでね?」
「分かったわパパ」
「なんだか違和感があるね」
「そうね。パパ、私、子どもが無事に産まれるまで彩花と紗也華の部屋で寝るわ」
「そうだね……その方が良いかもしれない」
「ねぇ?彩花と紗也華だけには言っておかない?日本人だから色々と理解してるから」
「そうね。分かったわ。2人には正直に言う」
「それじゃゲートで帰ろうか?」
「うん!」
ゲートで書斎に戻ると彩花と紗也華に結婚式の件で話があると言って2人の部屋に入った。
「ゴメンね2人とも騙して2人の部屋に来ちゃって」
「どういうこと?」
「実は結婚式の話ではなくてブリタニアについての話しなんだ」
「妊娠してたの?」
「どうして分かったの?」
「中身が見えない袋を持ってトイレに入ったから察したのよ」
「生理用品かもしれないじゃない」
「この世界の人は私達と違って使ってないでしょ?」
「そう言えばそうだね」
「ブリタニアさんおめでとうございます」
「おめでとう」
「2人ともありがとう。出産するまで2人の部屋で寝ても良いかな?」
「良いわよ」
「大丈夫です」
「寝る時に色々と教えてください」
「私も知りたい」
「分かったわ」
「僕の恥ずかしい話はしないでほしいかな?」
「何か恥ずかしい事をやらかしたの?」
「いや、そんな事はないはず……多分」
「まぁ良いわ。ブリタニアさんよろしくです」
「私に敬語使わなくて良いわよ。2人の方が年上じゃない」
「ブリタニアさんは人生の先輩じゃないですか」
「私もそう思います」
「お願いだから2人とも止めてちょうだい」
「ならしょうがないわね」
「私は敬語がデフォルトですから」
「2人とも男の僕には分からないことだらけだからブリタニアを頼んだよ」
「任せて」
「任せてください」
「それにしてもハーフエルフの私がなんでこんなに早く妊娠したのかしら?」
「それ疑問なんだけど女の子の日は月に1回なんでしょ?」
「そうよ」
「保健の教科書に書いてあったと思うんだけど人間と同じだから人間と変わらないはずだよ?」
「私、もしかしてハーフエルフじゃなくて人間?」
「生命神に聞けば早いと思うよ?3人共行く?」
「行くわ!」
「私もー」
「私も行きます!」
「それじゃ飛ぶよ」
天界に来たね。
「創造神様、生命神さんこんにちは」
「おぉよく来たとりあえず座ると良い」
「とりあえずブリタニアさん妊娠おめでとう。生命神の僕としても嬉しいよ」
「教えてほしいんですけどハーフエルフは子どもが出来にくいとか聞いたんですがどうなんですか?」
「あーそれ?単純な話だよ。エルフもハーフエルフも子どもを作りたいという欲求があまりないから出来ないだけだよ」
「ブリタニアは子どもを欲しがっていましたが」
「それは王族として育てられたからそうなっているだけだね。王族の仕事だからってね」
「じゃぁブリタニアはハーフエルフなんですか?」
「うん、そうだよ。生命神である僕が保証するよ」
「あー分かった。創造神様そういう設定なんですね?」
「何のことじゃ?」
「長命種であるエルフが人間のように子どもをいっぱい作ると大変な事になるからそういう設定になっているんですね?」
「まぁそういうことじゃな……バランス調整の一環じゃな」
「疑問が解けました。今日は満足して寝られそうです」
「あー生命神である僕はそうは思えないけどね」
「嬉しいような悲しいような複雑な心境ですよ」
「仕方ないね。沢山の人と結婚した責任だね」
「日本人である私としてはどうしてあそこまで肉食系なのか不思議だわ」
「生命神としての個人的な意見だけど、娯楽がないのと文化の違いだと思うよ?地球でも人口が爆発的に増えている国あるでしょ?それと同じだよ」
「あーなんとなく理解しました」
「それじゃ皆、そろそろ帰ろうか」
「うん!」
「そうね」
「帰りましょう!」
「それじゃ飛ぶよー」
僕達は彩花と紗也華の部屋に帰ってきた。





