147 トラバント地方、視察後の会議
1年7月12日
今は18時で城の会議室にいる。
いつも早く家に帰っているからたまには残業も良いだろう。
ちなみに夕食は城で食べたいと城のスタッフに伝えてある。
なんでいつもの執務室で無く会議室なのかと言うと王妃が全員揃っているから。
「今日は残業みたいになってしまって悪いね。いつもは早めに家に帰るんだけど」
「私は全然問題ないわよ」
皆、同意見のようで頷いている。
「彩花と紗也華、いつもは『今日はやることないわー』って感じで早めに家に帰るんだよ」
「流石、元社畜SE。健全ですな」
「まぁそれは気を付けているけど本当、いつもやることなくて帰るんだよ。部下が優秀なので」
「部下はブラックなんですな?」
「否定できないところがツライ……ま、まぁ天使を増やしたから大丈夫でしょう」
「はいはーい!」
「どうぞブリタニアさん」
「ブラックって何?黒がどうかしたの?」
「地球の特に日本では朝9時に出社して23時に帰るみたいな職場が割とあるんですね。後は上司が部下に上下関係を利用して無理難題を押し付けたり、従業員に給料なしで働かせたりとそういう過酷な労働環境は法的にアウトだったりする。ブラックリストは分かる?」
「うん、それは分かるわ」
「地球ではインターネットが普及しているからネット上の掲示板でそういう過酷な労働環境にある職場をブラックリストに載せてたとか。聞いた話だから由来は違うかもしれないけどブラックリストに載るような職場を略してブラックというんだ。警察も犯罪の容疑者を黒と言ったりするし」
「なるほど」
「例えばこの間、天使に働かせ過ぎて徹夜明けのハイテンションになった事があったでしょ?」
「あったわね」
「あんな感じで働き過ぎると過労で亡くなったり身体を壊したりする。だから気を付けましょうという話だね」
「働き過ぎが良くないのは理解しているわ。特にあなた!本当に心配したんだから!」
「はい。スミマセン。……ということでそろそろ本題に入っても良いですか?ブリタニアさん?」
「どうぞ」
「ブリタニアと彩花は実際に見てどうだった?」
「私は母国で街中を歩いた事がないから相場が分からないけど全体的に高いと感じたわ。特に服!」
「私も同じです。感想ですが異世界の人の住む街を歩けて新鮮で楽しかったです」
「僕達も同じ意見だった。天使3期生のウサリヒト良い?」
「何でしょうさ」
「天使間って情報共有してるの?」
「同じマスターの天使の間では情報共有しているうさ。そうしないと非効率うさ」
「僕達は最初、レーヨンか化学繊維で服を大量生産することを考えたけどワタを大量生産して綿花から服を大量生産出来ないだろうか?それにワタの種子は食用油のほかマーガリンや石鹸の原料として使えるはず。どうだろうか?」
「それでしたらトラバント地方の未開拓エリアがオススメうさ。恐らくリア王国との戦争を恐れて平地で広大だけど開拓されていないエリアがあるうさ。トラバント地方の気候なら多年草として育てられるはずうさ。それから本体の北の地はまだまだ余裕があるうさ。ワタは冬を越せないうさだから一年草として育てる事になるうさ。それか強化ガラスハウスで育てると良いかもしれないうさ」
「強化ガラスハウスなら台風も越せるかな?」
「基本的には大丈夫なはずうさ。一部、壊れるかもだけど修理するう……さ?ここで先輩から情報共有があったうさ!こんな事もあろうかと学園都市で研究した技術力で品種改良したから大丈夫らしいうさ!」
「今から種まきしたら遅いかな?」
「1年で3回収穫出来るからまだ間に合ううさ!3期生が全力を出せば明日の朝には全ての準備が完了するうさ」
「準備と言うと?」
「トラバント地方の未開拓エリアを整地して植える作業、本体の北の地で空いているエリアを整地して植える作業。従業員のエテルノ用の住居の用意などうさ。後、スマホを配る作業も明日の朝には完了するうさ!初期状態でアンケート用のアプリも入っているうさ。住民に希望の地域名を答えてもらううさ。答えてもらう際にGPS情報も送信されるのでどこのエリアがどんな名前を望むか分かるうさ。マスターと奥さん関係は入力出来ない設計にしてるうさ。スマホは無料通話アプリとチャットアプリが入っているうさ。サーバーは既にサービス開始状態にあるうさ。各機能の使い方は日本語と英語で記載しているうさ」
「ありがとう。完璧だな」
「お役に立てて光栄うさ」
「あのぉ良いですか?」
「彩花どうぞ」
「私達にもスマホもらえるのですか?」
「もちろんうさ」
「メール機能は使えますか?」
「そ、それも明日の朝までにサービス開始するうさ」
「し、仕事を増やしてスミマセン」
「構わないうさ。今の困惑は『あっ、ヤベ考えて無かった』という心情うさ」
「それじゃ、会議はここまでで大丈夫かな?……大丈夫そうだな。では食事だ!」





