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146 元フォルター帝国民の本音

 1年7月12日


「ここだけの話し……というか多くの人が思っていると思いますが元フォルター帝国民からしたら帝国時代は国としてかなりマイナスでした。圧政と奴隷の国です。いかにそれに耐えるかだけを考えて生きて来ました」


「そうだったんですか」


「えぇ、そしてある日、創造神様が激怒するような何かを国の運営に関わっている連中がした時点で更にマイナスです。無政府状態になった時、正直不安でした国の中央が消えても領主はそれぞれ軍を持ってましたから内戦になるのかなとか考えました」


「それはそうですよね。仕方が無かったとは言え無政府状態で放置してしまい申し訳無かったです」


「いえ、とんでもありません。国際会議の様子は想像ですが恐らく大和王国さんはフォルター帝国という負の遺産を押し付けられたのでしょう」


「よく分かりますね。正直なところはそうなんですが。私としては遠く離れた地を統治する不安もありましたが、やりがいも感じました。ですので嫌々受け入れた訳でもないんです」


「なるほど。隣国のリア王国も国が不安定な状態にあると聞いていましたし、ドワーフの国はありえません」


「まさにその通りです。学園都市をつくった事から各国は我が国が受け入れた方がフォルター帝国の人々の為になると考えたようです。これだけの街をつくれるなら、きっと負の遺産をプラスに変えるだろうと判断したわけです」


「今思うとその判断に我々は救われました。しかし建国して間もなく国民もいない大和王国がこの地を併合した。最初は不安でした。ですが演説や施策を見ていて安心しました。そしてマイナスが徐々にプラスになるにつれて我々は恩を感じるようになったんです」


「恩ですか?」


「はい、クーデター騒動は怖かったですが、終わった後、スッキリしました。間抜けな連中が一掃されてバラバラだった国がトラバント地方として統一されたので良かったです。治安も良くなりました。だから皆、あなたに感謝しています。長々と語ってしまいましたが、ふと本音を言いたくなりましたので」


「そうですか……嬉しすぎて涙を流したい気分ですが今は堪えて、こちらこそありがとうございます。励みになります。一度トラバント地方の方々が本音では前の国はどういう状況で、現状をどう思っているかを聞いてみたかったのですが、聞きたかった事を全て語っていただけたので本当にありがたいです。私は元は皆さんと同じどこにでもいる平民です。運良く創造神様に選ばれて力を与えて頂いただけです。ですから時々、国王として上手くやれているか不安になることがあったので。お話を聞けて良かったです」


「私は元平民だからこそ国民目線で色々と気付かれるのだと思いますよ。先程も言いましたが私達は国王陛下に敬意を表しています」


「嫁さんにも言われたんですがやっぱりそうですか。安心しました。本当は国民の生の声を聞く取り組みもしたいんですけどね。今は色々とやることがあって、もう少し色々と整備して安定させてからになりそうです」


「私は今でも十分、聞いていただいていると思いますよ。相談事があれば役所の職員さんが聞いて対応してくれていますし」


「そうですか。現場レベルで対応出来ているのなら。良かったです。ですが私は知らないことが多いと今日、街を見て回って思いましたから、少なくとも来月、食料が収穫出来て市場に出回った頃にはまた街を見て回ろうと思います」


「国王陛下のそういう姿勢は本当に心から尊敬します」


「ありがとうございます。おっと話し込んでいたら遅くなってしまいましたね。スミマセン」


「いえいえ、お話を聞いていただけて本当に嬉しく思います」


「そうですか。それなら良かったです。帰りは車で待っている部下に送らせます。私達は空間魔法で帰るのでここで失礼します」


「はい。色々とありがとうございました。今後ともよろしくお願いします」


「はい、こちらこそ。それでは失礼します」


 ゲートを開いてブリタニア達が入っていく。そして僕も入る。


「本当に国王陛下は凄い方だ。あ、役所の職員さんお願いしますね」


「はい。承知しました。役所の職員を代表して本日は国王陛下にお会いいただきありがとうございました。急な訪問にご対応いただき役所の職員として大変感謝しております」


「いえ、こちらこそ役所の職員さんにも感謝しております」


「お役に立てて光栄です。では参りましょう」


「はい。改めてお願いしますね」

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