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144 商業ギルドに500万円

 1年7月12日


「ありがとうございます。実は今回、2つお話があって参りました」


「何でしょうか?」


「1つ目は近い内にサービスを開始する予定なのですが、簡単に言いますと店舗売上情報管理サービスです」


 先程、天使達に依頼したサービス内容を説明していく。


「それは素晴らしいですね。私のように複数店舗を持っている商人はもちろん個人で店を営んでいる者も大喜びすると思いますよ。これはお世辞ではなく心の底からの思いです。というのも私どもは店を閉めた後に売上を計算したり在庫状況を確認したりと結構、時間を使っているので、その負担が無くなるのは大きいです。しかも月々の代金も安い。そんなに安くて大丈夫なんですか?」


「私はこのサービスで莫大な利益を得るつもりはないんです。国民生活が豊かになればと思い考えたものなので。とはいえサービスを提供する上で責任が生じます、サービス障害が頻発するようでは駄目です。その責任の対価として価格設定をしました。お金を頂く以上、ちゃんとしたサービスを提供しますよという考えです」


「私達国民が国王陛下に敬意を表するのはそういうところです。国民からお金を巻き上げるようなことをせず、少しでも国民の生活が豊かになればと苦心される。常に国民目線で物事を見て改善しようとする。流石です」


「いえ、お恥ずかしながらこの世界に来て特に街を歩かずに本体の建国を始めまして、今日、部下からトラバント地方が食糧不足になり、学園都市から冒険者を送り込み対処したと報告を受けるまで自国の食糧事情を知りませんでした。今日、街中を歩いて初めて物価の状況を理解しました」


「ま、街中を歩かれたのですか!?危険では?」


「あれ?あっ!色々と忙しくて結婚式では言ったけど自国民向けには言っていなかった気がする。ステータス見せますね。新神とあるの分かります?」


「ありますね。あの噂は本当だったんだ」


「噂ですか?」


「はい、国王陛下が神の仲間入りをしたと言う噂です」


「そうなんですよ。後日また詳しくは説明しますが色々とあって神になったので。仮に襲われても大丈夫なんですよ」


「なるほど。詳細は後日の楽しみにしています」


「2つ目の提案なんですが大量の食料が1ヶ月後に収穫出来るのでその販売をお願いしたいなと思い参りました」


「もちろん構いませんが……?何かあるんですか?」


「はい。あの文房具店の騒動はご存知ですか?」


「あーお客さんが殺到して大変だったとか。それで国王陛下が新しい広くて美しいお店をつくらせたとか……まさか」


「はい。そのまさかです。スーパーマーケットをお願い出来ないでしょうか?」


「スーパーマーケットですか?何ですかそれは?」


「こんな感じのお店でしてお客さんが自分で商品をカゴに入れて御会計に持ってくる形態のお店です」


「イメージ図を見て驚きましたこんなに大きくて良いんですか?」


「将来的に扱う品物が増える事を見越してお店をつくろうと思います。店の場所としては各街の新街から旧街に一歩行った所、将来的に旧街に人が住むようになったら街の中心地になる場所ですね」


「しかし私にはそんなにお金は……」


「あー建設費用は気にしないでください。国民の為を思っての話しですので。お店の経営をしていただける方が必要なんです」


「な、なるほど」


「国営でやるとなると人々から職を奪ってしまう形になってしまうので、専門家にお任せしたいんです。全街は無理というお話でしたら、信頼できる同業者さんにお願いしてもらえると助かります。食材の輸送は我々が責任を持ってやります。つまりどういうことかと言いますと輸送は公務員がやりますので仮に盗賊団が襲ってきたら公務を妨害した罪等で対処するわけですね……国民の大切な食料ですから邪魔する事は許しません。どうでしょうか?」


「確かに全街は人員の問題で私どもだけでは無理ですが、現在、出店している街は私どもが責任を持って経営させていただきます。それ以外の街はいくつか心当たりがあるので声をかけるか商業ギルドに話をしてみます」


「商業ギルドなんてあるんですか」


「はい。ありますよ」


「商業ギルドも冒険者ギルドみたいにランクがあるんですか?」


「はい、ありますよ。冒険者ギルドと同じで商業ギルドへの貢献度でランクが上がります」


「ちなみに今のランクは?」


「Cランクですね」


「ほぅ。ではこうしませんか?現在出店している街についてはギルバート商会に任せます。それ以外については国王の名前で依頼する。『店は作ったし食材の輸送はするので食品を扱う商人を用意して経営をお願いします。食品の補充の為の情報共有と接客の為に各店舗に1名エテルノを配備します。紹介料は国が支払います。500万円でどうでしょうか?信頼できる人を紹介いただけますと幸いです』と」


「ご、500万円!?多すぎませんか?」


「いえいえ、言外に『これだけ紹介料を払うんだから責任持って信頼できる人を紹介してね』というメッセージがあるので妥当です。ギルドランク上がるんじゃないですかね?あ、今ここで書いちゃいますね」


 僕はインベントリから王族の紋章が描かれた紙を取り出す。

 普段、書類仕事をしないけど作ってもらったものだ。

 複製や偽物が出回らないように透かしもある。


 ボールペンでサラサラ~っと書いていく。

 ギルバート商会が出店していない街を聞いて書いていく。

 うん、出来た。

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