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143 物価調査と商談

 1年7月12日


 あ、その前に僕は変装しておこう。


「2人とも僕がこのまま店を訪れると大騒ぎになると思うから変装するね」


「分かったわ」


「了解です」


「こんな感じでどう?」


「確かにこの世界ならどこにでもいそうな30代のおっさんだね」


「言い方が気になるがまぁ良いか。それじゃ今度こそ行こう」


 まずは洋服屋さんに入ってみる。


「2人とも洋服屋さんに入ってみよ」


「了解」


「いらっしゃいませー何かお探しですか?」


「いえ、気に入る服があれば良いなと思ってお邪魔致します」


「分かりました。ごゆっくりどうぞ」


 どの服も値段が高い。ゴールドと大和円の価格が併記されているけど大和円の方が安い。

「貨幣の価値で言えば我が国の大和円の方が高いと思う。しかしながら、1ゴールドは1円と定めさせていただく」と言ったからな。

 商人は大和円の方が価値が高いのが分かるのだろう。

 しかし大和円の方が安いとは言えそれでもどの服も値段が高いな。

 そうか、衣服の事は考えていなかったけど材料と技術の問題で高いんだな。

 国民の為には改善すべきだろう。多分、殆どの人が古着を着ているんだろうな。

 街中を見てもそうだ。


「お邪魔しました。気に入る服と出会えなかった。失礼します」


「またのお越しをお待ちしております」


 食材売り場も見たがどれも高いと感じる。

 ダンジョン産の食材は比較的安いがそれでも高い方だ。

 いや、待てよ普通の人の1ヶ月間の収入が分からなければ判断出来ないな。


「ウィンドウちゃん、普通の人の1ヶ月間の収入って分かる?」


「スミマセン。データにありません」


「確か役所の職員は制服を着てるよね?」


「はい、着てます。でないと街中で声をかけても怪しまれてしまいますので」


「それじゃ手が空いている職員で何人かに聞いてもらえる?」


「分かりました」


 数分後


「判明しました。大体、1ヶ月15万円から20万円だそうです」


「分かった。ありがとう」


 だとするとやはり物価が高いな。


「紗也華はどう思う?」


「またざっくりとした質問ね。物価の事なら高いと感じるわ。特に調味料。塩も高い」


「やはり同じ意見か。食材も高いもんな」


「そうね。服についてはレーヨンか化学繊維に手を出すしかないと思うわよ」


「やっぱりそう思う?」


「うん」


「そろそろ今日は帰ろう。ウィンドウちゃん。悪いんだけどギルバート商会のトップと明日の13時頃に会いたいので役所の職員に面会の約束を取ってもらえないかな?もし予定が空いていれば今日、お会いしたいと伝えてほしい。それからブリタニアのチームと合流しよう」


「分かりました」


 ブリタニア達と合流した頃に役所の職員から連絡があったようだ。


「これから会えるとの事です」


「それじゃゲートを開くから紗也華と彩花、アクアオーラちゃんは先に帰っておいて」


「分かったわ」


「分かりました」


「了解です」


 合流した時に変装は解いておいた。


「それじゃブリタニア行こうか。ウィンドウちゃん案内よろしく」


「分かりました」



 十数分歩いたら到着した。


「お邪魔します」


「失礼します」


「いらっしゃいま……こ、国王陛下、本当にいらっしゃった」


「すみません。商店の代表の方をご案内いただけますか?」


「私がこの商店の代表をしておりますギルバートと申します」


「あ、失礼しました」


「いえ、こちらこそ。どうぞ奥へお越しください」


「はい」


 会議室に案内された。


「どうぞお座りください」


「失礼します。突然お邪魔してスミマセン」


「いえ、国王陛下ならいつでも大歓迎です」


「ありがとうございます」


「今日はどういったご用でしょうか?」


「実は本国の北の方で大規模な農業をやっておりまして来月には収穫出来そうなんですね」


「ほう、ちなみに収穫量はどれくらいでしょうか?」


「部下からは世界各国に売るほどあると聞いています」


「そんなにですか!」


「特別に地図をお見せしますね。……ここがトラバント地方で、この赤く塗られたエリアが我が国の本体です。それで大規模な農業をしているのは大体このエリアですね」


「な、なるほど……大和王国本体の大きさにも驚きましたが世界各国に売るほどある大規模農業をしているというのも納得です」


「それでトラバント地方もそうですが世界各国が慢性的な食糧不足に困っていると聞きました」


「はい、おっしゃる通りです。冒険者のお蔭でなんとかやっていけているという状況ですね」


「ギルバートさんはトラバント地方の各地に店舗があると伺いました」


「はい。お陰様でこの間、新街をつくる際に私どもの店も用意していただいて助かっています」


「いえ、その際はそれなりの金額を頂いたと思います」


「私も商人ですので分かりますよ。金額以上のものだと」


「ありがとうございます。実は今回、2つお話があって参りました」


「何でしょうか?」

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