142 趣味が合う2人と通貨発行権
1年7月12日
ゲートで路地裏に出てきた
無事に全員来られたな。
「では予定通りここからは2手に分かれよう。何かトラブルがあったらアクアオーラちゃん連絡してね。合流する時も連絡しあって合流しよう。では行こう」
……と言っても商店街までは同じ方向なんだけど。
数分歩いたら商店街に着いた。
「ではまた後で」
「うん!」
「それじゃ行こうか」
「えぇ行きましょ……あ、さっきは悪かったわね」
「さっきって……あぁ、『変態』の件か。僕も大人気なかったと反省していたところなんだよ。ごめんね」
「不安でつい焦っちゃったのかもしれないわ」
「不安って?」
「私のこと本当に心から愛してくれているのか、それとも罪悪感から責任を取ろうとしたのかってね」
「罪悪感がないと言ったら嘘になる。だけど心から愛しているよ。こんなに可愛くて頑張り屋さんなんだもん」
「それが素直な気持ちなのね。ありがとう」
「そう言えばFPS好きなんだっけ?」
「うん。そうだけどどうして?」
「いやぁ、この世界には神が作ったダンジョンがあるんだけどね。剣や魔法で攻略しようとすると魔物が出てくるけど、銃を装備して攻略しようとすると銃を装備したロボットが出てくるらしいんだ。どう?」
「実銃が撃てるの!?」
「あぁ、ここは異世界だからね。そして僕はこの国の国王なので撃てちゃうんだよなぁ」
「マジで!?撃ちたい!!」
「僕達は敵からの攻撃はノーダメージのはずだからリスクが低い。ただしフレンドリーファイアだけは気を付けてね」
「そりゃ当然でしょ?」
「いや、ほら跳弾の可能性も場合によってはあるからさ。まぁ攻略可能な設計になっているって聞いているし余裕だと思うけど」
「今度一緒に行きましょ!」
「何の銃が良い?」
「選べるの?」
「うん」
「それじゃP-90」
「おぉ、分かってますねぇ。ちなみにこの国の軍は全員エテルノなんだけど装備はP-90。僕の趣味でね。プライベートディフェンスウェポンだけあって扱いやすいからね。僕はまだ撃った事ないけど」
「私達、趣味が合うわね」
「他の嫁さんは分かってくれないから共通の趣味の嫁さんが出来て良かった」
「もう離婚するなんて言わないでよね」
「悪かったって。もう言わないよっと……そろそろ仕事しないとな」
「分かった。ちなみに通貨は?」
「世界共通でゴールドだったけど僕の国は大和円……略して円に変えさせた」
「なんで?共通の方が楽じゃない?」
「通貨発行権って言うのは意外と重要なんだよ。日本人だから良く分かると思うけど日本はよく借金大国だって言われるでしょ?」
「たまに耳にするわね。それがどうかしたの」
「財政を理由に増税するけど日本の国債発行残高は一度も減った事がないんですね。不思議でしょ?でも日本の国債の金利は低い」
「どういうこと?」
「借金大国で財政がヤバい国はリスクが高いから国債の金利が上がるんだよ。誰も国債を買ってくれないから金利を上げて買ってもらうわけだね」
「なるほど?」
「でも日本の国債は安定しているから金利が低い。通貨発行権があるし不安要素がないから、金利が低くても買ってくれる」
「へーそうなんだ」
「最悪のパターンは他国からその国の通貨で借金すること。その国の通貨で返さないといけないから大変」
「ほうほう」
「まぁ元社畜SEの知識だから間違っている点があるかもしれないけどね。少なくとも通貨発行権は国を運営する上で重要だというのは間違っていないはず。国内の物価をある程度コントロール出来るから」
「なるほど良く分からないけど共通にすれば良いってものでもないのね」
「イギリスがEUに入ったけど通貨をユーロにしなかった話もあるし」
「そう言えばそうね」
「あ、そう言えばこの世界は世界共通で英語だったんだけど英語大丈夫?一応、我が国は大和語という名の日本語を公用語にしているけど、この場所、元々、別の国だったから英語も残っているかも」
「英語は苦手ね。この場所が元は別の国ということは私達を召喚した場所?」
「あー、ごめん。配慮が足りなかった」
「あ、別に場所自体は何とも思わないわよ。それに覚えていると言ってもトラウマになっていないし……多分、神様が中途半端に記憶を消した影響でね。罪人が苦しんで罪を悔いて死刑になったのは気分が良いけどね。国のトップがアレだっただけで国民は悪くないと思うし」
「それは大丈夫。クーデターを起こした連中がいた事はこの間、話したけど、僕がビンタされた後、ブリタニアが半分八つ当たりで魔法を使って敵をまとめて焼き尽くしたから。骨すら残らなかったね」
「ブリタニア……怒ると怖い……覚えておこう」
「そんな事よりも調査に行くよー」
「はーい」





