136 書斎で現状確認
1年7月12日
僕はマンションの自分の部屋に入った。
皆、何やら片付け作業を頑張っているがスルーして書斎に入り座る。
本当に地球に行く前に僕、異世界で何していたっけ?
えーっとまずは結婚式だ。結婚式をした。
その前はマンション騒動だ。街作りをしたんだった。
ナビィとエイドは旧街の街作りをしているはずだ。
7月2日に2日休んでゆっくりやってと言っておいたからまだ終わっていないだろう。
今、僕に残っている仕事は大使館の設置作業だな。
……明日から本気出す。
必要なエテルノは5人……いや、リア王国にも一応、大使館を設置しよう。だから6人だな。
エテルノの名前考えるの大変だな。NATOフォネティックコードを使おう。
アルファ、ブラボー、チャーリー、デルタ、エコー、フォックス
……流石に怒られるかな?コードネームみたいでカッコいいで押し通せるかな?
後は何かやることあるかな?飛行魔法を使って北海道に行って軍事作戦かな?
広大だけど広大だからこそ頑張ってもらいたいかな。
その次は西日本だな。西日本は作戦を始める前にドラゴンに話をしておきたいな。
あっ農業の進捗状況も確認しよう。上手くいっていると良いけどな。
「ナビィとエイド良い?」
「はい!」
「はーい!」
「旧街の街作りの方はどうかな?」
「半分程終わりましたね」
「はやっ急がなくて良いと言っておいたから4分の1程度かなと思ってた」
「天使ですから」
「我々、つよつよなので」
「農業の進捗状況はどうかな?」
「上手く行ってますね。来月には収穫出来ると思いますよ」
「収穫した物の輸送を考えないとな……」
「それでしたら陸上の鉄道をつくるのはどうでしょうか?」
「ほう。貨物列車を走らせる?」
「はい。中央と大和海側と太平洋側の3本です。もちろん沿岸ではないので防災面でも問題ないと思いますし、北に行くにはゲートを通る必要があるので盗賊の心配はありません」
「なるほどね。提案するということは予めこれも計算に入れて鉄道のルートを用意してるでしょ?」
「バレましたか」
「いや、ありがたい。輸送のことは全く考えていなかったから。到着場所はどうする?」
「東京駅はどうでしょうか?」
「いや、確かに東京駅は作ったけど人の住んでいない東京より学園都市の方が良いのでは?」
「生産量を考えると学園都市の倉庫街のキャパシティをオーバーします。一方、東京は倉庫のキャパシティに余裕があります。駅は東京駅の地下に設置し、貨物列車からエテルノとベルトコンベアで荷物用エレベーターに運びます。エレベーターは2つ用意します。地上では荷物用エレベーターで上がって来た荷物を大型トラックに積み込み倉庫まで運びます」
「なるほど。ということは各生産物の梱包資材が必要だね」
「その通りです。ですが安心してください。もうあります」
「あるぅの?」
驚きすぎて噛んでしまった。
「我々が依頼されたのは『各種必要な工場の設置をしてほしい』です。例えば紅茶ですとティーバッグ。アルコール度数の高い酒ですと瓶といったように製品を売るのに必要なものは全て用意しています。お酒など生産に時間がかかるもの……つまり発酵が必要なものはエテルノが魔法を使って時短してますので年内には良いものが出来るのではないでしょうか?これも学園都市の研究成果です」
「どのくらいの量が生産出来そう?」
「世界各国に売れるほどだと思ってもらえれば良いかと」
「そんなに!?」
「そういえばこの世界に来て市場を見たことがないから相場が分からないんだけど……どうなの?」
「ざっくりとした質問ですね」
「悪い。何が分からないのかが分からなくて……生産をお願いした中で世界各国で売られているものは?」
「米は少量が極一部で、砂糖は真っ白ではなく、かつ貴重です。胡椒も貴重です。小麦は世界各国、満足できるほど生産出来てますね……以上ですかね?」
「え?お茶は?僕普通にいつも飲んでるけど」
「あーあれは地球から輸入したものですね」
「マジで」
「はい」
「あ、特に依頼されませんでしたのでまだ工場を作ってませんが」
「な、なに?」
「塩も貴重ですね」
「……塩の工場も最優先でお願いします」
「全世界の消費量を余裕で上回る程、生産しちゃいますね」
「はい。……あっ」
「なんです?」
「貴重なものをそんなに簡単に生産したら世界各国の生産者が困らない?」
「そしたらそういう人を学園都市に受け入れてあげれば良いのでは?」
「そういえばそうだね。輸出するばかりでは世界経済が混乱しそうだからどうしようかな」
「マスター、まず大前提としてこの世界は物資、主に食料が不足しており貧しいんですね。なので子どもも産まれない。産んでも餓死してしまうという問題があります。だから世界人口は少ないんです」
「あーそうか。考えが足りなかった。生産したものが貴重ということはそういう意味だよね。建国する前にもう少し世界を見て回った方が良かったかもしれない。つまり我が国が安い価格で大量に売った物は市場に出回り、貧困問題が解決するんだね」
「そういう事です。輸入ですが人を輸入すれば良いのでは?」
「どういうこと?」
「我々が安く物を売ることで生活に困った人を受け入れる。我が国はそれに対して相手国にお金を払う。『貴重な人材を派遣してくれてありがとう』とね」
「なるほど。その発想は無かった」





