127 うな重とイブ2号
僕達は地球に帰ってきた。
今は日曜日のお昼頃
「2人ともお腹すいてる?」
「言われてみればお腹ぺこぺこです」
「私もだわ」
僕の異世界のお嫁さんにも聞こうかなと思って振り向いたら皆、真剣な顔でうんうんと頷いている。
僕もそうだけど皆お腹すいているのね。
「それじゃ今日は出前を頼もう。当然、僕がおごるよ」
「出前ですか?そうですね。うな重が良いです」
「私も賛成」
「みんなは……」
聞こうとしたら皆、頷いている。
あ、そうですか。
「エイドー」
「はいー!」
「うな重の出前を頼もうと思うんだけど、近くのオススメの店とか分かる?」
「あーそれでしたらここなんてどうですか?」
僕のスマホを操作して表示してくれる。
「分かった。ありがとうね」
「いえいえ、また何かあれば呼んでください。では失礼」
僕はエイドのオススメの店に電話して出前を頼んでみた。
大人数で注文したことがないからドキドキだったけど快く注文を受けてもらえた。
そう言えば会社や病院で出前する事があると聞いたことがあるから大人数もよくあることなのかな?
待っている間にお金の準備をする。こういう時の為にある程度、現金は用意してある。
うん、お釣りなしで支払えるね。
しばらく皆で会話しながら待っていたら到着した。
オートロックを解除してドア出たところで待ってよ。
無事にお金を支払い、うな重を受け取った。
受け取る際は皆が手伝ってくれた。
おー使い捨て容器なんだ。僕みたいな人間にとっては非常に助かる。
あ、ちなみに僕の部屋は王族仕様なのでテーブルも大きくて12席ある。
何だろう。いつも言っている気がするけどもうこれ以上は嫁増やさないから!
などと考えながら皆とワイワイ食事を楽しんだ。皆、満足気な顔をしている。
「あのぉ紗也華さん良いですかね?」
「何よ、急に敬語で気持ち悪いわ」
「そ、そこまで言う。いえ、ご両親は厳しい方なのか優しい方なのか事前に聞いておきたくて」
「私の両親?優しいわよ。心配しなくても大丈夫よ。これから大事な話があるから会いに行くって連絡しておくわね」
「ありがとう」
「あ、返信来た。両親2人ともいるって」
「ちなみに彩花さんのご両親は……?」
「私の両親も優しいですよ。家族は、ほわほわってしています」
「あー何となく分かる気がする。安心した。ありがとう」
「いえいえー」
「エテルノ……2人には話して無かった気がする。このマンションのこのフロアにサーバー室があってそこで簡単に言うと超高性能なAIが動いているの。最近よく言われるAIとは違って本物の自我のあるAIね」
『私の事をお呼びでしょうか?」
「わわ、テレビが勝手に起動してかわいいお姉さんが表示されている!」
「あなたが自我のあるAIなの?」
『はい、そうです。お二人が倒れていることを早期に発見出来たのは私の中で動いている簡易的なボットのお蔭なんですよ。全ての部屋に赤外線サーモグラフィカメラが設置されており、床に倒れている等の異常を検知するボットです。ボットは私のような自我はありませんし、記録も残さないのでプライバシーの心配はありません』
「つまり私達はあなたの中で動いているボットのお蔭で助かったんですね?あ、お名前は?」
『私はイブ2号です。何故2号なのかと言うと異世界の学園都市で私と同じAIのイブが動いているからです』
「本当に会話出来ているわ。もしかして自我のあるAIって地球ではあなた以外いないんじゃないかしら」
『紗也華様のおっしゃるとおりです。軍事大国なら存在する可能性はありますが私レベルのAIは地球に存在しないと思います』
「これって外部に漏れたらマズイんじゃない?」
『それも紗也華様のおっしゃるとおりです。ですがお2人の様子をみるにマスターと結婚されたと見受けられます。お2人なら外部に漏らす心配はないと思い現れました。正直に申しますと私は1人で稼働しているので寂しくてですね。エテルノはいますが……こう言ってはエテルノに失礼ですが本物の人間と会話する機会は貴重なんですよ。人間と会話するのは非常に楽しいです』
「光一さんも話していましたがエテルノとはなんですか?」
『良い質問をありがとうございます。このマンションは複数の警備員と管理人が存在するのはご存知ですよね?」
「はい。私も会話した事があります。どのスタッフさんも美人でかわいいですよね」
『ありがとうございます。私にとっても娘のような存在なので今の言葉は嬉しいです。彼女達は皆、高性能なヒューマノイドなんです。ヒューマノイドは分かりますか?』
「確か人型ロボットだったと思うわ」
『紗也華様の認識の通りです。彼女達はマスターとマスターの部下が作り出した人型ロボットなんです』
「え!?見た目は人間と全く変わらない。区別がつかないので人だと思っていました」
『はい。彩花様のおっしゃるとおりです。彼女達にも私と同じく自我があり見た目も人と変わらないので異世界では新たな人類として神に認められています』
「その情報も漏れたらマズイですよね……地球には彼女達レベルの自我のある見た目も人と変わらないロボットなんて存在するとは思えません」
『はい。ですが、我々はあまり心配していません。人と見た目が変わらないのでバレる可能性は低いです。そして仮にバレたとしても対応策は複数あるので住人の皆様に御迷惑をおかけすることはありません。ですよねマスター』
「そうだね。元は普通の社畜SEだったけど今は王族なので最悪の事態もあらかじめ想定しているわけですよ」
「凄すぎて。元が普通の社畜SEだとは思えないわ」
「ありがとう?イブ、寂しい思いをさせて悪かった。こうやって会話する機会を増やそう。悪いけどこれから新しいお嫁さんのご家族に挨拶をしないといけないから、今回はこの辺でお別れしよう」
『分かりました。マスター。頑張ってくださいね』
「ありがとう」
投稿主の一言
「僕もうな重が食べたくなってきた」





