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目指せ樹高634m! 〜杉に転生した俺は歴史を眺めて育つ〜  作者: 石化
第三章 近世

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第47話 上野戦争

 

 江戸城は歴史通りに無血開城された。不安だったが、何事もなくてよかった。

 

  みんなもお疲れ様。有事に備えるのは神経を使うからな。


 新政府軍はスムーズに入城したとはいえ、江戸は少なからず混乱した。


 幕府残党の強硬派が上野の山の上に陣取ったのだ。


 彼らは彰義隊しょうぎたいと名乗っていた。


 上野は割と近いからやめてくれないかな。俺たちが鎮圧してもいいだろうか。


 流石に新政府軍も俺に気を使って大砲は使わないと思うが⋯⋯。絶対ではない。


 愛に潜入させるか。


 働かせすぎている気もするけど、愛が一番確実だから仕方ない。

 同じ技能「諜報」を持ってるにしても明や輝夜はまだ不安だ。


 愛はいつものごとく有能で、新政府軍大村益次郎(ますじろうの作戦案を手に入れた。


 みんなで回し読みする。


 加賀藩上屋敷から上野へ砲撃するというところは引っかかったが、他の危険はあまりないみたいだった。


 上野を包囲しているだけだ。


 北西方面に逃げ道を開けているのが老獪だ。

 背水の陣やら窮鼠猫を噛むやら。いろいろなことわざがある。

 追い詰められた軍隊は時に凄まじい力を発揮するからな。

 敗走ルートを開けておくのは大事だろう。



 計画に書かれていた日の朝、銃声が響いた。


 開戦だ。


 俺たちは、西を眺めていた。


 銃声は止むことなく響いている。火器の煙が上がっていた。


 激しい戦になりそうだった。


 ドーン

 ドッカーン


 砲声が上がる。着弾。地面が爆ぜた。


 それは上野の森には着弾していない。不忍池しのばずのいけ手前だ。


 このころの大砲では狙いをつけるのは難しいのだろう。


 ドーン

 ドッカーン


 気にしていないように、砲声はまだまだ轟く。


 徐々に着弾位置が上野の森へ移っている。


 弾着修正が上手い兵士がいるのだろう。


 これならまかり間違っても俺のところまで飛んでくることはない。


 安心した。


 上からは戦況が手に取るようにわかる。


 南側の戦いは一進一退だったが、砲火が上野山中に及ぶとともに彰義隊側が混乱し始めた。


 均衡が破れる。


 新政府軍が、南の高台を占拠した。


 情報が山内を駆け巡っているのだろう。まだ大砲の音も止まない。


 逃げ出すものが出始めた。退路は空いている。躊躇ためらう理由はないだろう。


 一旦崩れると早かった。


 彰義隊は無事に鎮圧されたのだった。


 俺は安堵した。


 とりあえず江戸で危ない事態はもう起こらないないだろう。


 少なくとも明治期は大丈夫だ。


 ●


 明治天皇が江戸城に入った。皇居と改名するらしい。

 東京としての姿が徐々に出来上がっていく。


 地租改正やら廃藩置県やら明治政府の施策は大きな混乱を巻き起こした。

 だが、中央集権の仕組みはどんどん出来上がっていた。


 ついにここ関東が名実ともに日本の中央になるのだ。


 俺はその様子を感慨にふけりながら持って見守っていた。


 思えば長かった。


 縄文時代は、ほとんど海に埋まっていた。

 弥生から古墳はずっと後発地帯。


 平安から戦国も、イキった武士が中央に負ける構図を嫌という程見せられた。


 江戸になって、ようやく活気溢れる場所になったが、まだ朝廷も京都で機能していた。


 ようやくだ。


 ようやく近代に入るのだ。


 みんなに苗字が与えられて、四民が平等になる。


 そんな俺の時代に近い時代がやってくる。


 長かった。


 何度でも言う。よかった。


 みんなのおかげだ。


 お礼を言った。


 輝夜。小太郎。愛。将門。銀孤。明。白。


 みんな、ありがとう。


 あと150年だ。付き合ってくれ。


 それが終わったら、自由にしていいから。


「今更、あなたと離れるなんてありえないから。」


「そうですよ。あるじさま。」


「ずっと一緒でしたからね。」


「まあ、なんだ。感謝してる。」


「わっちも、同じやわあ。」


「おじいさまと一緒の今が一番いいです。」


「おじいちゃんのことは好きだから。」


 みんなは口々にそう言った。


 やばい。泣きそう。


 この頃涙腺が緩くなっている。


 だめだだめだ。まだ終わったわけじゃない。


 樹高も615mでしかない。油断はできない。


 もう一度整理しよう。


 これからの一番の課題は第二次世界大戦だ。東京大空襲が一番怖い。

 よく考えたら関東大震災などと言うものもあったけど、それは置いとこう。


 第二次世界大戦は出来るだけ起こさないように動く。


 とはいえ、今までの歴史は概ね知ってる通りに動いてる。

 回避できると思う方がバカだ。


 起こることだと思っておいた方が無難だろう。


 焼夷弾か。耐火性だけでなんとかなるか? いや、あれ確かある程度の時間燃え続けるんだったな。


 タチが悪い。耐えられるのは耐えられるが、それが何日も続いたら流石に厳しいだろう。


 俺の近くの航空機を撃墜する方策が欲しい。


 基本的に白の技能「射撃」で蓬莱の玉の枝の弾を発射して迎撃すると言う方向性になるのかな。

 とはいえ、アメリカは大国だ。白が対抗できないほどの物量で攻めてくる可能性は十分にある。


 もう一手欲しい。


 例えば、小太郎の技能「雲乗り」で、空を行く戦闘機を撃墜できないだろうか。


 速度の違いはあるが、小太郎には技能「全体麻痺付与」もある。


 操縦者の動きを止めることができれば勝ちだろう。


 同様の技能を持つ輝夜と明もいけそうだ。


 ただ、どう考えても危険なんだよなあ。


 遠距離攻撃無効みたいなそんな夢のような技能があればいいんだが。


 そうだ。そろそろ輝夜の技能「秘道具アーティファクト作成」を使っていい頃だと思うんだ。


 この前使った時から100年くらい経ったし。


 頼んでみよう。そうしよう。



少しキリが悪いですが近世、終了です。


近代に入ります。


面白い、頑張れと思っていただけたら、最新話の下にある評価、感想などくださるとモチベーションになります。よろしくお願いします!

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