春の章その一…黒乃再び。
ここは『恐怖の話に興味がある者』が立ち寄る店。
ここの店主『黒乃』は一人今日もお客様を待っていた。
『おやおや……来ましたか、いらっしゃいませ。』
俺の店に久しぶりに訪れたのは二人の女性だった。
『あの……………………………………。』
そう口を開く二十代程の二人の女性。
彼女達はこの店の話を聞き……リアルな恐怖体験を聞きたくて来たらしい。
俺は二人にソファーを勧める。
そして。
『さあ…では……久しぶりですが……この間聞いたお話をしましょう……覚悟は出来てますか?』
俺の声に頷く二人。
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これはとある女性のお話です。
春と言えば新年度とされ皆が心を晴れやかにする事も多いと思います。
こちらの女性は学業を終え就職しこれから新入社員としてスタートをきろうとしていました。
そんな彼女もドキドキさせながら期待の時を迎えていました。
◇
『ふぅ……今日からいよいよ初出社!凄く嬉しいな。』
彼女は、そう口にしながらも会社への道のりを行く。
辺りを見回しても皆がにこやかな笑顔に溢れかえっていたような気がする。
彼女はそう考えていた。
そんな中……彼女を見ていた何者かの姿があった。
彼女は緊張感から、そんな視線も気にせず会社に向かう。
そして会社につくと、皆から歓迎のムードでいいスタートをきれそうだった。
人の良さそうな会社の上司や同期の皆。
私はきっとここから素晴らしい人生が待っているんだ。
そんな希望に満ちた会社に入れた気がした。
そして無事初日の勤労を終え無事帰宅した私。
私はきっとこれから幸せな人生がそう思い就寝した。
そして私はまた駅までの道のりをいく。
すると私は背後から誰かの気配を感じる。
思わず急ぎ足になる私。
『はあはあ……………』
(駅まで……そう………駅まで行けばきっと。)
私は振り返るのも怖く、足早に駅へと向かう。
そして私は電車に飛び乗る。
すると目の前に誰かの姿があった。
『あれ?田中さん!?』
私の名を呼んだのは会社の先輩の『小山』さんだった。
『小山さん!?私……急いでてすみません。』
彼は会社の一つ先輩男性社員でイケメンでどうやら会社では人気がある人だった。
私はそんな彼に謝罪をする。
『いや、いいよ、朝は誰でもそんな時あるさ。』
優しい先輩のその言葉にほっとする私。
そして私達は会社へと向かう。
その時……そんな私達に視線を向けていた目があったことをこの時の私はまだ。
知る由もなかった。
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お読みくださりありがとうございました。




