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黒の怪奇譚  作者: 黒羽冥


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オカ研の新年会。その十。

おばあさんの恐ろしい話を聞いた私は、その衝撃的な内容に震えを覚えた。


『おばあちゃん………………………。』


私はおばあちゃんを見ているとおばあちゃんは再び口を開く。


『旦那は一度……ワシに村に伝わる先程の話をしてくれた事があった……。』

『なあ………『おゆき』……あの雪女の伝説の話……例えオラがそんな女に誘われてもオラにはお前だけだ……だから安心してるがええよ。』


そう言ってくれた旦那にワシは、伝説では雪女の誘いにはあまりにも綺麗な彼女の魅力にどんな男でも断れないと聞いていた。

その為にワシを安心させる為に言ってくれた、そんな優しい旦那だった。

だがそんなワシはいつしか身重になっていたのじゃ。

ワシが実家に戻る日……旦那はワシを見送り駅まで送ってくれた……向こうの駅では実家の兄がワシを待っていてくれるという。


『では……お雪……一人の身体ではないのだ……くれぐれも気をつけて帰っておくれ。』

『はい……貴方様もお見送りありがとうございます……お気をつけて帰って待っていてくださいませ。』


そんな会話をしたワシら。

ワシらは笑顔で別れたのじゃ……これがワシらがしたこの世で最後の会話になった。

その時……空からはヒラヒラと雪が落ち始めていた。


『ささ……雪が降ってきた……急いで電車に乗りなさい。』

『ありがとうございます、では貴方様も。』


ワシは電車に乗る。

すると……もう旦那の姿はそこには見えなかった。

ワシは電車から強まりシンシンと降ってくる雪が印象に残ったんじゃ。

ワシはふうぅっと息を吐くと大きくなってきたお腹に手を添える。


『お前の父親は素敵な男じゃよ……元気に生まれておいで。』


ワシはそう呟く。

すると、ぴくりと動いた気がしたワシの大きなお腹。

電車はゆっくりと動き始める。

ワシは駅を眺める。

徐々に加速していく電車。

駅がゆっくり離れていく。

ワシが駅に目をやると動いていく電車。

電車はゆっくりゆっくり離れていこうとする。

ワシは、ずっと窓から駅をながめていた。

そして駅のホーム先に手を振る旦那の姿が。

ワシは窓から彼を見つめる。

空から舞い散る雪が彼の帽子と肩を白くしていた。

すると……一瞬じゃが……彼の後ろから抱きつき微笑む美しい長い髪の白い女性が見えた気がしたのじゃ。


『雪女!?』


その時……ワシは違和感を覚えた。

そしてワシらは一時の別れになったんじゃ。

それから実家に戻ったワシは元気な女の子を産んだ。

名前は旦那が男女どちらでいいように『とう』と名付けるよう言われた。

春になりワシは『冬』が少し落ちついた……そして旦那の笑顔が見たくてワシは『冬』を背に 旦那の元へ帰ったんじゃ。

そして。

ワシらの家………ここへ帰った……。

『あなた様ーーーーっ!?お雪です!今帰りましたー!!』


ガラリと家のドアを開けるワシ。

じゃがワシの目には真っ赤な血溜まりに倒れ……息絶えている旦那がいたんじゃ。

お読みくださりありがとうございました。

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