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黒の怪奇譚  作者: 黒羽冥


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82/140

オカ研の新年会。その四。

僕達の前にきた雨音律子さん。

すると彼女は持ってきた書物を開き……。

語り始めたんだ。

時は江戸中期の頃。

この街は平和な時期でもあった。

その中で色々な作家も現れ様々な話も書かれる様になった。

そして一つの話が盛り上がったのだった。

話の内容はこうだ。


『雪女伝説。』


冬のある日、とある山で迷った男がいた。

そう……男は山を降りようとして突然の吹雪に迷ってしまったのだ。

もうダメか……………そう思った時。

男は目の前に一軒の小さな小屋を発見する。


『ここは……助かった……か。』


男は小屋の扉を叩く。

コンコンっ。


『すみません……どなたかいますか?』


男はこの家の中から生活音と火の温かさを感じ取る。


『すみま……………せ……………………』


男がもう一度声をかけようとする……。

次の瞬間。

すすーーーーーーーっとその扉は開いていったんだ。


『おや?どこの殿方でしょうか?』


家にいたのは美しい女性だった。

男は家の中に通されそして難を逃れたのだった。

この日男は女性に解放され無事夜を過ごしたのだった。

ところがこの女性は美しすぎた。

男は元々一人者……狭い小屋にたった二人……。

その時この男の理性というものは…………………。

崩壊した。

この女性は時を終えると男に告げる。


『これは……本気…………ととってもよろしいのでしょうか?』


男は女性の言葉に我にかえる。

実はこの男には村にお互い気の許し、好意を寄せていた一人の女性がいたのだ。

男はその言葉に少々焦るが……なんとか衣服を着ながらも答える。


『あ、ああ………もちろんだ。』

『そう……嬉しゅうございます。』


女はそう声にする。


『じゃ、じゃあ俺は一度村に戻りお前の元にくる準備をしてくるからな……待っていてくれ。』


男はそう言い残し。

小屋を後にしたのだ。


『いつまでも……お待ちしてます。』


女のその言葉が男にはきっと届かなかったであろうが。

それから随分の時が流れた。

そして男は結局想い人と一緒になった。

男は小屋で出会った女の事をすっかりと忘れていた。

十数年後。

もう男の村にも冬がやってきていた。


「今年も、もう寒くなったなあ。」

「そうですね……」


男は幸せな時間を過ごしていた。

その時。

コンコンっと扉を叩く音。


「はあい……どちら様でしょうか?」


男の妻が声をかける。

しかし更にノック音だけが聞こえる。

ガラガラっと男の妻が扉を開けたその時。

突然部屋の中に吹雪が舞い込む。


「きゃっ!?これは!?」

「どうした!?うっ!?お前……は??」


男の前に立っていたのは恐ろしい表情のあの 女性だった。


『私を裏切った怨み……はらします。』


そして。

この村は大雪による被害で………全て無となったのです。

お読みくださりありがとうございました。


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