オカ研の冬へ…早すぎるトナカイ。その八。
俺は崖の上で飛ぶ事を迫られていた。
俺を追い自分のトナカイになれと追いかけてきているブラックサンタクロース。
「輝也ーーーーーーっ!?」
「輝也っ!?」
仁と部長の俺を呼ぶ声が周囲に響き渡る。
そして俺は飛んだんだ。
◇
俺はいつしか目を瞑っていた。
まるで空を飛んでるような浮遊感が俺の身体に感じる。
だがその背後に恐ろしい気配を感じ目を向ける。
俺の目に映ったのは巨大な黒いサンタクロース。
奴はニヤリと笑みを浮かべるとヨダレを垂らしていたんだ。
『美味そうじゃ……ワシはお前を食えば益々生きながらえるじゃろう…』
『お前………くっ……どういう事だ?…。』
『ワシは元々…普通の夢を叶えるサンタクロースじゃった…その事に喜びを感じていた…じゃが…初代のトナカイが死ぬ頃……ワシは何のためにこんな事をしてるのか?という疑問にとらわれたんじゃ…ワシはサンタクロースという存在で人々に感謝されてきた…ところが最近はなんじゃ…サンタなどいない?サンタは親?そんな事が当たり前になっていた……そしてワシはいつしか…悪い事をした子供達に制裁を与える…ブラックサンタクロースという存在になっていたのだ……そんなワシに転機が起こる……そう…ワシがブラックサンタクロースになると徐々に相棒だったトナカイが弱っていったんじゃ……そんな時トナカイは目の前で死んでしまった……ワシは相棒だったトナカイを食うという事をしてしまったのじゃ……すると…トナカイを食った事でワシの身体に生気が漲る……これだ…これを繰り返せば…ワシは永遠の生命を手にできるではないか…ところがそれからのワシはトナカイの肉を食う事に貪欲になっていた…するとトナカイもまた新しく用意してもすぐに死んでしまうようになった……死んだら食うを繰り返していたワシ…終いには自ら殺し捌き食うという事を繰り返していた…そう…ワシはそれで永遠の生命を手に入れられると信じながら……するといつの間にかワシにはトナカイが手に入らなくなっていたんじゃ…途方に暮れたワシに語りかけてきたのはとあるトナカイの角じゃった……それからワシはお前のようにあのトナカイの角をあちこちに送りトナカイの呪いで人間がトナカイになっていく事を知り…そしてトナカイになった人間を食う事でワシはこれからも永遠の生命を手に入れるのじゃ…』
そういったブラックサンタクロース。
我に返った俺は崖から落ちている。
このまま俺は落ちて死に、ブラックサンタクロースに食われ…奴の血肉になってしまうのか!?
すると大声が聞こえる。
「輝也ーーーーーーーーーーーーーっ!?」
「帰ってこーーーーーーーーーーーい!?」
俺は二人の声が聞こえる。
我に返った俺。
『なんじゃヤツらは……はっ!?それは!?』
部長が手にしていたのはあの俺が触れたトナカイの角。
「最近聞く名のブラックサンタクロース…それは、あのサンタクロースが闇堕ちした魂だと…」
「そうだ……僕たちはあんたの正体を知れたんだ……そしてアンタの除霊をする為にこれを。」
そういった仁が部長の持つ角を受け取るとどこからか取り出した札。
「輝也!!さあ!!三人でクリスマスだ!!」
「私達オカ研のクリスマス!!帰ってきて盛大に行なおう!!」
二人が危険をおかしながらも俺の為に!!
そして仁が札を貼ったその時。
ぱーーーーーーーーーーっと俺の身体は光だし……そして。
『二人ともありがとう…俺は帰る!!』
俺の声が戻る。
俺の身体は浮いている。
目の前にはいつの間にか神々しいトナカイが飛んでいた……月に照らされたその姿。
するとそこでみたのは笑顔の赤い衣装のサンタクロースを乗せた神々しいトナカイ。
そしてサンタクロース達は彼方へと飛び去っていったんだ。
俺はその光景を目にしながら気がつくと地に寝ていた。
そして目に映ったのは部長と仁の笑顔。
「帰ろう……輝也。」
「さあいくぞ?」
二人の笑顔に俺は助けられたんだ。
そして。
◇
◇
◇
時は早くもクリスマスを迎えていた。
「「Merry Christmas!!!」」
俺達三人は部室でクリスマス会を過ごしていた。
「色々あったがクリスマス!!めでたいなあ。」
「本当に!部長!しかし今日のその衣装は……」
ニヤニヤしながら部長を見ている仁。
ミニスカサンタコスをしている部長。
これは絶対仁の趣味に違いない。
笑顔の二人……俺は今このオカ研に入った事が嬉しくて仕方なかった。
俺はこれからもこの二人と一緒に過ごしたい。
来年もきっと二人と俺は。
「部長!!仁!!」
「おっ!?なんだいきなり輝也!?」
「なにかあったのか!?輝也!?」
「いや……二人とも!!これからもよろしくな!!」
俺達はノンアルシャンパンをグラスに注ぐ。
「「Merry Christmas!!」」
◇
◇
◇
今年のオカ研いかがでしたか?
来年も更なる恐怖を…お届けします。
お読みくださりありがとうございました。




