オカ研夏合宿その十。
仁の場合。
僕達は今部長の後を追っていた。
今涼子さんは心細くている事だろう。
僕はそう考えると無性に腹が立ってくる。
僕の静かにたぎる怒りを輝也は察したのだろう、声をかけてくる。
「仁…:大丈夫か!?」
「えっ!?あ、ああ………大丈夫……僕はあの時この身をかけて部長を守ろうと思ってたのにかなわなかったんだ…そんな自分が許せなくてさ……。」
「仁…………」
輝也は僕の話をただ聞いていてくれる。
「さあ……僕一人では部長を助けるのも難しいかもしれないからさ……頼むよ輝也!お前の力も貸してほしいんだ。」
すると僕の肩をポンっと手を叩いてくれる輝也。
「ああ……もちろんだ!!行こう!!」
◇
僕達の進んだ先に徐々に見えてきたのは暗い中の僅かな光だった。
そこは洞窟内。
部長が連れ去られた後を追って先を目指した僕達。
僕達の視線の先の光を辿ると上に光が見える。
「輝也…………あそこ。」
「ああ……何処に繋がってるのか分からないけどきっとあの先に何かあるのかもな。」
俺達は光の後を追う。
視界に光が多く感じてくる。
「仁!?このまま行った先に光が……出口なのかもしんねーぞ?」
「ああ!!このままいこう!!」
そして俺達は外に出ていた。
そこはなんと崖の上にだった。
寂しげな場所。
辺りには風が吹き崖は断崖絶壁。
真下には波が打ちつけられここから落ちたら一巻の終わり。
そんな寂しい場所だった。
「ここはなんだ!?」
「すげえ崖だな………」
俺達の言葉にどこからか声が聞こえてくる。
『うらめしい。』
俺達は背後を振り返るがそこには誰もいなかったんだ。
「誰だ!?」
「この声って。」
俺達の耳には確かに聞こえた声。
そして悪寒を感じたのはここがどんな場所なのかを連想される。
『生ある者………が……………うらめしい。』
「誰なんだ!?」
「あんたは一体!?」
すると。
「仁………あれ。」
「えっ!?」
今は闇夜。
暗く月明かりだけが俺達の光となりこの場所を照らしている。
そこへ。
ぽーーーーーっと目に映ってきたものは。
なんと、頭から血を流し肌は真っ白く目がまるで僕達に訴えてくる様な眼差しの女性の姿が。
「うっ!?」
「輝也……こいつは。」
「ああ……やっぱり……そうらしいな……きっとこの崖から飛び降りたであろう……この女性の『霊』なのかもな。」
酷く冷静に語った輝也。
その時。
「きゃあああーーーーーーーーーーーっ!?」
これまでで一番の近い大声をあげた女性の声。
「あれは!?」
「部長の声だ!?」
僕達は部長の声に先を急いだんだ。
◇
◇
◇
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