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黒の怪奇譚  作者: 黒羽冥


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オカ研夏合宿その九。

部長藤野涼子


私が気がつくと何処かの洞穴の中だった。

その洞窟内はひんやりとしていた。

寒さとも取れるこの空気。

すると私は口に違和感を感じる。

口内に多少の苦さを覚える。


「これって!?もしかして睡眠薬?」


私はまず動けるかを確認する。

薄暗い洞窟内。

耳にはぴちゃりぴちゃりと水が落ちる音……そしてどこからか海の波の音も聞こえてくる気がする。

私は目が慣れていき辺りに目を向けていくと寝かされていた場所はこの洞窟内でも高い場所にあるのだろうか多少奥の方は下っているように見える。

とはいえ……私の前の方には格子が立てられておりここから簡単に逃げ出せる様にはなってはいなかったの。


「ここは……どこなんだ?」


私がそう呟くと誰かの足音が聞こえてくる。

カツンカツンとこの場所に向かってくる足音。

足音の主を想像するだけでやたらと恐怖感が湧いてくる。

仁か輝也の足音ならば助かるんだけど。

このまま気絶した振りをしていた方がいいのだろうか?

そう思いやり過ごそうかと考える。

だがそんなに現実は甘くなかった。

足音の主は私に近づくように格子まできて立ち止まる。

そしてこの格子の鍵をガチャリと開ける。


『くくく……村長はこの女を『海神』様の生贄にすると言っていたがそんな事はもったいねえ……俺様が十分に味見して楽しんでからでいいだろ?』


私はそのセリフに身体がこわばり恐怖に身体が震えてくる。


『俺が味見した所でこの女はここから一生出れねえんだ……何も変わらねえよなあ。』


男のその気持ち悪いセリフに私は恐怖しか感じられなかった。

じわじわと私に迫りつつある男。

もうダメなのか!?

私……せっかく恋愛というものが出来始めたというのに。

仁……。

そう涙がこぼれかけたその時。

バキバキっと奥の方からなにかの激しい音が聞こえてきた。


「なんだ!?」


男は振り返りそちらを見ている。

そして再び、しんっと洞窟内は再び静まり返る。


「気のせいか……この行為がバレでもしたら俺までこの海鳴き村の呪いに殺されちまうからな…今のは気のせいだろ?村長達はもう今日はここには戻っては来ねえだろうしな。」


そう言った男の言葉に私は僅かな情報を得ていたの。

だけど男はニヤリと微笑み再び私に手を伸ばそうとしてくる。

薄暗いこの洞窟内で私は。

再び恐怖に晒されてしまっていたの。


その時。


「うぎゃあああああーーーーーーーーーーーーっ??」


っと誰かの叫び声が聞こえてきたのです。

お読みくださりありがとうございました。




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― 新着の感想 ―
睡眠薬だけでも怖いのに、部長……。泣 男はもう失うものがないのでしょうけれど、だからって酷すぎます。仁君たちがどうか間に合いますように!
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