オカ研夏合宿その八。
俺、輝也は必死にドアを開けようともがく。
だけど…その扉の錠は簡単には開かなかった。
すると中から声が聞こえてくる。
「くっ!?僕はどうなってもいいから涼子さんを離せよ!?」
仁のその声。
「仁!?大丈夫か!?」
どんどんっと戸を叩き俺は中の仁に叫びうったえる。
「輝也!?輝也なのか!?」
「ああ!!扉が開かないんだ!!一気に突っ込むぞ!?」
「うん!?頼む!!涼子さんが!!」
「よし!!行くぞーーーーーーーーーー!!」
ドンッと体当たりするも一度で開くはずがなく俺の身体は跳ね返される。
「くっ!?じゃあまただ!!」
俺は更に助走をつけ一気に体当たりを試みる。
「うりゃーーーーーーーーーーーーっ!!」
ドンッとぶつかるもまだ扉は開かなかった。
だけど少しずれてきたように見える。
「よし!!これで決めてやる!!!」
俺は叫ぶと最後の一撃の助走をとる。
そして。
だっと地を蹴り一気に加速する。
「うおおおおおーーーーーーーーーーっ!!」
その時。
「な!?お前達!?がああっ!!」
中から仁の悲痛な叫び声が聞こえる。
「な!?だあああーーーーーーーーっ!?」
どがっと激しい音を立て俺の身体は部屋の中へと転がっていく。
するとそこには後ろ手を縛られ頭から血を流し倒れていた仁の姿があったんだ。
「仁!?大丈夫か!?」
俺は仁を抱き起こしそう声をかける。
すると仁が力なく声を上げる。
「て……るや……りょ…りょうこ………さんが。」
そういいながら、仁が指を指す。
そこにはぽっかりと開いた地下への階段が見えたんだ。
「この奥に部長が連れていかれたんだな!?」
俺がそう問いかけると仁はゆっくりと頷く。
「大丈夫か仁!?」
「りょ……うこさん…を。」
「仁!?俺に任せてお前は……」
俺がそういうと仁はハッと我にかえり起き上がろうとする。
「うっ……」
頭の痛みだろう仁は苦痛の表情を浮かべる。
「仁!?」
「はあはあ……だ、だい……じょうぶ、涼子さんを!!あああああっ!?」
全身に力を込め仁は身体を一気に起こす。
「仁!?」
すると仁は頭をおさえる。
「無理するな!!部長は俺が……」
すると。
「ダメだよ……僕は輝也にだって部長は渡さないんだ……僕は……部長……涼子さんが好きなんだ…僕が涼子さんを守るんだ。」
そういい立ち上がる仁。
すると仁はボロボロになった上着を破り始める。
「どうした仁!?」
するとテキパキと自分の上着の一部を剥ぎ取ると自分の頭にまく。
「おお……仁……お前すげえや。」
「当たり前だろ輝也!!僕たちの部長を守るにはこんな怪我……僕達は三人揃ってオカ研なんだぞ!!」
「ああ…そうだな。」
そして俺たちは部長が連れていかれたという階段を降りていったんだ。
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