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黒の怪奇譚  作者: 黒羽冥


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オカ研夏合宿その七。

その時。

俺……輝也は二人が消えていった大穴を見ていた。

中は真っ暗で奥が全く見えない状況。

二人の安否は確実に分からなくなっていたんだ。

岡崎先生にも連絡をしたが先程電波が途絶え通話もできず、かろうじてメールを送れたか確認できずにいた。


「部長も仁も中に……これはやっぱり中に入って見るしかないか。」


俺はそう考える。

だけど迷ってる暇は確かになかった。


「よし!!」


俺は近くにあった石を拾うと地面に矢印と自分の名を残す。


「さあいくか。」


俺は、ぐっと気持ちを整えると。

一気に大穴に飛び込んだ。

中は真っ暗、どこまでも深いこの大穴は一体どこまで続いてるのだろう。

俺の落ちている時間はそんな長く感じたんだ。


「くっ!あああああーーーーーーーーーっ。」


すると着地点なのか俺の身体が大穴から飛び出していく。


「おおっ!?」


一瞬ふわりと身体が宙に投げ出されると。

ドサッと落ちる俺の身体。


「うっ……いつつ。」


俺は腰を抑えながら辺りに目を向けていく。

そこは寂れた村の中だった。


「なんだここは……そうか……ここは部長達も話していた海鳴き村か。」


今現在の時刻は夜二十時。

当然のように周囲は暗く薄気味悪い状態だ。

動くと汗ばんできそうでジトジトしてきそうな空気だ。

俺は唾を飲み込むと意を決し行動する事にする。

まずはこの村を歩いて様子を見てみる。


「村も灯りがついてる家とそうでなく静かに真っ暗に佇んでいる家がまだらに建っていたんだ。」


家の中の様子を見る事にしたいがそれはさすがに不審者のやる事だ。

とりあえず村全体の様子を歩き見ようと考える。

家々に聞き耳を立てながら歩いていくと先の方に集会所のような他の家とは一回り大きな建物を見つける。


「あれは……?」


俺はそう言いながら建物に近づいていく。

建物に近づいていくと妙な違和感を感じる。


「ん!?あれって鉄格子……なのか?」


近づき見ると窓につけられた鉄格子。

なぜこんな作りが建物に取り付けられているのだろうか。

俺に妙な違和感を感じる。

そしてそのまま玄関の方に歩いていくと。

中から誰かの声が聞こえる。


『こっちは男だがこっちはいい女じゃねえか。』

『ふふ……どこぞの若者か知らんがこの村に来てしまった事がこやつらにとって運の尽きというものだのお。』


俺は焦る。

やばい!!

このままでは二人が危ない!!!

俺は玄関口のドアを開けようとすると。

なんと玄関が開かない!!???

やばい!!これは本当にやばい!!!!!

俺は玄関を開ける為に、もがいたんだ。

お読み下さりありがとうございました。


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― 新着の感想 ―
ひぇぇ。恐ろしい風習が残る村だと解りながら、暗いなか二人を捜索する輝也君。想像するだけでも怖いです。 そして、どうやら目ぼしい場所を見付けられたようですね。でも明らかに二人のピンチ!玄関がないのにどう…
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