雨の季節の。その九。
「ストーーーーーーーップ!!」
俺達を呼び止める声が聞こえる。
すると。
背後を振り返る俺達の前には部長の知り合いの霊媒師…寺井御角が立っていたんだ。
「御角さん!?」
部長のその声。
「ふぅ……とりあえず君たちがその奥まで行かなくて良かったよ。」
「えっ!?どういう事ですか!?」
すると御角が口を開く。
「実はね…僕はとある場所に行っていたんだ…それはあの取り憑かれたと言っていた女生徒の元だよ。」
「あの女生徒の所ですか?」
「ああ…彼女の元へ行った理由は…あの…ゲスい霊を調べようとね…それであの霊の念を知る事ができたよ…そして……ん??」
その瞬間…辺りに嫌な気配を感じる。
「こ……これは!?」
「部長……何がくるのか分かりません…気をつけましょう。」
部長にも仁にも何かを感じたらしい。
その時。
俺の頬に何かを感じる。
「いてっ!?なんだ??」
俺が頬に手を添えるとぬるりと何かに触れた感触。
それは俺の頬が何かに斬られ血を流していたんだ。
「輝也!?」
「大丈夫か!?」
二人が俺を気遣うのだが……何かの気配をやはり感じる。
真っ暗な建物内……灯りは懐中電灯のみで薄暗い。
すると部屋の奥から何かが聞こえてくる。
ひたひたと何者かの足音。
そして、ジュルジュルと聞こえてくる音。
背筋も凍るその音に俺は目を凝らし見る。
そこには……背を向けこちらに顔を向けながら 何かの肉を喰らいみる男だったんだ。
「鬼!!???」
「こんな所に鬼だって!?」
部長と仁はそう叫ぶ。
「この骨は鬼の仕業!?」
すると寺井が口を開く。
「ああ…だけどね…僕が調べた所…この鬼はここから出れない……地縛鬼…ここに連れてこられた人間を食ってただけらしい……」
「それって!?」
そして寺井は告げる。
「そうなんだ……これはここに死んだ遺体…それと何かにより使い古され捨てられにくる場所……こういった場所は秘密裏に存在してるのだ…そしてここから僕は今回の奴の何かを感じたのだ。」
「なにっ!?」
「まさか……女生徒も!?」
すると寺井は首を横に振る。
「今回の彼女らは何とか助かってます…だけど…奴は…これまで人には言えない程の事をここで繰り広げてきていたらしいのです。」
「それはここに無数に転がる遺体の骨が答えという事なのだろうか!?」
「ああ…そういう事だよ…僕は他の事件からの観点からも今回の事件と照らし合わせ調べるとやはりコイツに辿り着いたのです。」
「御角さん…あの紫陽花寺の何かとは関係があるのでしょうか!?」
「ええ……きっとこの鬼と紫陽花寺の僧侶との関連はなにかあるみたいですね。」
その時。
俺達の身体はキーーーーーーーーーーーーんっと耳鳴りがしてくる。
「なにっ!?」
「なんだと!?」
すると聞こえてくる恐ろしい声。
「ふふ……ふふふふふふ。」
声と共に、スーッとそこへ姿を現したのは。
そう……あの寺の先代の悪鬼の姿だったのだ。
「あ……紫陽花寺の……」
「鬼だ!!???」
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