雨の季節の。その八。
俺達は廃ビルの中へと入っていく。
ここは以前……大きな会社に使われていたらしい。
噂では会社の社長が不景気の煽りで倒産し、この建物の一室で首を吊っていたらしい。
それから誰も立ち入らなくなったこの廃ビルは殺人事件や入った者が大ケガするなど悪評が絶えない心霊スポットへと変わっていたのだ。
「寄りによってこことは……。」
「部長もここの話は聞いた事あるんですか!?」
「ああ…ここは潰れてから呪いがかかったかのような恐るべき場所…今でも有名な心スポになっているみたいだな。」
「でも…こんな場所に行ってくれないか!?なんてあの霊媒師は何を考えているのか。」
俺達がそんな会話をしながら歩いていると。
「しっ!?」
突然部長が静かにそういい俺達の言葉を制止する。
すると…聞こえてくる何かの声。
俺の耳にもボソボソとしか聞こえてこないその声。
だがこの声は低音。
男の声であろう。
俺達は立ち止まり男の声に聞き耳を立てる。
すると部屋の奥の方から聞こえてきた。
『はあはあっ…ふへへへへへへ。』
それは興奮した男の声から始まった。
男の声は興奮したものであり対する存在は女の子だろうか。
『い、いや…………………。』
『げへへへ……やーっぱり女の子はいいねええ。』
『やめて……やめて……ください!!』
『ククク……その汗と香水の匂い……と、可愛い顔が…恐怖に歪んだ顔……はあはあ。』
下卑た男のその言葉。
その言葉に嫌悪感を感じる。
そんな声を聞いていたのだが。
「くっ!?いくか!?」
「部長!?部長はここに……ってあれ!?」
「仁!どうした!?」
「輝也がいない!?」
「なんだと!?」
◇
俺は走っていた。
あの恐ろしいゲス野郎の言葉と声。
男に近づいていく。
真っ暗な建物内で奴の声を辿る俺。
『どこだ!?やつはどこにいる!?』
俺は立ち止まる。
急激にシンっと音が聞こえなくなる。
「ん!?どこにいった!?」
すると…どこからか男の声が聞こえる。
『これからって時に邪魔しに……きやがって……くそっ!?』
俺がそちらに目を向けると。
だっと誰かが走る音。
「待てっ!?」
俺は捕まえようと男に触れようとした時。
「きゃっ!?」
女子が床にでも叩きつけられたのか…音と気配を感じる。
俺は女子の声に走りよる。
「大丈夫か!?」
「はい……ありがとう……ござい……ます。」
女子は俺の腕に抱かれると安心したのかふっと気を失ったんだ。
すると聞こえてきたのは部長と仁の声。
「輝也ーーーーーーーーーーっ!?」
「輝也!?大丈夫か!?」
「二人とも、この子は大丈夫みたいだ…ただ…あの逃げた奴……あいつ……あれに憑かれているっぽいですね。」
「まじか…………」
「輝也も……まさか……」
「ん!?」
すると部長が口を開く。
「我々はどうやら少しずつ…『霊感』ってのを力つけてきたみたいだな。」
「霊………?」
「感………?」
「ああ……私も以前より霊も見えるようになってきたしな……」
すると仁も。
「確かに僕も霊の声が前より聞こえる気がしますね。」
二人はそう言い切る。
そして。
「そう言われたら…さっき、やつが逃げる時やつに触れた感触を感じたんですけど……これも霊感の一種なんですかね!?」
そう考えると俺達は霊感というものをこれまでの行動でつけてきたらしい。
「さあ……でもこの女子をまずは病院だな…岡崎頼む…」
「お嬢様、おまかせを。」
そう……この時、また…ここの上の階から何かが感じたのだ。
俺達は岡崎先生に彼女を任せる。
「上だないくか!?」
「「はい!!」」
◇
◇
◇
上の階を目指す俺達。
階段まで辿りつき…真っ暗な建物内を一歩一歩進む。
生暖かい風…時折ひんやりとさーっと風が吹く。
「何か気持ち悪い雰囲気ですね!?」
「確かに上から感じる空気に嫌な気配がする。」
「ああ……だけど…この上は。」
「「!!???」」
俺達が登りきった上の階でこの目に映ったのは。
その床一面にバラバラに転がっていた。
骨の畑であった。
俺達はその光景に時が止まったんだ。
◇
◇
◇
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