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黒の怪奇譚  作者: 黒羽冥


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雨の季節の。その七。

「キャーーーーーーーーーーーーーーッ!!」


その時。


部長の平手は男の頬をパチンっと音を鳴らし弾いた。


「いってえ。」


男は頬を抑えながらニヤニヤしていたのだ。


「誰だーーーーーーーーーー!?」


仁の大声。

すると男は立ち上がる。

眼鏡と襟元を直しながら立ち上がるその男。

すると部長が驚きの表情で声を上げる。


「えっ!?えっ!?えーーーーーーーっ!?」

「ふぅ…まさかあの時桜の下で出会った少女が今回の依頼主だったとはな。」


椅子に腰掛け落ち着いた様子でそう話したのはなんと今回部長が依頼した霊媒師だったんだ。

以前出会った事があったというこの二人。

この界隈。

つまり霊媒師の世界では多少名が知られている男だという。

「コホン……『寺井御角てらいみかど』様……少々取り乱しましたが…来てくださってありがとうございます。」


部長が顔を赤らめながらそう切り返した。


「いいよ〜僕はこう見えて結構忙しいのだけど……今回の依頼人があの涼子ちゃんだったなんてね…それでここに来る事を決めたって事さ。」

「御角様……そ、そうだったのですね…ありがとうございます…それで今回の話なのですがちょっと緊急を要してまして。」

「では…私がこれまでの話をいたしましょう。」


部長の言葉に続き岡崎先生が口を開く。

岡崎先生はこれまでの話を寺井という霊媒師に一部始終話す。

霊媒師寺井さんはじっとその話を聴く。

すると目を閉じ何かを考え始める。

そしてそれは一時の時間を使ったのだ。

御角は突然立ち上がる。


『これは。』


御角のその声。

すると彼は急ぎ足で部室を飛び出す。

俺達は彼の後を追いかける。

学校を飛び出す御角。

その背後を追う俺達『オカ研』そして岡崎先生も一緒だ。

こんなに急ぐという事は今回のなにかの事件が起こったという事なんのだろうか。

俺達にそんな考えが湧くが今は彼の後を追う事しか出来なかった。


その時。


「岡崎!!この方向は例の彼女の運ばれた病院方向か!?」

「そのようですね…寺井様がそこに何かを感じたのかもしれませんね。」


倒れていた彼女から何かを感じたのか霊媒師は確かに病院に向かい走り続ける。


「寺井さん!?行き先は病院でいいんですね!?」


部長は走りながらも彼に問いかける。


「ああ…涼子ちゃん……すまないが…その彼女の元へ今向かってるんだけど…ちょっと頼み事があるんだけどいいかい?」

「分かりました。」


部長は寺井さんの話を聞く。

そして霊媒師御角は再び病院へと走り出す。


「では涼子ちゃん頼んだよ。」


そう言い残して。


「よし!では我々オカ研は街へと向かうぞ!?」

「「はい!!」」


俺と仁は返事をすると部長の後を追う。


「行く先は『浅葱ビル』という今はもう使われていない廃ビルだ…そこに、もしかしたらなにかの痕跡があるかもしれないという話だったのだ。行くぞ!!」


こうして俺達は廃ビルを目指したんだ。

俺達は寺井さんの言っていた廃ビルの前に立ち尽くしていた。


「これは。」

「いつもの部活活動以上の怖さ…ありますね。」

「二人とも……ここからは本当に危険があるかもしれん…帰るなら今のうちだぞ!?」


部長が口にしたその言葉はいつもの部長の発言とは違った言葉だった。

確かに今回はいつも以上の何かを感じてしまう。

だけど俺達はこれまでもかなりの恐怖を克服してきたんだ。

きっと。

すると仁が口を開く。


「部長…僕達は部長とどこまでもですよ。」


仁のその言葉に部長は何かを感じたのだろう。


「仁。」


そして俺もまた。


「部長!?これまでも色んな事あったんです…オカ研入って俺も恐怖には強くなったし鍛えられたから大丈夫!」

「輝也も。」


そして仁は先頭に立つ。


「さあ、僕達三人はオカ研です!僕達は前後で部長も守るから部長はいつものように冷静な判断を頼みますね。」


おおっ。

仁がなんかかっこよくなってる!!

俺はそんな事を考えていた。

そして部長の声がかかる。


「二人とも…いくぞ。」

「「はい!!」」

こうして俺達は廃ビルへと足を進めたんだ。

お読み下さりありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] お。やっぱり霊媒師さんでしたか。 でもあんなことされたり部長が赤面しちゃったら、仁君は妬いちゃいますね。(*´艸`) それにしても、いつもなら連れ回す部長が止めるだなんて……。 普段よりも…
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