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黒の怪奇譚  作者: 黒羽冥


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雨の季節の。その三。

俺達は二人目の犠牲者が出た事で、あの紫陽花寺へ出向く事になったんだ。


そして俺達は帰る事に。

俺は傘を忘れたのだが、なんと仁が快く傘を貸してくれる。

すると仁は部長の傘に入れてもらっていたんだ。


「はあ……まあいいか。」


いつもの事だと俺は思ったくらいでいたんだ。

こうして俺達は紫陽花寺へと向かう。


「部長…ちなみに今回の寺にはなにか怪奇的な話はないんですか?」

「おお、輝也…やはり気になったか」

「ええまあ。」


すると二人は立ち止まり、部長は話し始めたんだ。

あの寺が存在するのは、かれこれ300年近く前の話。

時は江戸時代といったところか。

この寺には一人の僧侶が住んでいた。

寺の僧侶は人当たりがよく、あたりの人からは慕われ有名な僧侶だったらしい。

そんな寺は常に人が集まり素晴らしいと言われるお寺だった。

誰もがこの僧侶の事を人格者として捉えておりまさか。

この僧侶。

ずっと一人者でいていい人ではあるのだがいい人すぎて中々嫁を貰う事が出来ずにいた。

そんな時。

季節は雨の多い梅雨時期に入っていた。

とある雨の日。

僧侶の前に姿を見せたのは一人の女子だった。

女子は年齢は十代くらいだろうか。

大人になる前くらいの女子。

いえば現在の私くらいの女子だな。

彼女は番傘、そう、傘をさし寺の前に佇んでいた。

僧侶は女子に声をかける。


「何かありましたか!?」

「あ!?お花。」


よく見るとそこには一つの綺麗な花が咲いていた。

それは紫陽花。

この時期綺麗に咲く花。

僧侶もいつしか咲いていたこの花に目を向けてはいなかった。

だがここで彼女から教えられた事で素直に彼女の話に興味を持つ僧侶。


彼女の名は「むらさき」。


幼き頃から身体が弱く時折こうして散歩するくらいだそうだ。

そしてここでこの紫陽花を見つけ、時折来ていたらしい。


「むらさき」と会話をする僧侶。

この関係はしばらく続いたらしい。

彼女の楽しそうに話してくれる姿に僧侶は徐々に彼女に惹かれていったのだ。


すると。


「むらさきさん、今日はお寺でお茶でものんでいきませんか?」

「えっ!?でも私。」

「ああ…病気の事ですか!?」

「はい。」


むらさきは悲しげに俯く。


「大丈夫大丈夫!ささ…美味しいお菓子が手に入ったんです!ダメになる前に食べて欲しいんです…ささ。」


こうして女子を無理やり寺に連れて行った。

むらさきが寺の中に連れられていく。

そして椅子へとかけさせてもらいお茶と茶菓子を待たされるむらさき。

ふと……壁を見るとそこには僧侶が描いたのであろう一枚の絵が飾られていた。


(あれは……私!?)


そう、僧侶は私に何らかの感情を抱いていて、そして私を。

すると僧侶は入ってきた。


(なにかこわい……ご馳走になったらすぐに帰ろう。)


そう思いむらさきはお茶をご馳走になる。


「じゃ、じゃあ、今日はありがとうございました。」

「まあ!待ってくださいよ、もう少しだけお話ししましょう!?」


僧侶はそういいむらさきを待たせる。

するとむらさきは。

気がついたむらさきは。

全てをさらけ出したむらさき。

目の前には狂い…狂気の鬼と化した僧侶。

そして。


「きゃーーーーーーーーーーーーー!?!!」


僧侶の自分の想いと猟奇的思考によりいつしかむらさきは……。

その幼き頃からの病もあり。

生命が潰えた。

そして骨は紫陽花の根元に散骨されたという。

それからいつしか僧侶は狂い死んだらしい。

そして紫陽花の前では何かが見えるようになったという。

「まあそれからはずっと供養されてきたとは言うが。」


部長のその声で俺達は現実に引き戻される。


「さあ、ついたぞ。」


俺達の前には紫陽花が綺麗に咲いていたんだ。

お読み下さりありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 頑張って生きている人だったのに。楽しみだけじゃなくて命まで摘むなんて酷いです。 しかも自分の絵が飾られているなんて怖すぎます(((;゜Д゜))) そこで気になるのが手形です。女の人ばかり…
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