秋の章ーその陸ー
勘兵衛の最後の力でこの熊は仕留められた。
だがこの災害級の獣害事件は伝説ともなった。
◇
◇
◇
『今話したのがこの地で昔、実際にあった熊害事件なの。』
僕達の前でそう語った部長。
『血の間色村実際は地真村という名前で今はもう存在しない村なの……それが今私達がいるこの建物がある場所なの……そしてこの建物が建てられた場所がはるか昔………熊害事件があった場所……でもほら見て……』
部長が指さすと建物内の壁には確かに当時の様子を再現したかのような写真が飾られていた。
『へえ……怖いですね………実際こんな事が昔あっただなんて………………。』
そう言ったのは今回の参加者の俺に着いてきた彼女の『凛子』だった。
『玲子さん………それで今回はどんな調査をするんですか?』
俺の問いかけに玲子さんは口を開く。
『そうね……まずこの建物の隣にある過去の被害にあった古民家というか建物があるでしょう?そこで皆で泊まろうかと考えてるの。』
『なるほど…………でも実際はもう熊なんてここに出ないんですか?』
『そうね……もうアレから随分時は経っているし、しばらくそんな話はないらしいわね。』
『そうなんですね………でも何かあったらここに逃げ込んで来ればいいですしね!』
俺がそういうと凛子が抱きついてくる。
『その時は彰人くんが私を守ってくれるんでしょ?』
『あはは!当たり前だろ!?』
そう笑いながら言った俺。
だけどこの後…………俺達は恐ろしい熊害事件に巻き込まれるとは………この時はまだ知る由もなかった。
◇
◇
◇
俺達は外の古民家を借り………そこに泊まる事に。
古民家は流石に昔の物とは違い……ある程度修善と寒さも凌げるようになっているようだ。
囲炉裏もあり………そこで料理をし、食事をとった俺達。
カレーくらいならば火があれば作れたのだった。
『彰人くん美味しいね?』
『そうだな?たまにはこういうのもいいかもな。』
『うんうん!』
凛子も滅多にできないこんな体験も楽しそうだった。
すると目の前の部長……玲子さんは悩み顔をしていた。
『玲子さん!?どうかしましたか?』
『ああ……いや…………さっき街までちょっとした買い物に行った奴らが帰りが遅いなと思ってな。』
『ああ…そういえば…もう車で行きましたけれど二時間は経ちましたよね?』
『そうなんだ……よ。』
すると……………………………………。
車のライトにこの場が照らされた気がした。
俺達は外へ出ると車から部員である『大樹』君が降りてくる。
その姿は恐怖に青ざめ震えていた。
そして一言呟いた。
『『あやか』ちゃんが…………………熊に。』
『『えっ!!???』』
俺達は固まってしまったんだ。
◇
◇
◇
お読みくださりありがとうございました。




