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第66階層

「ちょっと、やりすぎではないかイース」

「アレぐらいのインパクトは必要でしょう」

「お前、ほんっと、人(女王)の事は言えんぞ」


 朦々と砂煙の立ち込める城門から、数体のゴーレムが現れる。


 城門も古くなっていたしな、リフォームのついでだ。

 ゴーレムならコアだけにしておけば、アイアンドームも関係ない。

 内側で解放してやれば、ほら、この通り。


 ……ゴーレムって危険だな。


 その内の一体にシオンさんが斬りかかる。

 他の騎士達は突然の事で棒立ちだ。

 兄上、まだまだ経験が足りないようですよ。


「コレが終わったら説教しとく」


 シオンさんの戦闘を見て慌てて騎士達もそれに続く。

 と、シオンさんの剣が真っ赤になって炎が揺らめく。

 あれ、兄上が教えたのですか?


「岩ならある程度有効だ、高熱を発する剣なら岩を溶かしながらその奥を狙える」


 ただし、剣の方があまり持たないがな。と言った通り、突き刺したと同時、ポッキリと折れる。


 だが、一体のゴーレムは始末した。

 すぐに予備の剣を近場の騎士から貰い受ける。

 他の騎士達も似たような感じで次々とゴーレムを屠っていく。


「少々、難易度が低すぎましたか……」

「おまえなあ……ま、良いだろう、もう少しぐらい余興があっても」


 そう言うと兄上は、城壁を垂直に駆け降りる。

 着地と同時、一体のゴーレムを真っ二つにした。

 どこの超人だよアレ?


 もう人間を辞めてね?


「お前達、たるんでいるぞ! この程度のゴーレムに何時まで時間を掛けている」

「も、申し訳ございません」

「掛かってこい、本気で稽古をつけてやろう」


 と、ゴーレム戦が終わったと同時、兄上との模擬戦に突入。


 さすがの兄上でも8対1は厳しかった模様。

 シオンさんの技量も高い。

 というか、この世界の人間、ほんと超人ばかりだな。


 これがモンスター肉の作用なのか。


 最終的には兄上が降参して終わった。

 兄上と言う強大な敵に、何度も向かっていく女性騎士達を見て、周りの人々は心躍らせて見ていた。

 少々、パフォーマンスが効きすぎたような気がしない事も無い。


 まあ、偶にはこういった娯楽があっても良いじゃないか。


「いや、意味が分からんわ、あそこの騎士団。毎日、あんな事をやっているのか?」

「俺、あの人の騎士団に入るか迷ったんだよな……入らなくて正解だった」

「あそこは特殊な奴らしか続かないと言うしな」


 ……一部の人には畏怖を与えた様だが。


 とりあえず、パレードと城門前のパフォーマンスは大盛況で終わった。

 それから暫くの間は、桜花騎士団に入りたいと言う人が殺到して来た。

 しかも、カーラード王国だけじゃない、他国の貴族はおろか、お姫様まで立候補があった。


 いや、意味が分からないよ?


 えっ、シオンさんも他国のお姫様だったじゃないかって?

 いやあ……アレは例外と言うか……

 そしてさらに、ここにも約1名……


「私も桜花騎士団に入りたい!」


 いや、あんた皇子様だろ? 男性は入れませんよ?


「戦う女性を見て感動した!」


 だから?

 あそこは女性専用の騎士団ですからね。

 女性騎士団の中に一人だけ男性が入る、と言うのはファンタジーだから成り立つのであって、現実では問題だらけですよ?


「気にしないでください。ちょっとした病気でしょう」


 等と、主治医の方がおっしゃる。

 うん、主治医が病気だと言うのなら、きっとそうなんだろう。

 とりあえず、無視しとくか。


「しかし、思った以上に反響が大きかったな。俺の騎士団にも少数だが希望者が来ているぞ」


 もうこれ以上、M属性のマッチョを増やさないでください。

 今回は少々やりすぎた。

 と言うより、兄上が最後に出しゃばらなければ良かったのでは?


「お前が行けって言ったんだろう」


 そんな事を言ったっけかなあ……

 ところで皇子様、そんな恰好してどこに行かれるので?

 何やらスポーツウェアを来た皇子様が部屋の外に出て行こうとする。


「トレーニングルームだよ」


 本気で騎士団に入られるおつもり?

 コイツ、女王様に飽き足らず、騎士団ハーレムでも目指しているのだろうか?


◇◆◇◆◇◆◇◆


「父さん、どうしてトレーニングルームに居るんだよ」


 トレーニングルームに行くと、せっせせっせと汗をかいていた父さんを見つけた。

 なので、トレーニングが終わって部屋を出た隙に追いかけて事情を聴く。

 確か、母さんに怒られて冒険者は諦めたはず。


「それがだなあ……ほら、例のパレードにやって来た王侯貴族にダンジョン産の小麦を振る舞っただろ」


 その所為で、小麦が足りなくなって、一時的に研究がストップしたらしい。


「で、ダンジョン産の小麦を食べなくなった途端、元のババアに戻ってな」


 そこですかさず、俺は美しいお前を取り戻したい、などと言って許可をもぎ取って来たらしい。

 むぐぐぐ……よし、さっきババアって言ってたのをチクってやる!

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