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449話 第三者の介入

「解呪できたの?」

「えっと……」


 始祖竜は、たらりと汗を流した。

 そして、ユスティーナから逃げるように目を逸らす。


 うん。

 今の反応でわかった。


「失敗したんですね?」

「うぐ」

「え、そうなの? なんか、解呪も簡単にできるとか言っていたのに?」

「ぐはっ!?」


 ユスティーナ、追い打ちはやめてあげて。

 無自覚なんだろうけど、なんか、かわいそうだからやめてあげて。


 とはいえ、問い詰めないわけにはいかない。


「どういうことですか?」

「うーん……ちょっとまって。今、調べるから」


 始祖竜はちょっと焦った様子で、なにやら目を閉じて考え始めた。

 魔法の構造式とか、そんなものを思い描いているんだと思う。


 ややあって、目を開くと怪訝そうな表情に。


「なにこれ? こんなものは……」

「なにかわかったんですか?」

「これ……二重に呪いをかけられているかも」

「え?」


 二重?


 ということは……

 始祖竜以外に、ユスティーナに呪いをかけている者が?


「ちょっと調べさせてね」

「え? え? あ、ちょっと……あひゃ、あふ、ふぁ。そ、そこはくすぐった……ひゃうん」


 戸惑うユスティーナなんて知らないとばかりに、始祖竜は彼女の体をペタペタと触る。


 くすぐったいらしく、最初は笑っていたのだけど……

 次第に頬を赤らめて、吐息が湿ってきた。


 なんていうか、こう……


「はぁ、はぁ、はぁ……」

「うん、オッケー。わかったよ。って……なんで君が顔を赤くしているの?」

「……いえ、なんでも」


 あの日の夜を思い出してしまった、なんてことは絶対に言えない。


「どうも、私以外に呪いをかけた者がいるみたいだね」

「「えっ」」

「あうー?」

「そのせいで、妙な具合に絡み合って、簡単に解除できなくなっていたみたい」


 驚きの事実を聞かされて、少しの間、思考がフリーズしてしまう。


 始祖竜だけじゃなくて、他にもユスティーナに呪いをかけた者が……?


「あ……うーん? でもこれ、呪いとか、そういう物騒なものじゃないなー」

「「え?」」

「なんだろ? えっと……」


 始祖竜は、じっとユスティーナの体を見つめて……

 ややあって、小首を傾げる。


「対象の状態を観察する……というか、覗き見するような魔法、かな?」

「「……」」

「完璧に把握できるわけじゃないけど、だいたいの居場所とか、そういうのがわかるみたい。それを術者に送る……そんな魔法。なんだろ、これ?」

「「……」」

「こんな魔法を使う者に心当たりは?」

「「あります」」


 俺とユスティーナは声を揃えて言う。


 あの人か。

 それともあの人か。

 もしくは、親子揃っての行動か。


 どちらにしても、犯人の見当はついた。


「ふ……うふふ」


 ユスティーナがにっこりと笑う。

 ただ、目は笑っていない。


 その凄絶な笑みを見て、メルクリアがビクンと震えて、俺の後ろに回る。


「パパ……ママが怖い」

「あー……仕方ないよ」

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◆◇◆ お知らせ ◆◇◆
別の新作を書いてみました。
【堕ちた聖女は復讐の刃を胸に抱く】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。

【ネットゲームのオフ会をしたら小学生がやってきた。事案ですか……?】
こちらもよろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
[一言] 駆けつけたあのお方か。
[良い点] うーん、心当たりがあるなあ。 と、いうことは次回は・・。私は後から尋ねるとしよう・・。
[一言] 親バカ親父とシスコン姉、死亡が確定してしまった
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