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442話 おのれ!

「……なん、だと?」


 始祖竜の言葉に真っ先に反応したのは、グレイシアさんだった。


 愕然とした表情を作り。

 唖然とした表情を作り。


 ……やがて、顔色は青から赤へ。

 激怒した様子で、俺を睨みつけてくる。


「貴様ぁああああ!!! 儂のかわいいかわいいユスティーナちゃんに手を出したのか!!!?」

「なんてこと、許せないわ!!! そんなこと絶対に許せない! ユスティーナちゃんの初めては、お姉ちゃんのものなのに!!!」


 ついでとばかりに、フレイシアさんも叫ぶ。

 って、その発言はどうかと……


 ガンッ! ガンッ!


「あらあら。二人共、少し落ち着いてくださいね」


 気がつけば、フライパンを手にしたアルマさんが。

 グレイシアさんとフレイシアさんは、頭にでかいたんこぶを作り、撃沈していた。


 いつの間に……?


「続きをどうぞ」

「えっと……」

「どうぞ」

「……はい」


 有無を言わせない迫力を感じて、ツッコミを控えてしまう。


 始祖竜を除くとしたら……

 地上最強は、アルマさんなのでは?


 そんなことを思う一幕だった。


「……今代の神竜は、なかなかバイオレンスだね」


 始祖竜もちょっと引いていた。


「あらやだ、恥ずかしいですわ」

「ハハハ……」

「それで……ユスティーナちゃんが大人になったことと呪い、どのように関係しているのですか?」


 アルマさんが始祖竜を睨みつけた。


 返事次第では、タダでは済まさない。

 瞳がそう語っていた。

 なんだかんだで、アルマさんは怒っているみたいだ。


「だから、言っただろう? 彼女は、犯してはならない罪を犯した」

「それは……俺とのこと、ですか?」

「うん、そうだよ」


 あっさりと肯定されてしまう。


「竜は人間なんかとは違うよ。尊く、神聖なもの。一緒にいるだけならいいよ? 恋人ごっこをするのも……まあ、それもギリセーフ」

「……っ……」


 ピクリと、ユスティーナの手が動いた。


「でも、子供を作るなんてダメ。絶対にダメ。そんなこと、私は認めないよ」

「それは、どうして?」

「当たり前でしょ? 人間と竜なんて、釣り合わないもん。竜の神聖な血に、人間の血が交じるなんて……ううう、ダメダメ。想像しただけでゾッとするよ」


 始祖竜は自分を抱きしめるようにして、震える素振りをしてみせた。


 つまり……

 こういうことか?


 始祖竜は、竜の神聖性をとても強く重視している。

 そして、人間を下の存在に見ている。


 故に、一緒にいることは許しても、血が混ざることは許さない。

 だから……

 昨夜、一線を超えたことで、ユスティーナは呪いをかけられた。


「……なぜ、呪いなんてものを?」


 怒りで頭が沸騰しそうになるのだけど……

 なんとか我慢して、まずは疑問を解決するべく、質問を続けた。


「その子を殺すのは簡単だよ? でも、それじゃあつまらないよ。自分が犯した罪を感じて、反省するための時間を与えないといけない。そのために、あえて遅効性の呪いにしたんだよね。まあ……」


 始祖竜は、ちらりとメルクリアを見た。

 その冷たい視線に、メルクリアがビクリと震える。


「思っていた以上に長生きして、子供を産んで、その子供が未来からやってくるなんていう展開は、さすがに予想していなかったけど」

「……そうか」

「人間でも理解できた?」

「ああ、よく理解した」


 つまり……


 ユスティーナが苦しんでいるのも。

 メルクリアが苦しんでいるのも。


 なにもかも……

 コイツのせいだ!

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◆◇◆ お知らせ ◆◇◆
別の新作を書いてみました。
【堕ちた聖女は復讐の刃を胸に抱く】
こちらも読んでもらえたら嬉しいです。

【ネットゲームのオフ会をしたら小学生がやってきた。事案ですか……?】
こちらもよろしくお願いします。
― 新着の感想 ―
[一言] この言い回しだと子供産んでも良さそうなの、 世界でたった一人の皇帝である天皇だけなのかな・・・? (天皇が神聖な理由は日本神話をどうぞ)
[良い点] 事態は判明した。 だが、この竜に勝てるのか・・?
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