421話 みんなで一緒に
「アルト君」
放課後。
特に予定はないので、自主訓練をしようと思っていたら、ジニーに声をかけられた。
よく見ると、アレクシアも一緒だ。
「今日はなにか予定ある?」
「いや、特には。強いて言うなら、自主訓練をしようと思っていたところだ」
「それ、絶対?」
「そういうわけじゃないな。なにか用事が?」
「うん。遊びの誘いなんだけど、どうかなー……って」
「私、アルト様と一緒に遊びたいです」
「えっと……」
ちらりとユスティーナを見る。
居眠りをして、未だ寝ているノルンを起こそうとしているが、こちらの話はしっかりと聞いているらしく、チラチラと気にするような視線を送ってきていた。
「ユスティーナとノルンも一緒でいいか?」
「うん、もちろん」
「むしろ、そちらが本命ですからね」
「本命?」
「ふふ、こちらの話です」
ふわりと笑みを浮かべられて、ごまかされてしまう。
なんだろう?
――――――――――
「いい、アレクシア? わかっているわね?」
「はい、もちろんです」
二人の乙女は、密かに作戦を確認する。
ジニーもアレクシアもアルトのことが好きだ。
すでにその好意は伝えている。
しかし、真面目なアルトのことだから、側室に抵抗があるかもしれない。
事実、田舎で育ったアルトは一夫多妻に慣れておらず……
複数の女性と付き合うなんて、と迷いを見せることが多い。
ただ、一夫多妻は悪いことではない。
国に認められた制度だ。
優れた子孫を残すため、家を断絶させないため。
あるいは、多種多様の恋愛を認めるため。
国が公式に認めている。
そういった点を説明していけば、いずれ、アルトは理解してくれるだろう。
問題はユスティーナだ。
彼女は竜なので、人間の作った制度なんて気にしない。
一緒に暮らしているため、突拍子もない行動はしないが……
一夫多妻が認められているから私達も受け入れて? なんて話をしても、ダメと一蹴されてしまうだろう。
基本、恋人は独り占めしたいものだ。
なればこそ、ユスティーナを説得しなければいけない。
正妻なんて望まない。
側室として認めてほしい……と。
「今日こそ」
「認めてもらいます!」
ジニーとアレクシアは、メラメラと恋の炎を燃やしていた。
――――――――――
「今日はどうしようか?」
急に遊ぶことになったので、そちらの予定は真っ白だ。
みんなはどうしたい? と振り返り、問いかける。
「んー、ボクはアルトと一緒ならどこでもいいかな」
「あうあう!」
その言葉を実行するかのように、ユスティーナが右腕に抱きついてきた。
それを見て、ノルンが左腕に抱きつく。
そして、ジニーとアレクシアがジト目に。
なんでだ?
「アルトくん。実はあたしたち、とっておきの場所を知っているの」
「よければ、今日はみなさんでそちらへ……」
「パパッ!」
突然、そんな単語が飛び出してきた。




