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412話 自重しなさい

「……なにをしているんだい、君たちは?」


 翌日。

 事の顛末を話すと、テオドールに呆れられてしまう。


 いや、まあ。

 呆れられて当然のことをしわけだけど。


 ユスティーナのことばかり考えて……

 ノルンのことを放置して……


 それはもう、ノルンも機嫌が悪くなる。怒って当然だ。

 そして俺は、保護者失格だ。


「ノルンに悪いことしちゃった……」


 ユスティーナも反省しているらしく、しょんぼりとしていた。


 同じ竜で、ノルンのお姉さん的ポジション。

 そんな立ち位置で来てたからこそ、罪悪感が強いのだろう。


「その……こんな相談をされても困ると思うが、俺たちは、どうしたらいいと思う?」


 女性の考え、心について一番詳しいのはテオドールだ。

 なので、放課後に教室に残り、彼に相談しているというわけだ。


 ちなみに、ノルンはそっぽを向いて頬を膨らませて、先に帰ってしまった。


「素直に謝罪するのが一番ではないかな?」

「何度も謝ったんだけど……」

「ノルン、怒ったままなんだよね……」


 それだけ不満をためていた、ということだろう。

 重ね重ね、申し訳ないと思う。


「ふむ。力になりたいところだが、彼女は、女性というよりは女の子だからね。僕もわからないところが多い」


 テオドールがそんなことを言うなんて、珍しい。

 同世代のことならわかるが、子供のことは難しい……ということか?


「なので、助っ人を呼ぶことにしよう」

「「助っ人?」」




――――――――――




「こんにちは」


 現れたのはクラリッサ先輩だった。

 テオドールとよりを戻して幸せな日々を過ごしているらしく、前よりも笑顔が輝いているような気がした。


 ちなみに、あの事件の後……

 なんとなく俺たちがやったことに気づいたらしく、お礼を言われた。

 公に認めるわけにはいかないのでとぼけたものの、クラリッサ先輩は俺たちと確信しているようだった。


「助っ人として呼ばれたわ」

「まさか、クラリッサ先輩とは……」

「頼りない?」

「いえ、そんなことは!」


 頼りになると思う。

 まだ知り合って浅いのだけど、年上だからこその頼もしさがある。


「だいたいの話はテオドールから聞いたけど、二人がすることは謝罪じゃないわ」

「え?」


 だとしたら、なにをすれば……?


「ノ……じゃなくて、えっと……妹ちゃん?」


 竜の名前は神聖なもの。

 気軽に呼ぶわけにはいかないと迷い、結局、妹と呼ぶことにしたらしい。


「妹ちゃんは怒ってるには怒っているんだけど、謝ってほしいわけじゃないの」

「ど、どういうことなの……?」

「妹ちゃんは二人に遊んでほしいのよ」

「あ……」


 ユスティーナと揃って、ぽかんとしてしまう。


 そうか、そういうことだったのか。

 ノルンは怒っているだけじゃなくて、寂しがっていたんだ。

 だから、あんなことをして……


 俺たちがするべきことは謝罪だけじゃない。

 ノルンを一人にした分、今度は、たくさんの笑顔で包まないといけないんだ。


「ありがとうございます」


 やるべきことは理解した。

 なら、さっそく行動に移ろう。

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