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Dive in the world   作者: 星長晶人
最終章

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魔神と喧嘩祭二日目

 スレイヤとの死闘を経て、俺は二日目に参戦する。


 初日とは異なり、いきなり俺に襲いかかってくるような連中はいなかった。というよりも俺とスレイヤがいたせいか俺がいる街に人が少なくなっている。まぁ巻き込まれる形でがんがん死にまくるようなことは避けたいだろうからな。


 ということで最初にいた街で遭遇するプレイヤー全員に挑みながら、街の外へと出た。イベント中でなければ見かけるモンスター全てに殴りかかるところだが、今はプレイヤー討伐数が大事だ。移動中のプレイヤーなどを見かけたら積極的に襲う。


 人数差はあれどプレイヤーVSプレイヤーの構図だ。大魔王軍との戦いとはまた異なる様相だが、これもまたいい。どっちにしたって結局は弱肉強食、強いヤツが勝つイベントに他ならない。


 だが宛てもなく彷徨ったところで、未だ一位を独占中の主催者であるリューシンに対抗するのは難しいだろう。あいつのことだ、もし主催者じゃなくても策は練るだろうが、事前に策を練った状態で参戦しているのだから他プレイヤーよりアドバンテージが高い。効率良くポイントを稼げるように策を練った上でやってるはずだ。


 それを超えるには、それに近づくには、一人に対してより多くのポイントが稼げる後半に追い上げを行うか俺も効率良くしなければならない。

 ……つっても俺が効率の良さなんかを考えてもたかが知れてるんだよな。


 俺の頭じゃどうしてもあいつには及ばねぇ。なら前半はがむしゃらにポイント稼いでおいて、後半追い上げるのがいいか。ランキング上位にいれば後半ポイント目当てに襲ってくる連中も増えるだろう。そうなったら返り討ちにしてやればいい。


 ……だが、それぐらいなら普通の人でも思いつく手だな。


 全員で同じように行動した場合、より強い者が勝つ。俺もそれなりにレベルの高い方だとは思っているが、まだまだトッププレイヤーと戦うには足りない部分も多い。昨日戦ったスレイヤなんかもそうだ。特にあの爺さんは今回のイベントで特効とも言える能力を持っている。トッププレイヤーの中でも一歩抜きん出ているだろう。

 その爺さんよりもポイントを稼いでいるリューシンがどんな手を使っているのかは、バカな俺にはわからない。だからといって後半に全てを賭けるのはリスクが高いような気がする。


 ならやっぱ、手当たり次第襲うしかねぇか。


 我ながら実に俺らしい考えだと思うが、かといって闇雲に移動していてもどんどん個人ランキングが落ちていくだけだ。


 ふと空に浮かぶ巨大なウインドウを見上げる。


 個人ランキングの上位陣は昨日とあまり変わっていない。リューシン、スレイヤに続いて大魔王、レフィ、フリード、ネスト、ガイスト、ジンオウ、シュリナ、???(ジン)が十位以内の面子だ。アンチ・ブレイズから二人も上位に食い込んでいるためか、ギルドランキングでも健闘して四位につけていた。一位は最も人数の多い盟約城騎士団。二位は個々の実力はあまり有名ではないが、全体としての動きによってポイントを稼いでいるであろうレギオン。イベント後は減ったとはいえ強力かつ人数も多い大魔王軍が三位だ。人数が少なく、その上二人も抜けているのによく頑張っているな。一位は無理だろうがあいつらなら五位以内を維持するくらいはやってのけそうだ。


 他には個人では奮っていないが盟約城騎士団のマスターを務めるセイアがいい順位に来る可能性がある。ただし、セイアは騎士であるが故に火力があまりないため、殲滅戦には向いていない。逆に一対一の持久戦をする場合は強い。イベントでリューシンに勝つ、と宣言した以上あいつとは戦いたい気持ちもあるが勝つにしても負けるにしても時間を取られること請け合いだ。……こういう機会でもなければ戦ってくれないから戦っておきたいんだが。ただ人数は多いんだよな、あのギルド。


「……よしっ」


 俺は首を捻って考え抜き、今日の予定を決める。


 できるだけ多くのポイントが稼げそう(人が多くいそう)な場所で、かつトップレベルのプレイヤーと戦えそうな場所。

 この二点に合致しそうな場所の心当たりがあった。まずはどれから行くか、という話になるのだが。


「俺はまだ個人順位がトップ(テン)に入れてねぇしな。折角だから一番人数の多そうなところから行くか」


 その場所を思い浮かべ、真っ先に向かう場所を挙げる。

 行ってみないとわからないが、俺の頭で思いつくケースがどれだったとしても面白くなりそうだ。


 俺はにやりとした笑みを浮かべて、翼のある姿へと変化すると目的地へと飛び立った。

 無論、道中のポイント稼ぎも忘れないが。


「待ってろよ」


 これから向かう場所で血湧く戦いが待っているかと思うと、待ち切れない。急いでそちらへ向かうのだった。

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