表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Dive in the world   作者: 星長晶人
第三章 大魔王軍の侵略編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/108

魔神と孤高の魔王

 結局、三人はギルドに入れ、一通り自己紹介も済ませた。


「そう言えば、姉さんが言ってたけど」


 ふと思い出したようにカリンが言う。カレンは少し離れた場所から顔を出している。


「お兄ちゃん達の高校の生徒会とか色々な人がいるけど、クラスメイトはお兄ちゃん、シアスさん、モブと姉さん、委員長さんくらいなんだって」


 リューシンのことをモブと呼ぶとは……わかってるな、カリン。


「でも、一回だけもう一人を見かけたことがあるんだって」


 俺達の他に、もう一人? まあ、プレイヤーは多いし不思議じゃないが、俺も見たことないな。


「姉さんも一度しか見てないから、一回見ただけじゃ見間違いかもって」


 カレンが一度しか見てないクラスメイトで、あまり印象的じゃない、のか? ってか、ウチのクラスにまだ数回しか来てない不登校って言えば、あいつしかいないんだが。


「……まあ、いるってことだけ覚えとくか」


 どうせ、会わない可能性の方が高い。


「おい、ジーク! 大変だ!」


「お前の脳ミソよりか?」


「俺の脳ミソは大変じゃねえよ!」


 建設中のギルドホームの周りで雑談してるところに、リューシンが来た。


「で、何の用だ?」


「セイア達のいるセントラルエリアに大魔王軍が攻めてきた! 手練ればっかで、籠城戦は苦戦を強いられ、ソロプレイヤー達が駆けつけたりしてるが、魔王が二人いてピンチだ!」


「へぇ」


 ま、精々頑張れよ。


「いやいやいや! 俺達もそこに加わんないと、こっちの最重要拠点がやられるんだよ!」


「……ああ、そうだな。だが、スレイヤのじいさんがいれば十分じゃねえの?」


「確かにスレイヤのじいさんは大魔王軍相手に無双してるけどさ、あんな強いんだな、スレイヤのじいさんって。ーーって、そうじゃなくて! セントラルエリアの中心、ギルド本部のあるキャピタルシティを落とされたら、かなり不利な状況から最終決戦に挑まなきゃいけなくなるんだぞ!」


 そうなのか。


「じゃあ、メンバー全員召集しろ」


「っ! おう!」


 リューシンは急いで散らばったメンバーに召集をかける。


 ▼△▼△▼△▼△


「全員集まったな?」


 俺は未来のギルドホームの玄関という少し高い位置に立って言う。


「これから、大魔王軍が攻め込んでいるキャピタルシティに総攻撃をしかける!」


「違うわよ。大魔王軍だけでいいわ」


 俺が言うと、シュリナがそれを止めた。


「……そうだったな。まあ、いいや。これから、大魔王軍を全滅させに行く! 全員で全滅させてやるぞ! 俺達アンチ・ブレイズ総勢十六名、出撃だ!」


「「「おおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」」」


 何人かが雄叫びを上げて、俺達アンチ・ブレイズは出撃した。


 ▼△▼△▼△▼△


「はっはぁ! 死ね死ね死ねぇ! 敵味方関係なく、死ねぇ!」


 セントラルエリアは攻め込まれ、キャピタルシティにまで進軍され、大魔王軍と盟約城騎士団、LORDロード、レギオン、虚夢の宴、昼寝王国、ソロプレイヤー達が入り乱れて乱戦中の中、空から俺は魔神の波動を放って敵味方関係なく吹き飛ばしていく。


「ジーク! 味方まで倒してどうすんだよ!」


「はっはっは! メチャクチャにしてやるぜ!」


 俺はリューシンを無視し、飛行しながら波動を放つ。


 どうやら、行軍中の大魔王軍は先頭に魔王がいるようで、どんどん先に進んでいく。


「……あの野郎はどこだ?」


 俺は先頭の方に向かって飛びつつ、あの野郎を探す。


 仲間達は大魔王軍相手に奮闘してるが、俺はそれどころじゃない。


「……いた!」


 俺は目当ての人物を見つけ、急降下する。


 そこには、魔王二人とセイアとガイアが対峙していた。


「見つけたぞこの野郎!」


 俺はその間に着地する。


「セイア! 何こんなとこまで攻め込まれてんだよ!」


 俺はセイアに文句を言う。


「……ジークか。ここは俺とセイアに任せて、他を援護してやれ」


 ガイアが大剣を構えて言う。


「……そうもいかねえんだよな。ってか、そっちのヤツ誰?」


 魔王だと思うが、どの魔王だかはわからない。


「男の派手な方がベルゼブル。暴食を司る。悪魔公爵を名乗っている。小さな少女がレヴィアタン。嫉妬を司る。海竜悪魔を名乗っている」


 異様な雰囲気は本物ってか。まあ、別にいいや。


「ひゃっは! てめえがジークってヤツか! 俺と気が合いそうだぜ!」


 ベルゼブルは楽しそうに笑って言う。


「……危険人物」


 二人は俺を知ってるようだ。俺も有名になったもんだな。


「……悪いが、この二人は俺に殺らせろよ。俺は私用で、ちょっとかき回すんだ」


「かき回す?」


「……ああ。俺はこの戦いをかき回しに来たんだ。ーー魔神ソウル“第三形態”」


 俺は化け物のような姿になる。


「実はな? 俺、今回は大魔王軍と人間側の両方を全滅させようと思ってたんだが」


「なっ!?」


「それはウチの副マスターに止められてな。だから、ここに来たんだよ」


「……どういう意味だ?」


 ガイアが聞いてくる。


「どういう意味? それはお前がよく知ってんだろ? ガイア」


 ここからが俺の見せ場だ!


「……」


 ガイアは答えない。


「答えろよ、ガイア。ーーいや、敵側にたった独り潜入している“孤高の魔王”さん?」


「……」


 ガイアは何も言わず、静かに笑った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ