魔神とバアル登場
遅れてすみません
しかし、遅れた割りには進んでません、すみません
OVLに応募するため、新作を執筆中ですので、これからも遅れると思います
来月はちょっと忙しいのでさらに遅れるかもしれませんが、よろしくお願いします
「逃げ惑え! 泣き喚け!」
黒いモノを逃げる悪魔と魔族共に投げつけて楽しむ。
「……どっちが悪魔だか、わかりゃしないわよ」
「幽霊に言われたくないと思うけどね」
「シアスにも言われたくないだろうがな」
「いや、ジンオウにも言われたくないと思うよ」
何故か四人が呆れていた。
「ま、これで騒ぎに気付いてこの街の悪魔や魔族共は引き寄せただろうな。全滅させたら、次の街に行こうぜ。ーーいや、待てよ? シアス、魔法でこの街破壊しろ」
「えっ? でも、住人もいるんじゃ?」
「気にすんな」
「……やだ。住人を殺すなんてしたくない」
プイッとそっぽを向いて俺の命令を拒否する。
「チッ。じゃあ、俺がやる」
俺は両手を上に挙げ、黒いモノを集めていく。
「この街ごと、消し飛ばしてやるぜ」
俺は凄惨な笑みを浮かべる。
「ジーク!」
「……それって、僕達も消し飛ぶよね?」
シアスが俺を止めようとするが、ディシアがいいとこに気が付いた。
「ああ。死にたくなきゃ、さっさと逃げろよ?」
俺は言って、既に発動準備が完了したアビリティ名を叫ぶ。
「アスラカタストロフ・バースト!」
直径三メートル程の黒い球体を街に向かって投げつける。
「逃げろ!」
ジンオウが反応し、ジェットを背中に出現させ、全員を抱えて上空に移動する。
黒い球体は地面に激突した瞬間、爆発し、街全体を覆う。
「……」
やり過ぎたな。街が丸ごと消えてしまった。
「やり過ぎ! ジークのバカ!」
シアスがジンオウに抱えられながら怒鳴る。
「ま、いいだろ? んじゃ、次行くぞ」
俺は言って、次の街に向かった。
……アスラカタストロフ・バーストって、俺のMPを根刮ぎ奪ってくんだよな。あんま使いたくねえ。ってか、残党処理に使うアビリティじゃねえな。
▼△▼△▼△▼△
「……結局、ここか」
俺達は見慣れた街、元アレンシアの国にして、元ゴブリン帝国にして、今は悪魔や魔族共の拠点。
あれから街を探し回ったが、雑魚しかいなかった。おそらく、ここに主戦力が集中してるんだろう。
「こっからは、ガチでいくぞ。俺が牽制する。それから、一気に畳み掛けるぞ」
俺は門の陰で言う。ここからは、今までのようにはいかないだろう。
「魔神ソウル“第二形態”」
俺は門を無視し、塀を越えて中に入る。
「ブラスト・レイン!」
ちゃんとしたスキルで、両手で黒い波動を放ち、それが途中で分裂し、町にいた悪魔や魔族に向かって飛んでいく。
不意な攻撃に直撃したヤツの少数は死に、多数は生きていた。予期していたヤツは防御し、少数だが、余裕で相殺してるヤツまでいた。
「……やっぱ、一筋縄ではいかねえかよ」
俺が攻撃してる間にシアス達が門の近くにいたヤツを倒して中に入ってくる。
「侵入者だ! バアル様に報告しろ! そして、バアル様が来るまで時間を稼ぐぞ!」
他とは違い、統率が取れていた。
「さあ、暴れるぜ、お前ら」
俺は楽しみが溢れてきてニヤリと笑う。牙があるから、結構怖いんじゃないか?
「レーザーキャノン!」
ジンオウが両肩にキャノン砲を出現させ、レーザーを発射する。
「ポルターガイスト!」
レイナがその辺にある箱や家具を浮かばせ、敵に飛ばす。
「フレイムボール!」
シアスがバランスボール並みの大きさの火の球を無数に放つ。
「アイスソード!」
ディシアが氷の剣を召喚して飛ばす。
「……ファイアソード」
ディシアはさらに敵の後ろに火の剣を召喚し、次々と貫いていく。
「おらっ!」
俺は遠距離を使わず、近距離で一人ずつ沈めていく。
そうして、途中ぞろぞろと増援が来たものの、残り三人まで減らした。
「何の騒ぎだ?」
そこに、六人の悪魔と魔族が現れた。
「バアル様……!」
その真ん中にいる刀を一本ぶら下げただけの金髪悪魔がバアルというらしい。……あんなんにクアナは負けたのか? いや、何か特別な能力があるのか。
「何の騒ぎだ? と聞いたんだが」
「は、はっ! 侵入者です! 例のアンチ・ブレイズかと」
残った三人の内一人がバアルに向かって膝を着き、報告する。
「そうか。役立たず共が。この人数相手に何て様だ。ーー死ね」
バアルはせせら笑った。
「えっ?」
地面から蟹のハサミが現れて、そいつら三人を一人ずつ切断していった。
「……てめえがバアルか」
「ああ。お前はジーク、だろう? 雑魚女のボスだとか。さぞかし無様に死ぬんだろうな」
バアルは嘲笑する。
「……あん?」
……雑魚女ってクアナのことか?
「……あ~あ、ジーク怒らせちゃった」
シアスが何か言ったが、気にしない。
「何言ってんだ、てめえ。誰が雑魚だって? 殺すぞ、てめえ」
俺は殺気を込めてバアルを睨む。
「ふっ、ははははっ! 聞いたか? 俺を殺すだと。冗談も大概にしろよ、雑魚野郎」
「……四肢もぎ取って、腸ぶちまけて殺してやるよ」
俺は今、バアルというクズを殺すことしか考えない。俺の仲間が、クアナが弱いだと? ふざけんじゃねえ。
「はっ! いいだろう、俺が直々に相手になってやる! だが、一人足りないな。ハンデをつけようか?」
一人足りない?
「何言ってんだ? もう、来てるぞ」
俺が言うと、俺の右から紙吹雪が舞い、アレンシアが姿を現す。
「……」
「ふふっ。私の国だった場所を奪われては、私が来ないわけにもいかないでしょう」
俺は前以てアレンシアの国しか残ってない時にアレンシアに連絡しておいた。
「これで、人数はいいな。お前ら、あのクズは任せろ。さあ、悪魔を殲滅しようか」
「はっ! 人間ごときでは相手にならないと、証明しろ!」
こうして、アンチ・ブレイズの少数メンバーと、バアルとその側近による一対一のバトルが個々で始まった。




