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Dive in the world   作者: 星長晶人
第三章 大魔王軍の侵略編

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悪魔とグランドクエスト会議

「ちーっす」


 俺達アンチ・ブレイズ代表の五人は、集会場所であるギルド本部に来ていた。


 ギルド本部はギルド集会所の一番でかいヤツだと思ってくれればいい。


「遅い。今日も来ないつもりだっただろ」


 不機嫌そうに言うイケメンは、ギルド盟約城騎士団の団長、セイアだ。


「まあな。虚夢が来るんなら、俺も来ねえと」


「……それは悪かったな、戦闘狂」


 皮肉っぽく言うこいつ、黒いマントを羽織っていて、背に巨大で歪な漆黒の鎌がある、見るからに暗そうな、フリードだ。


「全くだ。お詫びに一回殺させろや、根暗」


 俺とこいつは仲が悪い。犬猿の仲ってヤツだな。


 フリードはギルド虚夢の宴のマスターだ。俺が虚夢って呼んでるヤツな。


「ケンカするな、ジークフリード」


「「こいつと一緒にすんな/するな」」


 セイアに言われて、同時に嫌な顔をして睨む。


「それは悪かった。それより、会議を始めようか」


 会議の場は、丸い机の周りに椅子があり、二十人座れる。各ギルドのマスターと副マスターが座り、あとはソロプレイヤーが座る。マスター達の後ろに護衛を配置する。


「今日はグランドクエストの作戦を立てに来たんだろう? 早く済ませようか」


 仕切るのは盟約城騎士団団長のセイア。しかし、トップギルドの筆頭にして、最強のギルドはこのガイアがマスターを務めるLORDロードだ。


 ガイアは二メートル程の大剣を背負い、ロングコートを着込んでいる。黒ずくめで、結構イケメンだ。


「別名、“孤高の魔王”だろ? カッコいいな」


 俺はガイアの呼び名で褒める。物静かな感じとか、似合ってる。


「……礼を言おうか」


 褒められて照れてるらしかった。


「……罪深いな」


 言うのは、ソロプレイヤー筆頭のレフィ。腰にある長剣は歪で、本人は学生服を着ている。


「レギオンは目立ちませんね」


 レギオンのマスター、リンクが肩を竦めて言う。


 騎士鎧に身を包む、柔和な顔の青年だ。


「死刑に値する」


 ソロプレイヤーのガイスト。スーツに豪華なマントを羽織っている。


「ふあぁ。さっさと昼寝したいんだけど?」


 昼寝王国のマスター、ネスト。灰色のロングコートを着込んだ、だらけ男だ。


「老人の時間は大切にして欲しいもんじゃの」


 髭が立派な白髪のじいさんが言う。ソロプレイヤーのスレイヤだ。


「ったく。豪勢な顔触れじゃねえか。んで? 実際には何を話しゃいいんだ?」


「大魔王が侵略してくるのを防衛し、最後は全面戦争をして勝利すればいい。それを迅速に行うための会議だ」


 ガイアが説明をくれる。


 ほう?


「どこを防衛すりゃいいんだ?」


「こちら側のクエストは大魔王軍の侵略を防衛することだが、あちら側のクエストは人間を虐殺し、街や村を侵略することだ。これの結果によって今後のストーリーが決まる」


「へぇ。随分と凝ってんな」


「ああ。それらの理由を元に、ジークのどこを防衛するかという質問に答えると、わからない。あちらが作戦で侵略するわけだからな。一斉攻撃も考えられる」


「はあ? 俺らが後手に回らなきゃならねえのか? めんどくせえ。俺は攻め専門だぜ?」


 受けとか守りってのは焦れったくてイライラする。


「そう言うな」


 ガイアは嫌そうに言う俺に苦笑する。


「俺は、エリア毎にギルドが分かれて防衛するのがいいと思う。街はかなりの数がある。それを分担して守ろう」


 セイアが言う。


「……ジーク。いい案だぞ。一番街の多いエリアを選べば、一人で戦える」


 リューシンがボソッと耳打ちしてくる。


「……なるほどな。俺はその案に賛成だ。エリア2がいいな」


 俺はニヤッと笑って言う。


「……ふむ。俺もその案には賛成だ。少数ギルドのアンチ・ブレイズが一番街の数が多いエリア2を防衛するのはどうだろうか」


 ガイアは案には賛成したが、俺達がエリア2を担当するのは賛成しなかった。


「……じゃあ最大のギルドLORDロードに聞くが、ガイア、マスターと同じぐらいに強いヤツが何人いる?」


 俺はニヤニヤを引っ込めて、ガイア達を見据えながら言う。


「……。少数ギルドは精鋭だから、任せて欲しいということか」


 ガイアは俺の言いたいことがわかったようだ。


「ああ。人数が多いギルドは確かに規模がでかいが、主力が決まってる。そこに穴があってな。必ず目が届かず、気を抜くプレイヤーがいる」


「……実際に例があった身としては、反論出来ないな」


 ガイアは目を閉じて少し笑う。……論破出来たようだった。


「トップギルドでも少数ギルドはアンチ・ブレイズだけだ。俺はエリア2を任せてもいいと思う」


 ガイアは周りを見渡しながら言った。……フリード辺りが反対するかと思ったが、誰も反対しなかった。


「……まあ、その法則はどこでもいいんだけどな」


 リューシンが耳打ちしてくる。……まあ、正論だが、特別数が多いとこじゃなくてもいいんだよ。


「では、エリア2はアンチ・ブレイズに任せる。……ジーク。もうしばらく待ってくれ。全面戦争の作戦をおおまかでもいいが決めたい」


「はいよ」


 俺は軽く返事をする。


 結局、広大な草原を含む広いが街の数は比較的少ないエリア1をLORDロード


 街の数が最も多いエリア2を俺達アンチ・ブレイズ。


 森が多く、奇襲の危険性が高いエリア3を虚夢の宴。


 孤島であり、街が三つしかないエリア4をレギオン。


 海があり、砂漠のあるエリア5を昼寝王国。


 今はまだ一つしか街がないエリア6をソロプレイヤー三人。


 そして、今回の最重要拠点であり、ギルド本部のあるここ、セントラルエリアとキャピタルシティを盟約城騎士団。


 こういう分担になった。


「……まあ、妥当か。適材適所だな」


 セイアが満足そうに頷く。……最重要拠点を任されて、嬉しそうだな。

やっとちゃんとした他プレイヤーが出てきました。

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