表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Dive in the world   作者: 星長晶人
第三章 大魔王軍の侵略編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/108

悪魔とチート職

「よっ」


「えっ? えーっと、真紅?」


「ああ。こっちではジークだ。ログイン、したんだな」


「うん。ゲームやってみたかったし、ジークと一緒にいたいから」


「……ま、普通に楽しんでる場合じゃねえけどな」


「そうだね。でも、ログインしてすぐに転移って、ビックリしたよ」


「もしかしたら、お前がログインしたせいで百万人のプレイヤーが揃ったのかもしれないぜ? だとしたら、感謝感激雨霰ってな」


「ジークなら喜ぶけど、他の人は恨むよ?」


「ま、気にすんな。んで、ステータスは確認したか?」


「ううん。ジークはどうしてここに?」


「お前を鍛えてやろうと思ってな。これでも強い方だと思うぜ?」


「ありがと、ジーク」


「任せとけ、シアス」



 名前:シアス

 職業:増殖士

 種族:ヒューマン

 レベル:1

 HP 20

 MP 30

 STR 17

 DEF 13

 AGI 22

 DEX 30

 INT 30

 MDF 30

 VIT 12

 LUK 9

 振り分けポイント残数:10


 装備欄 防具

 頭:なし

 腕:なし

 胸1:狩人の衣

 胸2:狩人の上衣

 腰:ミニスカート

 脚:スカーレット・ブーツ


 武器

 両手:巫女の大弓


 スキル

 『増殖』

 『矢の創造』

 『全魔法』:【ファイアボール】

       【ウォーターボール】

       【ボルトボール】

       【サンドボール】

       【アイスボール】

       【ライトボール】

       【ダークボール】

       【ウインドボール】

       【リーフボール】

 『色気』


 増殖士:その者が放つモノは全て増殖する。増殖数はレベル×10。数が武器なら最強。人間は投げても増殖しない。モンスターも然り。



「……」


「ど、どうだった?」


 シアスは不安そうな上目遣いで俺を見てくる。


「何でこんなに強いんだよ!」


 俺より強い出だしじゃねえか!


 何だよ全魔法って! チート職か!


「えっ?」


「ったく。強いぞ、これは。ついてるな」


「ホント? ジークの役に立てる?」


「ああ。ってか、これならソロでも強そうだな。よしっ。広大な草原でレベル上げだ」


「うん」


 ▼△▼△▼△▼△


「あれは?」


「ゴブリンの群れだ。俺にとっちゃ雑魚だがな。まず俺が戦うから、見てろ」


 俺はシアスに言って、歩いていく。


「悪魔ソウル“合成悪魔”」


 お気に入りのソウルを使う。


「わぁ、カッコいいね」


 シアスは目を輝かせて言う。


「そりゃどうも」


 言いつつ、歩き進んでいく。


「さあ、いくぜ」


 俺はいつも通りに、ゴブリン共を狩り始めた。


「ふーっ。終わったか」


 キングがいない外れの群れだったな。第一、これの上位と戦ってたんだから、弱く感じるのもしゃーないか。


「ジークはやっぱり強いね。昔と変わんないよ」


「……悪いな。シアスの前ではやらねえようにしてたんだが」


「ううん。ジークは昔から私のことを守ってくれてたもん。怖くないよ」


 ……ま、あん時は怖がってたけどな。


「んじゃ、次の群れはシアスがやれ。すぐ終わるから」


「うん。ゴブリンの群れって、あれ?」


 シアスは少し遠くを指差す。


「ああ。じゃあ行くか」


 ▼△▼△▼△▼△


「ゴブリンって何属性が一番効くの?」


「知らん。リューシンのヤツなら知ってるだろうが、特に気にしてない」


「そうなんだ。弱点を突いて倒すんじゃないの?」


「ああ。力押しだな。ゴブリンは雑魚だし」


 他でも力押しでやってたな。今度からはそういうのも気にした方がいいんだろうか。


「ふーん。とりあえず、何を試そう?」


「矢だろ。ちゃんと射てるのか? 当たるのか?」


「射てるし当てるよ。これでも弓道部です」


 ちょっと拗ねたように言う。……そういや、そうだったな。


「じゃあ、矢の創造を試そうぜ。どんな矢が創れるのかとかあるだろ?」


 MPの消費量も覚えとくといいし。


「……」


 大弓を構える。


「えーっと、これが巫女の大弓だから、巫女の矢」


 適当に名前を付けていた。


「ん?」


 シアスの構える大弓に矢が出現する。


「名前付けると創れるんだな」


「うん。……ふっ!」


 気合いの声と共に矢が放たれる。


 弓道部の割りには集中する時間が少なかったが、これでも仮入部の初心者の癖にいきなりど真ん中に当てたラッキーガールだ。それでスカウトされたんだが。


 それに、今回は届けば当たる程的がいる。


 矢は真っ直ぐにゴブリンの群れに飛んでいく。手前のゴブリンの頭に向かって一直線だ。


 だが、そこで矢が増えた。十本になり、狙ったゴブリンの周囲のゴブリンにも突き刺さった。


「やった。結構距離あるから不安だったけど」


 ……結構な腕前だな。


「気付かれたぞ。もっと射て」


「うん」


 シアスは頷いて、「巫女の矢」と呟いて次の矢を創る。


「っ!」


 今度もゴブリンの頭を狙って射っている。……一撃死のせいでグロテスクなことになってるけどな。


「えっ?」


 今度は矢がかなり増えた。十本どころじゃない。百本はありそうだ。


「……レベルが上がったんだろ。10レベってとこか」


「あっ。そういえば、レベル×10の数に増えるんだよね」


 今思い出したようだった。


「……ま、そのチート使って魔法撃てよ」


「チートって……。否定出来そうにないけど」


 だってレベル100で×10だったら1000だぜ? 強すぎだろ。


「ま、さっきので大半のゴブリンが殺られたし、自分の意思で増えるタイミングを変えられるかやってみろ。撃ってすぐ、とかな」


「うん。ファイアボール」


 右手を伸ばして呟く。手元に小さな魔方陣が現れ、拳大の火の玉が飛んでいき、撃ってすぐに増殖する。


「……成功だな。色々応用が効きそうだ。あとのエリートゴブリンとキングゴブリンは弓を試してみな。どんな矢が創れるかってのをな」


「うん。やっぱりジークは頼りになるよ」


「ゲームの中じゃリューシンを頼ってくれ。俺よりもあいつの方が詳しい」


「それはそうだけど、今はジークが教えてくれたんだから」


 シアスは嬉しそうにはにかんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ