表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Dive in the world   作者: 星長晶人
第三章 大魔王軍の侵略編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

31/108

悪魔とアンチ・ブレイズ解散危機

「はっ! 『大魔王軍の侵略』ってのは、プレイヤー同士戦わせるためのクエストってわけか」


 俺はニヤッと笑いながら言う。


「……嬉しそうね。ゲームに閉じ込められたってのに」


 シュリナが呆れて言うが、構わない。


「まあ、俺はいつだってこんなもんだ。デスゲームになろうが、ログアウト不可になろうが、構わねえよ」


 実際、それを楽しむのが俺ってもんだろ。


「それで、どうする? このままフィールドに出るのか? それとも、出ないのか?」


 リューシンが怯えたように言う。


「……じゃあ、マスターとして言う。お前ら、抜けていいぞ」


「「「っ!?」」」


 俺の言葉に全員驚愕する。


「アンチ・ブレイズは解散。お前らは他のギルドに入ればいい。俺も戦闘狂集団のいるとこに入ればいいしな。……まあ、何も抜けろっつってんじゃねえよ。よく考えてみな」


「……私は抜けないわよ。ログアウト不可で怯える程繊細な神経はしてないわ」


 シュリナが言うが。


「まあ、ロリババアが言ってたことを信じれば、だがな。ログアウト不可とか言っといて、デスゲームだったり、あのデスペナルティがフェイクだったりな」


「それは……」


「ないとも限んねえだろ? それに、お前らを欲しがるギルドなんて結構いるぜ? 俺ら、ギルドランキング上位に食い込んでるからな」


「……」


「まあ、三日待ってやる。答えを出しな。あと、残るなら新メンバーを加えようと思ってるから」


 俺はそう言って、立ち上がる。


「ジーク、どこ行くんだよ!」


「ああ、三日後の昼にここ集合な」


 俺はリューシンに答えず、ギルド集会所をあとにした。


 ▼△▼△▼△▼△


「おいてめえ! ジークだろ?」


 俺はフィールドに出ると、よくわからん集団に絡まれた。


「あん?」


「……その目、やっぱジークだな。マスター! 当たりっぽいっすよ!」


 そいつは後ろを振り返って言う。


「そうか。じゃあ、てめえら、戦闘だ!」


 一番後ろにいた、筋肉隆々の俺と歳がそう変わらない男が言う。


「おらぁ!」


 俺に殴りかかってくるマスターの付き人達。


「るせぇ!」


 全員殴り飛ばした。


「弱いな。何だよ、お前ら」


「俺らはギルド、喧嘩上等。てめえを勧誘しに来たぜ」


「はっ! んで、お前らは挨拶代わりに襲ってきたわけか!」


 面白い!


「いいぜ! 相手してやる。不良気取りにモノホンの不良を見せてやるよ!」


 俺は楽しそうに笑って言った。


「ああ! 最強の不良直々に相手してくれんだ! 手加減しねえよ!」


 ……名前で俺に目を付けてた、か。それで実際に見て確認した、と。


「はっ! すぐ死ぬんじゃねえぞ!」


 俺はそいつと、殴り合いを始めた。


 ▼△▼△▼△▼△


 私ーーシュリナはジークの言ったことを考えていた。


 確かにクイーンは嘘をついたかもしれない。しかも、マスターのジークが戦闘狂だから、進んでフィールドに出ていく。


「……はぁ」


 ジークが去って、皆は散り散りになった。


「あの、シュリナさんですよね?」


「えっ?」


 同い年くらいの女の子に声をかけられた。


「そう、だけど」


「あっ。シュリナさん、私についてきてください!」


「ちょっ」


 わけがわからないまま、女の子に引っ張られていく。


「皆、連れてきたよ!」


 女の子が手を振るその先には、十数人のプレイヤーがいた。


「え~っと、誰?」


「私達は鳥系職業の集まったギルド、鳥王国なの! シュリナさんに入って欲しいんだけど」


「……考えさせて。でも、三日ぐらい、体験していい?」


「もちろんだよ!」


 女の子の笑顔に、少し罪悪感が湧いた。


 ▼△▼△▼△▼△


「……」


 私ーーティアナは皆と別れてから、とりあえずフィールドに向かった。


 ジークの言葉を聞いて皆黙った。けど、私には皆がバラバラになるのは考えられない。


「……あの、ティアナさんですよね?」


「……? ん」


 同い年くらいの女の子に声をかけられた。


「あの、ちょっと来てください」


「……」


 私は女の子に引っ張られていく。


「……」


 やがて、数人のプレイヤーがいるところに来た。


「ティアナさん、私達はあなたをこのLUK最悪のギルド、大凶八転びに引き抜きたいんです」


 ……。

 …………。


「……体験させて」


「はい、喜んで」


 ……ギルド全員私みたいだったら少し気になる。


 ▼△▼△▼△▼△


「……むぅ」


 俺ーージンオウは考え込んでいた。


 が、特に抜けるつもりはない。


「ジンオウ、だよな?」


「ん?」


 サイボーグのような姿をした少年が立っていた。


「お前に、俺のギルド、機械兵団マキナに入って欲しいんだ。機械っぽいヤツらが集まってるんだ」


「少し、体験させてもらおう」


 俺は他が抜けてアンチ・ブレイズがなくなる懸念をしていた。


 ▼△▼△▼△▼△


「剣士芸団に入ってください!」


 僕ーーディシアはギルド勧誘を受けていた。


 ……剣士芸団って、ギルド名決める時に僕が言ったヤツじゃないっけ?


 と思いながら。


「体験させてもらっていいかな?」


 そう答えた。


 ▼△▼△▼△▼△


「中国を司る我がギルド、中国四千年の歴史に入ってくれ」


 私ーーシャリアは引き抜きを受けていた。


「それって……。まあ、体験ぐらいはさせてもらうわ」


 私が適当にボケて考えたヤツじゃ、という言葉を飲み込んだ。


 ▼△▼△▼△▼△


「モンスターの虐殺を活動とした、虐殺集団に入ってくれ!」


 私ーークアナは暗いイメージのある人達に声をかけられました。


「あの、今は体験だけで」


 ジークよりも楽しそうな人はいない、かな? と思って受けてみました。


 ▼△▼△▼△▼△


屍鬼グールに入ってはくれないだろうか?」


 私ーーレアはゾンビみたいな生気のない人達に声をかけられました。


「まあ、体験ぐらいならいいれすよ」


 アンチ・ブレイズは解散の危機ですからね。


 ▼△▼△▼△▼△


「建築株式会社ファインに入ってくれ!」


 ふむ。勧誘されているようだが、会社とはいい響きだな。


「いいだろう。三日ほど体験させてくれ」


 ▼△▼△▼△▼△


「裏表リバースに入ってください。多重人格が集まってるんです」


 私ーーアレンシアはギルド勧誘をされていた。


「まあ、どこで情報を入れたかは知りませんけど、様子見をさせてください」


 ジークが早速ギルド紹介に書いたのかもしれませんが。


 ▼△▼△▼△▼△


「俺達のギルド、守護神に入ってください! 囮として」


「その紹介で入るヤツなんざいないけど、様子見させてくれ」


 俺ーーリューシンは呆れながらそれを受けた。


 ジークが新メンバーに迎える人って、あいつだよな。


 俺が巻き込んじまったから、後で殴られるだろうな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ